ビーチを見ずにオーストラリアは語れず
国内最大の都市であり、南半球における経済の中心地・シドニーでも、3時間ほどのドライブで、野生動物がたくさん生息する「ジャービス・ベイ」にたどり着きます。
ベイと名の付く通り大きな入江のようになった湾、ジャービス・ベイは、ギネスが”世界一白い”と認定したハイアムズ・ビーチなど白砂のビーチが点在する他、内陸には森林も広がる生物多様性を体感できる場所です。
年間を通して野生のイルカに会えるドルフィンウォッチングを楽しんだ後は、「ブ―デリー国立公園」に移動してみましょう。カンガルーやワラビー、海の方ではアザラシや季節によってはクジラたちの移動など、オーストラリアの代名詞のような生き物の躍動感を目の当たりにすることができます。
観光地の多いオーストラリアの中でも、近年では年間150万人もの観光客が世界中から訪れるほど人気なのが「バイロン・ベイ」です。高層ビルが立ち並ぶゴールドコーストから約1時間半の距離でありながら、地元住民の要望によって3階以上の商業施設を建てない規制があるなど、穏やかで昔ながらの過ごしやすさが守られています。
クジラが北上し、出産を終えると親子で南下する様子が見られることも多く、バイロン・ベイの滞在プランを作る際にはぜひ、海で過ごす時間を多めに予定してみてください。
世界遺産の国立公園で、大地の力強さを体感
シドニーの西には、約10万平方キロメートルという広大な世界自然遺産、ブルーマウンテンズが広がっています。茶色の岩肌だけでなく、コアラの主食でもあるユーカリの森、鍾乳洞や滝などあらゆる自然の側面がそのまま存在し、起伏に富んだ広大な地域です。
オーストラリアの先住民であるアボリジナルピープルの歴史が深い場所でもあるので、旅の予定にはぜひ、彼らがガイドしてくれるウォーキングツアーを組んでみてください。太古のアボリジナルアートや儀礼遺跡など、先人たちの気持ちを想像しながらじんわりと心に沁みる時間を過ごすことができます。
国内有数のワイン生産地で味わうテロワール
シドニーから車で2時間ほどの距離に広がるのは、国内有数のワイナリーが大小150軒以上あるというワインの名産地、ハンター・バレーです。芳醇なワインは肥沃な土地の賜物であり、素晴らしいワインづくりのためにも、環境保護に積極的に取り組んでいる地域として知られています。生態系に配慮した農法や製造を実践するワイナリーで、ぜひローカルな食とのペアリングを味わってください。
たとえば、自家菜園で収穫する野菜やハーブ、卵など、地産地消レストランとして知られている「ビストロ・モリネス」。あるいは、1996年設立の「マーガン ワイン&レストラン」。「マーガン ワイン&レストラン」は、東京ドームが20個以上収まる100ヘクタールのぶどう畑で自主栽培、自主醸造をしている他、厨房で用いられる食材のほとんどは自家菜園で収穫されるという地産地消レストランです。新鮮さという観点に加えて、物流によるCO2排出や食品ロスの削減など、次世代に向けたサステナビリティの実践にも躊躇はありません。個人にできることやみんなでできることに加えて、地域一帯で行う環境アクションのお手本と言えそうです。
大陸でもあるオーストラリアを一言で語ることは難しいですが、それだけにどこへ行こうとも多様な価値観や文化に触れやすい国。どこか一箇所でも訪れる度、自分の中にはなかった新鮮な気づきや学びに出会えることでしょう。ANAオフィシャルカレンダーWelcome Aboard(ウェルカムアボード)2022の特設ウェブサイトには、オーストラリアへの旅のヒントやアイディアも掲載されていますので、ぜひご覧ください。
- 記載の内容は2021年12月現在のもので、変更となることがあります。
- メイン画像:ニュー・サウス・ウェールズ州 ロード・ハウ島(画像:Tourism Australia)
- 写真はすべてイメージです。