<メゾン・ジョゼフ・ドルーアン> ボジョレー・ヌーヴォー
毎年11月になると、世界のワイン好きはソワソワしはじめます。
そう、11月の第3木曜日は、普段ワインになじみのない人でも、その名前を聴いたことがあるであろう「ボジョレー・ヌーヴォー」の解禁日だから。
「ボジョレー・ヌーヴォー」とは、フランスはブルゴーニュのボジョレー地方でできたその年の新酒(ヌーヴォー)のこと。その年に穫れたガメイ種というぶどうのみを使い、6週間という短い熟成期間で造られるこの新酒を味わうことは、その年のワインのクオリティを判断する指標ともなるうえに、毎年この楽しみを与えてくれる自然の恵みへの感謝のお祭りという要素もあります。
そのボジョレー・ヌーヴォーのなかでも、「ヴィラージュ」は、ボジョレー地方のなかでも38村だけでつくられるものに限定される高級ワインの称号。
世界中のワイン通にその名を認められたブルゴーニュの名門ワイナリー「メゾン・ジョゼフ・ドルーアン」では、ANAオリジナルラベルのボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーを造っているのです。同ワイナリーがオリジナルラベルのボジョレー・ヌーヴォーを造っているのは、世界で唯一ANAのものだけ。まさにプレミアムな1本です。
- 記載の内容は2021年9月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
【STORY】四代目の四兄弟が守り抜くブルゴーニュの誇り
「ボジョレー・ヌーヴォー」の歴史と認定条件には、フランスらしいこだわりが詰まっています。
1800年代にブルゴーニュ地方のボジョレーの人たちが、ガメイ種というぶどうを収穫直後に仕込んで飲んでいたのがボジョレー・ヌーヴォーのはじまりだと言われています。
フランス政府によってボジョレー・ヌーヴォー発売の解禁日が11月と最初に定められたのは1951年。新酒を早く売りたい生産者が増え、クオリティの低いワインが市場に出るのを防ぐ政府の施策だったそうです。
「マセラシオン・カルボニック」(炭酸ガス浸潤法)と呼ばれる醸造法もボジョレー・ヌーヴォーならでは。ぶどうを破砕せずそのままタンクに入れ、重みで潰れたぶどうが発酵して生じる炭酸ガスによって、その味わいにさまざまな効果を生みます。
この醸造法が生みだす、新酒なのに色濃く、それでいながら渋みが少なくフレッシュでまろやかという独特な味わいが、収穫年やワイナリーによって微妙に違います。
そのため、このヌーヴォーを試飲してその年の取引量を決めるというワイン業者もあるのですから、ワイナリーにとってもボジョレー・ヌーヴォーは特別な思い入れのあるワインなのです。
そのように厳しい「フランスの舌」を、創業以来満足させ、確固たる地位を築きあげてきたのがメゾン・ジョゼフ・ドルーアン社。
1880年、初代社長のジョゼフ・ドルーアンが創業して以来、「自然の問題は自然の中に解答を求めよ」という社是に忠実に、土壌の手入れには天然成分のものしか使用しないというほどのこだわりと手間、限りないぶどうへの愛情をかけ、1976年以降は、全自社畑においてオーガニックな栽培法を継承してきました。
創業から四代にわたり着実に評価を得ながら規模を拡大し、現在は自社畑約80ヘクタールというブルゴーニュ最大規模のドメーヌにまで成長した同社。
現在はジョゼフのひ孫にあたるドルーアン家の4兄弟が醸造、販売などそれぞれの役割を分担し、世界中のワイン通にブルゴーニュの誇りをその味をもって伝えつづけているのです。
【Fromソムリエ】その年最初のワインを飲む喜びを
皆様、お待たせいたしました。それではいよいよ、ANAのテイスティングルームへご案内いたしましょう。ガイド役を務めるのは、おなじみANAショッピング「A-style」ワインアドバイザーの佐藤ソムリエです。
「解禁日前なので、2021年ものはまだテイスティングできないのですが、厳しい選定基準を設けている同社のボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーのクオリティは、毎年のように世界から絶大な信頼を勝ち得ています。
チャーミングな果実味とフレッシュな酸味のバランスが心地よいこのヌーヴォーは、常温より少し低い温度で。スモークサーモンや仔牛のカツレツ・トマトソース、クランベリーのドライフルーツ、白カビタイプのチーズなどとよく合います。
また異なる生産者のヌーヴォーと、飲み比べるのも楽しいものです。ボジョレー・ヌーヴォーは、ワインの質を評価するというよりは、その年で最初のワインを飲む喜びを感じながらいただくことがもっとも大切です。現状はリモートでのカウントダウンになるかもしれませんが、ワイン仲間と自然の恵みに感謝しながら祝杯をあげてください。(佐藤)」
- ソムリエ・プロフィール
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- A-style ワインアドバイザー 佐藤雄介ソムリエ
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都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年にANAインターコンチネンタルホテル東京のシェフソムリエ就任。(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ・エクセレンス。