「機内持ち込み」の注意点
一般に飛行機に搭載する荷物には、法令により禁止されているものや制限されているものがあります。代表的なものは「スプレー缶類」「火薬を使用したもの」「電池類」「凶器類」などです。たとえば引火性のあるスプレー缶類は、機内持ち込みにすることも、受託手荷物にすることもできません。撥水スプレー、フライフィッシング用のフロータント(スプレータイプの撥水剤)、クマ除けスプレーなどはこの扱いになります。
一方、凶器類に入るナイフ・ハサミ類は、機内持ち込みはできませんが、受託手荷物として預けることが可能です。また、釣り用の充電池(リチウムイオン電池)は、条件によって機内持ち込みが出来ます。こちらについては後出の「受託手荷物の注意点」で詳しく解説いたします。
たとえば釣り用のハサミ、プライヤー、ドライバーなどは、航空会社の空港カウンターで受付をする際に忘れずに受託手荷物にしておきます。うっかり預け忘れると、その後の保安検査(保安検査場でのチェック)で没収され、放棄品箱に廃棄しなければなりません。あとで引き取れないのはもちろん、万一持ち込んだ場合には法令違反で罰金の対象になります。
また機内持ち込みにできる荷物については、「ハンドバック、カメラ、傘などの身の回り品のほかに手荷物1個まで」という決まりがあります。その際は「身の回り品を含めて重さは10kg以内」「3辺(縦・横・高さ)の和が115cm以内。それぞれの長さが55cm×40cm×25cm以内」であることも定められているので注意します。なお、座席が100席未満の小型機の場合は「3辺(縦・横・高さ)の和が100cm以内。それぞれの長さが45cm×35cm×20cm以内」とさらに制限の幅が広がるので、離島への釣りの場合などは注意しましょう。
たとえば、アユ釣り用のタモを受託手荷物ではなく機内持ち込みにしようとする場合、柄の部分が外せない一体型や柄を付けたままのものだと1辺が55cmをオーバーしてしまい、機内持ち込みはできません。あらかじめ受託手荷物にしておく必要があります。また、コンパクトに収納できるタイプの釣りザオも、ケースに収納した状態で長さが55cmを超える場合は機内持ち込みできないので気を付けましょう。
「受託手荷物」の注意点
受託手荷物は、航空会社の受付でチェックを受けたのち、預けて運んでもらう荷物です。受託手荷物については、まず「一人あたり20kgまで(プレミアムクラスは40kgまで)が無料」「1つの荷物の大きさは3辺の長さが合計203cm以内・1個あたりの重量は32kg以内」という決まりがあります。重さと長さの条件を満たしていれば、荷物の個数に制限はありません。そのうえで、釣り道具については「自転車・スポーツ用品」の1つとして、基本的にはスキー板やサーフボードと同様、通常の手荷物と同じように預かってもらうことができます。ただし、利用する飛行機(機材)によっては、搭載スペースの制限などから預けられない場合があります。
以下、具体的な釣り道具ごとに、預ける際の注意点やチェック項目を挙げます。釣り旅の準備の際の参考にしてください。