平成13年まで稼働していた池島炭鉱。坑内見学を通じて見える、日本産業の歴史に触れる。
日本の高度経済成長を支えた炭鉱の島
長崎県池島。かつて炭鉱の町として発展したこの島は、
現在炭鉱の歴史が垣間見れる町として、観光客に人気のスポットだ。
島内には火力発電所跡や貯炭場など、現役を終えた産業機械が佇んでいる。
いかに炭鉱の島として役割を担っていたかがわかるのが、池島炭鉱ツアー。
炭鉱弁当を食べ終えたらヘルメットにヘッドライトを装着して、
トロッコに乗り込む。当時の炭鉱マンもそんな日々を過ごしていたのだろうか。
坑内では、かつて池島炭鉱で働いていたという越田さんが案内してくれた。
使われた機械や道具が置かれているほか、
当時の作業の様子なども写真を見せながら説明してくれる。
池島は昭和34年〜平成13年の43年間、日本の石炭産業を支えていた。
比較的最近まで稼働していただけあって、機械化が進んだ石炭採掘だったという。
実際に使用したドラムカッターや、ドリル作業の体験も可能だ。
大きな事故はほとんどなかったというが、当時の炭鉱マンの手取りは高かった。
渡り廊下付きの8階建アパートを見るとそれも頷ける。
最盛期の昭和45年には人口が7700人にまで膨れ上がったそうだ。
メンテナンスのしやすさから水道管を地上に出していたという。
ツタが絡まった炭鉱アパートは、閉山からの年月を感じさせる。
日本の高度成長期は、まさにエネルギー革命の時代。
やがて鉄道輸送や重工業に欠かせなかった石炭の需要は低くなり、
九州最後の炭鉱は平成13年に閉山した。
池島炭鉱体験施設
- 住所:長崎県長崎市池島町154
- 電話番号:0959-26-0888
- 営業時間:11:00〜15:30
- 定休日:毎週水曜日、第2・第4木曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
- ウェブサイト:池島炭鉱体験施設
- 記載の内容は2022年2月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
取材協力:三井松島リソーシス株式会社