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    掲載日:2022.05.27

    【京都】この時期だけの涼を感じる貴船の川床と保津川下り 夏の京都満喫旅

    京都は盆地ゆえ夏はとても暑くなりますが、長い歴史の中で暑さを乗り切る知恵が生んださまざまな楽しみ方があります。今回はその中から、貴船エリアの「川床(かわどこ)」と、豪快な舟下りが体験できる「保津川下り」の2つをご紹介。この夏は京都で粋に涼を感じてみませんか?

    夏の涼を味わう、貴船の「川床」

    川のすぐ上に設えた桟敷(床)が涼しさを届けてくれる

    京都の夏の風物詩「川床」。
    「納涼床(のうりょうゆか・のうりょうどこ)」とも呼ばれ、川のすぐ近くや清流の上の桟敷席で料理を楽しむ伝統的な風習です。
    現在ではさまざまなエリアで催されており、有名なのは鴨川と貴船(きぶね)の2ヶ所です。
    しかし同じ「川床」でも違いがあります。

    鴨川では「かわゆか」と読み、川べりの高床から川を眺め納涼しますが、京都の奥座敷、貴船では「かわどこ」と読み、手や足を伸ばせば川のせせらぎに触れられるほど低い位置に作られた桟敷で料理や景色を楽しみます。

    貴船の川床が「かわどこ」と呼ばれる理由は、桟敷がまるで「床(とこ)の間」のように見えるからという説や、地理的に貴船が“京都の床の間”にあたることにちなんだという説などがあります。
    京都市中心部より10度近く気温が低いといわれる貴船の川床は、夏の日中でもしっかりと涼を感じられるのが魅力です。

    貴船荘の川床は、目の前に滝が望める

    貴船で川床が楽しめるお店は20軒ほどあり、中でも訪れた人の心を掴み人気を博しているのが「貴船荘」です。
    2段になった滝を眺めながら楽しむ川床は、まさに風流そのもの。
    流れ落ちる川音を聞いているだけで、それまで感じていたはずの暑さがスッと引いていくことでしょう。

    風雅な佇まいの「貴船荘」

    ここ「貴船荘」の魅力は、なんといっても川床でいただける会席料理。
    このエリアの名物である鱧(はも)や鮎をメインに、季節に応じた山菜や京野菜を用いた料理は目にも鮮やか。
    水鳥の羽と塩で描いた貴船川の清流の上で、まるで鮎が泳いでいるかのような一皿「石庭」は、貴船ならではのエレガントな逸品です。
    また、国産からドイツワインまで、京会席にぴったりのワインもラインアップされているというのも嬉しいですね。

    ちなみに「石庭」に盛られる「鮎の塩焼き」は、貴船エリアの名物料理の1つ。
    貴船荘では総水量1トンの大型水槽に貴船川の冷水を引き、鮎を自然に近い環境で育てているとのこと。
    そうすることで、余分な脂がのっていない上品な味わいの鮎になるのだとか。

    川床の涼を楽しみつつ、京都ならではの“雅”なひとときを堪能しましょう
    灯篭が並ぶ「貴船神社」の参道はSNS映えするスポットに

    川床を堪能したら、水の神を祀る貴船(きふね)神社へ。
    絶景の「青紅葉」を堪能しながら、縁結びを祈願したり、水占(みずうら)みくじを楽しんだり。
    夏の京都旅にプライスレスな思い出を記していきましょう。

    スポット情報(1)

    • 名称:貴船荘
    • 住所:京都府京都市左京区鞍馬貴船町50
      叡山電車「貴船口駅」から無料送迎あり(要問い合わせ)
    • TEL:075-741-2222
    • 営業時間:11:00~21:30、不定休(川床の営業は9月末日まで)
    • ウェブサイト:貴船荘

    自然美とスリルを満喫できる渓流下り体験

    保津川の急流を乗り切る、熟練の竿さばき

    京都市の北隣に位置する亀岡市から京都・嵐山の渡月橋まで至る「保津川(ほづがわ)」。
    切り立った峡谷に囲まれる保津川は、関西屈指の景勝地です。
    明治28年に遊覧船による「保津川下り」が行われるようになり、その後、夏目漱石の『虞美人草』などさまざまな文学作品に登場。
    夏の風流を味わえるものとして、全国的に有名になりました。

    夏は日除けのため、屋根付きの遊覧船が運航。船内は飲食自由

    約16kmの峡谷を2時間かけて下る保津川下りは、四季折々の渓谷美と激流を下るスリルが楽しめるまさに天然アトラクション。
    高低差約2mの「小鮎の滝」や、水深10mで体長1mを超える鯉が棲むといわれる「殿の漁場」、本を横に積んだような地層が見られる「書物岩」など見どころが盛りだくさんです。

    9時~15時までの毎時0分に乗り合い船が運航しているので、スケジュールに合わせて予約をしてから出かけましょう。

    人気のラフティングによる保津川下りも楽しめる

    もっとスリルが欲しい! もっと川を楽しみたい! という方におすすめなのは、ゴムボートで川を下る「保津川下りRAFTING」。
    保津川下りと同じ全長16kmのコースを、波しぶきに揉まれながら下る迫力満点の体験を味わえます。

    嵐山の老舗料亭「渡月亭」でランチと温泉入浴が楽しめるコースや、ゴール後に嵐山温泉「風風(ふふ)の湯」を楽しめるコースなど、嵐山を満喫できるプログラムが用意されているので、時間と予算に応じて選びましょう。

    深緑に彩られる夏の渡月橋

    保津川下りのゴールは、嵐山を代表する観光スポット「渡月橋(とげつきょう)」のすぐ近く。
    下船後はその足で、「竹林の小道」や「天龍寺」、フォトジェニックな「キモノフォレスト」等を巡り、嵐山の魅力を堪能しましょう。

    スポット情報(2)

    • 名称:保津川下り
    • 住所:京都府亀岡市保津町下中島2
    • TEL:0771-22-5846
    • 営業時間:平日は9:00~15:00の毎時0分運航(9:00のみ運休日もあり)、土日祝日は定員が集まり次第時間に関係なく出航
      ※2022年は3月10日~12月11日まで運航予定
    • 料金:大人4,100円、子ども(4歳~小学生)2,700円(ともに税込)
    • ウェブサイト:保津川下り

    おわりに

    神社仏閣巡りのイメージがある京都ですが、その伝統と文化を粋に味わえる夏ならではの過ごし方をご紹介いたしました。
    暑い夏を涼やかに過ごす知恵から生まれ、今では夏の風物詩となった川床や保津川下りが体験できる京都に、ぜひお出掛けください。

    • メインビジュアル提供:PIXTA
    • 記載の内容は2022年4月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
    ライター:わぐり めぐみ

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