CAが秋田県米代川の支流でテンカラにチャレンジ
羽田空港から約1時間。
秋田県の大館能代空港周辺には、多くの川が流れています。
アウトドア派で釣りにも興味津々の2人のCAが、
海外でも人気が高まっている「テンカラ(和式毛バリ釣り)」に挑戦。
キャストの練習を終えて、後半はいよいよ川へ。
美しいヤマメをねらいます!
渓流の歩き方と魚の居場所
上流に向けて釣り進む
草地でのキャスト練習を終え、いよいよ川に入った山田CA、庄村CA、石垣先生の3人。澄んだ水が何より心地よい空間です。
渓流釣りでは「釣り上がり」といって、川を遡るように釣りをしていきます。
ヤマメやイワナなどの渓流魚は、上流に頭を向けて泳いでいます。そして、昆虫などの流れてくるエサを待っていますが、同時に自分を襲う可能性のある、鳥などの気配には敏感です。
魚の後ろ側から近付くことで、まず気付かれにくくなります。また、エサを待っている魚の前まで毛バリを流すうえでも、下流から上流に向けてキャストし、着水した毛バリを自然に流すほうが、全体の操作がやりやすいというメリットがあります。
魚はどこにいるのか?
テンカラを含む渓流の釣りでは、ヤマメやイワナがいそうな場所に毛バリやエサを流します。多くの場合、魚は「いるかいないか、まだ分からない」状態で、ある程度やってみて、ダメなら次の場所をねらうという繰り返しです。
とはいえ、ビギナーならどこに魚がいそうか判断がつかないもの。まずは「周囲よりも少し深くなっている場所」をねらってみましょう。目安として、膝くらいまでの深さがあれば、充分に深い場所と言えます。そしてキャストした毛バリが、ほどよく流れに紛れ、自然に流れ下ったり、漂いそうなところが有望です。
流れを見る(魚の居場所)
毛バリの流し方とアタリ
流す時間は一度に3秒
「テンカラはテンポが大切な釣りです。しばらく釣ってダメなら粘らず、どんどん新しい場所をねらっていってくださいね」と、山田CA、庄村CAに声を掛ける石垣先生。
具体的には、以下のような方法で釣りをしていきます。
石垣先生流テンカラの基本
- 1回の流しは3秒。3秒たったらピックアップしてキャストをし直す。
- 魚が釣れる時は、1回目の流しで釣れることが多い。粘り過ぎはよくない。
- 同じ場所を3回流して反応がなければ、すぐに別の場所をねらう。
「3秒」を「3回」をキーワードとして覚えておきましょう。大切なのは、毛バリが本物のエサと同じように自然に流れることです。あまり長い時間欲張って流そうとすると、毛バリの動きがだんだん不自然になってきます。そこで、6秒間毛バリを流しっぱなしにするよりは、たとえば上流側と下流側に2分割して、それぞれ3秒間ずつ流すほうがいいのです。
アタリの見方
ところで、魚が毛バリに食いついた瞬間は、どう判断すればよいでしょうか?
テンカラでは、ドライフライと呼ぶ、浮かぶタイプの毛バリを使うこともありますが、今回を含め、一般的には沈む毛バリを使います。つまり、キャストしたあと、毛バリ自体は見えません。
実際には、水面近くのラインの先端を見ます。水中を流している毛バリを魚がくわえると、ラインもそれまでに自然に流れ下っていたものが、瞬間的にふと動きを止めます。
この違和感を察知したら、手首を返してサオ先を跳ねあげ、アワセを入れれば魚が掛かってグンと手に重さが伝わります。
アワセは手首の返しで小さく素早く
毛バリを流している最中、何か違和感を覚えたら、とにかくアワセをしましょう。せっかく魚が毛バリをくわえても、「今のは違うかな?」と思ってしまい、アワセをしないでおくとチャンスを逃してしまいます。テンカラはテンポが大切。ダメで元々で積極的にアワセを行なっていくほうが、結果的に魚が釣れる数も伸びるのです。
アワセは、ライン先端の動きが何か止まったように思えたり、あるいは、ラインのそばの水面下で何かが光ったと思ったら(多くは毛バリをくわえた魚が水中で身をひるがえしています)、素早くサオを立てることで魚の口にしっかりハリを刺します。コツはサオを大振りするのではなく、手首を鋭く返す動きで瞬間的に行なうことです。
周囲の自然を楽しむ
豊かな命が息づく水辺
2人ともアウトドアで遊ぶのが元々好きという、山田CAと庄村CA。石垣先生の「テンポよく!」というアドバイスもあって、習うより慣れろ、キャストもどんどん上達していきます。
少し余裕が出てきたら、ぜひ渓流で見つけられる、周囲の自然にも目を向けてみましょう。ヤマメやイワナといった魚のほかにも、水のきれいな流れだからこそ出会える生きものがいます。
釣ったヤマメをいただく
シンプルな塩焼きが一番
ヤマメやイワナは食べても美味しい魚です。近年は「キャッチ&リリース(釣ったら放す)」も広がっていますが、自分が美味しく食べきれる分はぜひ味わってみましょう。もちろん、それ以外の魚は元気に川に帰してやることで、また大きくなって釣り人を楽しませてくれます。
この日も、数尾はキープして、地元の恵みを味わうことにしました。協力してもらったのは、地元の釣り名人の九嶋貴文さん。
ヤマメの塩焼きはなんとっても屋外での炭火焼きが一番。遠赤外線の効果で、ぜんたいにじんわりと熱が入り、水分が適度に飛ばされ旨みが凝縮されます。
川原で作るゼッピン塩焼き
青空の下で美味しい食事も満喫したCA2人は、秋田での時間を惜しむようにもう一度川へ。
石垣先生に先導されなくても、自分たちで「次はあそこが釣れるかな?」と積極的にサオを振っていけるまでに上達しました。
秋田県で渓流魚が釣れるのは規則により9月20日までですが、毎年、6月頃からは雪解けも終わり、各河川で渓流釣りが存分に楽しめます。また、渓流のある管理釣り場なら一年を通じて練習もできます。ぜひ、チャレンジしてみてください。
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- このコンテンツは、2019年7月の情報をもとに作成しております。