【佐賀】歴史を誇る屈指の名湯「武雄温泉」
肌あたりがよく、するりと馴染んでしっとりすることから「美人の湯」として知られる名湯「武雄(たけお)温泉」。
その起源は今から約1300年前、神功皇后が朝鮮出兵から帰る際、手に持っていた矛(ほこ)の柄で地面に突いたところに温泉が湧き出したことに始まるとされています。
武雄温泉のシンボルとなっている「楼門(ろうもん)」は、佐賀県唐津市出身で、赤レンガ造りの東京駅を設計した辰野金吾(たつの・きんご)氏の手によるもの。
大正時代に建てられた、竜宮城のような見事な造形は見ごたえがあります。
なお、楼門の二階天井には4つの干支が描かれていて、東京駅にある8つの干支と合わせて「十二支」になっている…というのは、知る人ぞ知るうんちく。
日本の近代建築の父とも呼ばれる辰野金吾氏の遊び心を体感するためにも、楼門見学は外せません。
楼門を入ると見えてくる「武雄温泉新館」は大正初期に建てられた貴重な建造物で、こちらも国の重要文化財に指定されています。
当時は公衆浴場として使われていましたが、現在は資料館として開館。
大正天皇のために造られた浴室や、スペインから伝わったマジョリカタイルなど貴重な温泉文化に触れることができます。
武雄温泉の楼門内には「元湯」「蓬莱湯」「鷺乃湯」の3つの男女別大衆浴場と5つの家族風呂がありますが、地元の人から最も人気を集めているのは、明治9年に建てられ温泉施設の建物として日本最古を誇る「元湯」です。天井が高く開放感があり、明治時代から受け継がれた温泉情緒をゆったりと堪能することができます。
泉質はアルカリ性単純泉で、体に優しいのが特徴。
源泉に近い温度(44~45.5度)の「あつ湯」と、やや温度が低い「ぬる湯」が用意されているので、お好みのお湯を楽しみましょう。
家族風呂(貸し切り風呂)で人気が高いのは、かのシーボルトも浸かったとされる「殿様湯」。
江戸時代中期に当時の領主であった武雄鍋島氏の専用風呂として造られた総大理石の浴槽は壮観のひとこと。
お湯は源泉掛け流し。
4畳半と3畳の控室が付いているので、旅の疲れを癒すのにもってこいです。
「殿様湯」のほか、「家老湯」や「桜華(おうか)の湯」など趣向を凝らした家族風呂が用意されているので、ぜひ利用してみてください。
スポット情報(2)
- 名称:武雄温泉
- 住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄7425
- TEL:0954-23-2001
- 営業時間:元湯6:30~24:00(受付は1時間前まで)、殿様湯10:00~23:00
- ウェブサイト:武雄温泉