旅の始まりは中部国際空港セントレア
名古屋の空の玄関口となる中部国際空港セントレアへは、羽田空港からわずか1時間5分です。東京在住の方も仕事を少しだけ早めに切り上げれば、夕方の便も利用できる手軽さが魅力の就航路線です。レストラン街やショッピング街が充実し、日本初の空港内展望風呂まで併設するなど、「遊べる空港」としても中部圏の旅行者に親しまれています。
到着が遅い時間帯であれば、そんなレジャースポット満載の中部国際空港セントレアのホテルで夜を明かすのも一案です。でも、サウナ施設を目的としたサウナ旅であれば、時間帯を気にしなくても問題ありません。名古屋駅まで最速29分の名古屋鉄道に乗車後、名古屋駅の手前の金山駅で下車し、名古屋市営地下鉄に乗り換え。空港から1時間もかからずに、名古屋きっての繁華街、栄エリアに到着です。
本場を再現した、名古屋サウナの代名詞
栄で1958年に創業し、いまや名古屋サウナのレジェンド的存在となっているのが、「サウナ&カプセルホテル ウェルビー」栄店です。今池店と名駅店を含む3店舗を市内で展開。そのなかでも栄店は、2019年放送のテレビドラマ「サ道」の舞台になり、全国にファンを抱える憧れのサウナ施設となりました。
ウェルビー栄店のサウナ室は、森サウナと高温サウナの2種類。森サウナの扉を開くと、室内は薄暗く、6人ほどが入れるスペースで、ベンチは3段。いざ腰を下ろしてみると、従来のサウナのイメージにあるような、厳しい、乾いたような熱を感じません。じっくりと汗を流すひとときは、まさに極上の心地よさです。
室内には熱せられたサウナストーンがあり、自由に水をかけて、発生した蒸気を浴びることができるセルフロウリュも可能。ジュワッと蒸気がこもり、いっそうの気持ちよさを感じていたら、豊かな香りがムンムンと漂ってきました。その正体は「ヴィヒタ」と呼ばれる白樺の束。ロウリュ用の水にはヴィヒタの葉を袋詰めしたものが入り、壁には6本のヴィヒタが掛けられています。ジュワッ、ムンムン、シーン……。ジュワッ、ムンムン、シーン……。森サウナで汗を流す時間は、まるで本場フィンランドの湖畔に佇むサウナ小屋にいるかのようなひとときです。
一般的に、サウナの楽しみ方は、サウナ室5〜10分、水風呂30秒〜1分、休憩10分を1セットとし、それを3回繰り返すこととされています。しかし、それはあくまで目安で、施設や体調によってさまざま。ウェルビー栄店の森サウナは低温多湿のため心地よく、気づけば20分も過ごしてしまいました。
頃合いを見計らって水風呂に移動しようとしたら、アイスサウナと書かれた扉を発見。不思議に思って扉を開けたら、そこにはまた扉。厳重な二重扉の先に進むと、サウナ室でたっぷりため込んだ熱がキーンと冷えていきました。それもそのはず、アイスサウナの室温はなんとマイナス25℃。霜が積もり、壁には氷柱が垂れ下がり、まるで真冬のフィンランドで湖水浴をするかのような環境です。意を決して水風呂に肩まで浸かり、5秒、10秒……と数え始めたばかりでギブアップ。二重扉を懸命に押し開けて外に出ると、凍ったように感じていた体が、じつは心地よく引き締まっていることに気づきました。
サウナ室、水風呂と続いたら、後は休憩タイム。ウェルビー栄店ではウッドデッキが設置され、白樺の木にも囲まれています。アロマの豊かな香りがし、BGMに鳥のさえずりまで流され、フィンランドの森のなかで休憩しているような気分がします。芯まで温まった体が一気にクールダウンすることで、血行が促進されて、自律神経のバランスもばっちりに。気づけば天井が揺らめき、意識がぼんやりとしてきました。「ととのう」瞬間の到来です。
カプセルホテルも併設しているウェルビー栄店では、24時間いつでも、何度でもサウナが利用できます。森サウナの次は高温サウナにチャレンジするもよし、アイスサウナに圧倒された後には深さ1mもある水風呂を楽しむもよし。そしてサウナ上がりの疲れた体には、施設自慢のサウナめしが欠かせません。
ウェルビー栄店の人気メニューは、ビールと相性抜群の「ホルモン鉄板焼き」830円(税込)や、体をキンキンに冷やす「オロポかき氷」500円(税込)です。特に後者は、オロナミンCとポカリスエットを混ぜ合わせたサウナ好きの定番ドリンク、通称「オロポ」をかき氷にかけるというアイデアメニュー。個性豊かな名古屋めしに名前を連ねる日も、そう遠くないかもしれません。
サウナ&カプセルホテル ウェルビー栄店
- 住所:愛知県名古屋市中区栄3-13-12
- TEL:052-241-7126
- 営業時間:24時間/無休
- ウェブサイト:サウナ&カプセルホテル ウェルビー栄店
- 次ページでは、サウナ旅にも欠かせない「名古屋めし」もご紹介します。