日本を代表する歴史あるトーナメントコース
温暖な気候に加え、日本トップレベルの日照時間や快晴日数を誇ることから、スポーツの聖地として知られる宮崎県。ゴルフにおいては毎年、男女のプロトーナメントが複数開催されることもあり、“ゴルフ県”と呼ばれることも。県内には約30のゴルフコースがありますが、中でも別格の存在感を放つのがフェニックスカントリークラブです。
「“日本の回ってみたいゴルフ場”といったランキングで、必ず上位に名を連ねるコースです。それはやはり、1974年に始まった『ダンロップフェニックストーナメント』の開催コースであることが大きいでしょうね。海外のトッププロのプレーを見ることができる機会は、当時はとても貴重でしたから」(マーク金井さん)
テレビ中継を通じ、“いつかプレーしてみたい”と、多くのアマチュアゴルファーが憧れの気持ちを抱くのは今も昔も変わりません。
「フェニックスカントリークラブには、高千穂、住吉、日南という9ホールのコースが3つありますが、圧倒的に人気なのはトーナメントで使用される高千穂、住吉の計18ホールです。プロがビッグスコアを出したコースを実際に回り、そのすごさを確かめたい気持ちになりますよね」(マーク金井さん)
挑戦者を待ち受ける黒松林と砂を含んだ洋芝
日向灘に面したコースは、各ホールが黒松林でセパレートされ、直接的に海は見えなくともシーサイド特有の海風が吹きます。
「海風の影響もあるのでしょう。関東によく見られる真っ直ぐ育った松林とは異なり、幹がさまざまな形状に曲がっているんです。そのため、ボールをひとたび曲げ、林に入れてしまうと脱出だけで1打、2打を要すことも。欲を抑えて、まず一度フェアウェイへとボールを戻す。その選択肢を取ることができるか否かで、スコアは大きく変わりますね」(マーク金井さん)
ですが、フェアウェイであっても油断は大敵。砂混じりの洋芝がプレーヤーを惑わすと言います。
「高麗芝という野芝はボールが浮いて見えますが、洋芝は沈んで見えるんです。そのため、アイアンショットは通常より難易度が高い。他にもあごが非常に高いバンカーやせせり出した松林が空中のハザードとしても立ちはだかり、一筋縄ではいきません」(マーク金井さん)
思わぬ罠が潜む住吉の2番パー3で腕試し
戦略性の高いホールが続く中でも、マーク金井さんが特に注意すべきと語るのが住吉コースの2番パー3です。
「レギュラーティーから145ヤードと聞くとやさしそうに感じますが、池があり、さらにグリーンの傾斜も非常にきつく、ワンオンしても場所によっては3パット、4パットしてしまうことも。トーナメントでも、実はここでボギーを叩くプロも多いんです。距離が短いからといって、油断は禁物ですよ」(マーク金井さん)
他にも住吉の4番パー4の左ドッグレッグのミドルなども、欲を出すと痛い目に遭うホールだとか。
「フェニックスカントリークラブは、チャレンジ欲をかき立てられる要素に富んだホールが多いんですね。ガツガツ食いつくと、いつもよりプラス10打で上がるなんてこともざら。冷静なコースマネジメントが攻略のカギと言えますね」(マーク金井さん)