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    掲載日:2021.10.27

    千葉県・木更津。豊かな東京湾。父子で釣る盤洲干潟のマゴチと港のハゼ

    自然の水辺に数多くの生き物が棲息し、東京湾の中でも気軽に釣りを楽しめるのが盤洲干潟もある千葉県の木更津市周辺です。日帰りの距離でも旅気分を満喫できる、秋の釣りに親子で出かけました。

    生命を育む希少な干潟

    木更津市で東京湾に注ぐ小櫃川。この河口に盤洲干潟が広がる

    羽田空港から東京湾アクアライン経由で30分ほど。千葉県の木更津市周辺には、日本でも屈指の広さを持つ盤洲干潟(ばんずひがた)が広がり、今では希少となった自然の海岸線が残されています。干潟は貝類、魚類、さらに鳥類と多様な生物を育む場所。春には大勢の人が潮干狩りに訪れ、同じ東京湾に面していても、東京や神奈川の人口密集エリアとは大きく様子が異なります。今回、木更津へやって来たのは、釣り好きが高じて海洋生物資源科学を学んでいる大学2年生の髙橋凪(なぎ)さんとお父さん。二人は「親子で一緒に遊べるものを」と、凪さんが小学生の時にお父さんが釣りに連れて行くようになって以来、今でも都合が合うと一緒に釣りに出かけています。そんな凪さんとお父さんですが、意外にも木更津は初めて。これまで出かけたことのあるボート釣りや海釣り公園の釣りを楽しんでいたのは、同じ東京湾でも主に反対の神奈川県側の海でした。

    大学2年生の髙橋凪さん。ウェ―ディングしてのルアーフィッシングは初挑戦
    まずは遠藤さんがお手本を見せる
    クロダイとシーバスをねらうバイブレーション系のルアー。水中で震えるように動き魚を誘う

    今回、二人の水先案内人を買って出てくれたのが、地元木更津の釣具店でスタッフを務め、ルアーメーカーのテスターとしても活躍している遠藤真一さん。凪さんが「一度はやってみたいと思っていました」という、川のクロダイをルアーでねらう釣りのエキスパートでもあります。盤洲干潟は千葉県で利根川の次に長い小櫃川(おびつがわ)の河口に出来た三角州です。一帯は東京湾の中でも汽水域に棲息するクロダイの数が多いことで釣り人には知られています。エサ釣りでもねらえるクロダイですが、近年はルアーでねらうスポーティーな釣りが人気。中でも遠藤さんは、ハードルアーに分類されるバイブレーション(魚の形をしておりキャストしたあとに水中を引いてくると、ブルブルと震えながら強い波動で魚の食いを誘う)を使ったクロダイ釣りが得意。凪さんの希望もあって、まずは小櫃川でのルアーフィッシングに挑戦です。

    ねらいはクロダイとシーバス。出会った相手は?

    シーバスやクロダイは干潮に向けて川幅が狭くなる時間帯が釣りやすい
    経験豊富な遠藤さんのキャスト。リラックスした動きの中でロッドが大きくしなる

    干潮前を見計らって川にやってきた3人。河口に近い汽水域のクロダイねらいはタイミングが重要です。「経験上、小櫃川なら潮位80cm前後の時間帯が川幅もほどよく絞られて最も釣りやすいです」と遠藤さん。ちなみに満潮時の川は思い切りキャストしても川の真ん中ほどまでしかルアーが届かないほど幅が広がります。
    まずは基本を教わります。この時期、小櫃川では主にクロダイとシーバスが釣れる可能性があり、両者は川に棲むカニや小魚などのエサを食べに来ています。ルアーの基本的な操作はどちらをねらう場合でも同じで、対岸方向に向けてキャストしたら、着底するのを待ち、あとは一定の早さでスピーディーにリールを巻いて川底近くを通してきます。クロダイもシーバスも「魚が食い付くと“ドン”と衝撃が来てリールを巻く手が一瞬止められます。そこで頑張って、もう1回転リールを巻いてください」と遠藤さん。それによりルアーのフックがしっかり口に刺さり、バラシを防ぐことができるからです。

    アタリがない中でも粘り強くキャストを続けていた凪さんに待望のヒット
    「初めて釣りました」というマゴチはガップリとルアーをくわえていた
    遠藤さんもひとまわり大きなマゴチをキャッチ

    凪さんの普段の釣りは堤防や砂浜が多く、干潟につながる河口部でのルアーフィッシングは初めて。それでも投げて巻く一連の動作は徐々にスムーズになっていきます。すると「何か来ました!」と第一声。しかしすぐに続いた「あれっ?」という言葉とともに姿を現わしたのは、汽水域に多いクサフグでした。これには思わず苦笑い。

    ただ、この日は遠藤さんも「昨日と全く様子が違います」というほど、クロダイやシーバスの気配がありません。今日は厳しいか……という空気も流れたところで、見事に沈黙を破ったのは凪さんです。「今度こそ何か来ました!」と再び声を上げると、慎重にリールを巻いて相手を引き寄せます。最後に水面から顔を出したのは汽水域で人気のあるマゴチでした。大本命のクロダイでこそなかったものの「初めて使うルアーで、初めて釣る魚でとてもうれしいです」と充分に満足できる一尾。隣でキャストしながら見守っていたお父さんも「凪やるな~」とのぞき込みます。すると遠藤さんも「今日はマゴチの日なのかな(笑)」と、凪さんより一回り大きい50cmのマゴチをヒットさせました。

    どこでも楽しめるハゼ釣り

    マゴチと同じ場所で仕掛けを変えるとハゼも釣れる
    ハゼねらいでヒットしたチンタ(クロダイの幼魚)。元気な引きで楽しませてくれた

    クロダイねらいが一段落したところで、同じ小櫃川でねらったのはハゼ。今回の釣りのもうひとつのお目当てです。ハゼは干潟のある環境を好み、木更津は東京湾の中でもハゼがよく釣れます。凪さんはルアーフィッシングで使ったサオに、ハゼのチョイ投げ釣り用に持参していたリールと仕掛け(テンビン仕掛け)をセットしました。ハリにはエサのアオイソメを切ったものを付けます。そのまま流れの真ん中めがけてキャスト。あとはオモリが砂泥底をズルズルと引きずるように、ゆっくりリールを巻いてきます。すると程なく、「ココン、ココン」というハゼ特有のはっきりとしたアタリがラインを通じて手に伝わってきました。
    同じくハゼねらいのエサ釣り仕掛けに変更したお父さんには、ハゼにしては強い「ゴゴン、ゴゴゴン」というアタリ。その正体は“チンタ”の愛称で呼ばれるクロダイの幼魚です。干潮を過ぎれば川の水位が上がってきます。久しぶりの休日を満喫するため、もう一ヵ所のハゼ釣り場に移動することにしました。

    沖に中の島大橋を望む木更津内港公園。季節によりハゼやアジが釣れる

    やって来たのは車で15分ほどの木更津港。木更津港の周辺は流入河川や運河、そして港内とあちこちでハゼがねらえます。道具は小櫃川でも使用したチョイ投げタックルが使えますが、水面が近く浅い場所ではノベザオでの釣りも楽しめます。
    木更津港には広い駐車場とトイレの整備された木更津内港公園があります。ここを中心に広い範囲でハゼがねらえ、実際に夏から秋の終わりにかけては、投げ釣り仕掛けで沖合をねらう人、チョイ投げ仕掛けで近場をねらう人、さらにノベザオで足もとのハゼをテンポよくねらう人と、さまざまなスタイルでハゼ釣りを楽しむ人たちの姿が見られます。小櫃川の本格的なルアーキャスティングも楽しいですが、足もとのよい公園で散歩気分の釣りも楽しいもの。ここでも三人三様でサオをだします。

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