幕府の禁教令により、信仰の自由を奪われたキリスト教の信者たち。巡礼を通して、その深い信仰と奇跡の復活を肌で感じてみよう。
潜伏キリシタンの歴史を巡る
五島列島は、およそ3,000名もの潜伏キリシタンが移り住んだといわれる祈りの島。
壮絶な250年もの迫害を受けた間も、信徒は密かに信仰を続けていた。
十字に見立てた椿や、子安観音や慈母観音を聖母マリアに見立てたマリア観音など、
信仰を守るため、表向きは仏教徒を装ったという。
キリスト教の聖遺物の概念をも超えたさまざまなものが存在したそうだ。
五島にも迫害の嵐が吹き荒れた明治初期。多くの殉教者を出した五島全域のなかで、
唯一迫害を逃れた地区が「玉之浦地区」。
命がけで守り続けてきた信仰の最後の希望の地だったのだろうか。
神の教えの物語を表すために用いられるステンドグラス。
朝日や夕日といった窓の外から降り注ぐ光の入り方で、堂内の雰囲気は一変する。
三井楽教会のステンドグラスを手がけた職人たちの創作現場で体験も。
潜伏キリシタン十数名が大浦天主堂を訪れ、信仰を告白した「信徒発見」。
弾圧によって、日本に信徒がいなくなったと考えていた人々に衝撃を与えた。
禁教が解かれ、長かった迫害の日々が終わる。
明治終幕には、潜伏して守ってきた信仰の場に多くの教会が建てられた。
祈りを捧げると、心が静かに落ち着いていくのを感じるだろう。
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写真撮影・掲載:大司教区許可済み