鮮やかな紅葉が美しい「香雪園」
おすすめ観光スポットの案内役は、函館空港に勤務する大野誠子(おおの・せいこ)さん。
「函館の地図の“くびれ”が好き!」という大野さんは、函館生まれの函館育ち。
海も山もあり美しい自然が堪能できる函館は「北海道に来たなら必ず訪れて欲しい町」だと断言します。
大野さんがおすすめする観光スポットのひとつが、函館空港から車で約10分、10~11月の紅葉シーズンにひときわ美しい景色を見せてくれる名勝「香雪園(こうせつえん)」です。
ここは北海道でただひとつ、国の指定を受けた文化財庭園で、北海道はもとより本州産の樹木が数多く植えられ、ひとつの公園の中で育つ樹種数は道内でも有数のもの。
モミジやカエデといった広葉樹が秋になると赤、黄色、オレンジに美しく色付き、訪れる人たちを魅了します。
この「香雪園」は「旧岩船氏庭園」とも呼ばれ、明治31年※に函館市在住の呉服商人・岩船峯次郎氏が自ら庭園を作ったことが発端に。
その後、庭を訪れた知恩院の貫主がその美しさに嘆息して「香雪園」と命名。
現在は都市公園として一般に開放されています。
※諸説あり
「私の家から歩いて行ける距離にあり、よく出かけているのですが、春には桜が咲き誇り、函館市民の憩いの場になります。カルガモの親子が仲良く泳ぐ姿が見られたり、木々を渡るリスの姿が見られたり、自然に触れられる楽しい公園です。10月中旬~11月初旬にかけて行われる『はこだてMOMI-Gフェスタ』では、約100mに及ぶカエデ並木がライトアップ。とても幻想的で美しいので、ぜひ足を運んでみてください」と大野さん。
園内には美しい渓流や、お茶会に利用される書院造りの園亭(えんてい)が備えられていますが、その中でも見て欲しいのが、明治41年に完成したと言われる旧式の温室。
使用されている骨材の一部は本州から運ばれ、屋根に貼られた大きなガラス板はイギリスから取り寄せたそう。
風当たりを避けるために地面を掘り下げて建築するなど、当時の建築技術の粋を見ることができるのが特徴です。
現在は温室としての利用はされておらず館内を見ることはできませんが、温室前の庭にはバラなどの植物が植えられていて、四季折々に美しい花が咲き誇ります。
「自然の情景に彩られる園内は、ゆったりとした時間が流れデートスポットとしても最適。函館の歴史を感じる公園をぜひ散策してみてください」
スポット情報(1)
- 名称:香雪園(旧岩船氏庭園)
- 住所:北海道函館市見晴町56番地 見晴公園内
- TEL:0138-57-6210(緑のセンター)
- 営業時間:観覧自由/無休
- ウェブサイト:見晴公園
牛のエサやり体験もできる「あいす118」
函館空港から車で約5分。
多くの方が想像する「これぞ北海道!」というのどかな牧草地が眼前に広がる「あいす118」では、牛乳本来の味を大切にした絶品のソフトクリームや、オリジナルの乳製品を買い求めることができます。
「牛乳をまるごと食べているかのような、やさしい味わいのソフトクリームがとても美味しいんですよ。牛乳を使ったコロッケも人気なので、軽めのランチやおやつタイムにおすすめです」と大野さん。
このお店を営むのは、1973年に酪農家を中心とした地域の方々が力を合わせて設立した「函館酪農公社」で、健康な土から健康な草が育ち、それを食べる健康な牛の乳が人々に笑顔をもたらし、その笑顔が酪農家の「生きがい」につながる…そんな理念のもと、土壌の改良や徹底的な衛生管理により美味しい牛乳づくりを行っています。
そうして手間暇をかけて生まれる牛乳を使っているのですから、美味しくないワケがありませんよね。
なお売店では、牛乳やチーズ、ヨーグルト、プリンなども発売。
各地への発送も行っているので、お土産に利用しない手はありません。
空港へ戻る前に足を運んでみましょう。
大野さんによれば「牛のエサやり体験や、ダミーの牛を使った乳絞り体験もできるので、お子様連れの方はぜひとも行ってみてほしいですね。お店の周りが原っぱになっていて思いっきり走り回ることもできますし、函館空港から飛び立つ飛行機の姿も眺められるので、飛行機好きな子供たちもきっと大喜びしてくれますよ」とのこと。
北海道の思い出づくりに、手軽な牧場体験をプラスしてみてはいかがでしょうか。
スポット情報(2)
- 名称:あいす118
- 住所:北海道函館市中野町118
- TEL:0138-58-4460
- 営業時間:4~6月、9~11月10:00~17:00、7~8月10:00~17:30/無休(ただし、冬期間(12~3月は休業)
- ウェブサイト:函館牛乳【あいす118】