その歴史は6000年以上も前から
ひと息ついた瞬間、シュワっと喉を潤すビールは得も言われぬおいしさ。特に暑い季節の夕涼みにゴクリと飲む一杯は、文字どおり至福のひとときを贈ってくれます。
そもそもビールの誕生は、紀元前4000年以上前のメソポタミアまでさかのぼり、パンの自然発酵という偶然の産物が始まりだったとされています。エジプトではピラミッド建造に勤しんだ労働者に、ビールが配られていたのだとか。つまり6000年以上もの長きにわたって、人類はビールの栄養に疲れを癒され、ほっとひと息ついてきたのですね。
目移りするほどさまざまなビールが店舗に並ぶ今、中でも小規模の醸造所がつくるクラフトビールに注目が集まっています。丁寧に醸造している生産者の想いや、素材から特徴ある地域性などが伝わってきて、そうしたストーリーごと味わえるような愉しさがあるからでしょうか。地域や醸造所それぞれに個性が異なるから、バラエティが豊富なことも魅力的。そんなクラフトビールの中から、この夏を共にしたい商品をご紹介いたします。
ANAオリジナルラベルのクラフトビール
「麹の研究者として、最高のビールが作れるのではないだろうか」。鹿児島県の「霧島高原ビール」は、きりしま高原麦酒株式会社・現会長のそんな想いから生まれました。チェコに社員を派遣して、受け継がれてきた本場のビールの製造技術を取得。チェコのピルスナービールと同じ原材料を、伝統的な製法に忠実にのっとり、手間暇かけて醸造しているというこだわりようなのです。
そして、おいしさの秘密がもう一つ。それは、水です。霧島は、日本で初めて国立公園に指定された豊かな自然を誇る地域。雄大な霧島連山は、清らかで良質な水がわき出でることでも知られています。職人の技と超軟水の地下水が、「霧島高原ビール」ならではのコクと切れ味を創り出しているのです。
その霧島高原ビールとANAのコラボレーションで実現したのが、ANAオリジナルラベルの「夢空ビール」。フルーティな香りの「ケルシュ」、喉越し爽やかな「ブロンド」、黒ビールタイプの「ガーネット」、3種を飲み比べてみれば、それぞれの個性あるおいしさがしっかりと伝わってくることでしょう。
地産地消の生クラフトビールを
霧島高原ビールの醸造所は、鹿児島空港のすぐそばにある「バレルバレー」の中に位置しています。バレルバレーはクラフトビールをはじめ、焼酎や漬け物など、郷土の味が集まった、いわば食のテーマパークのような場所。その一角を占める和食レストラン「霧島こうじ蔵 GEN」では、食事を楽しみながら霧島高原ビールを飲むことも。生まれたその地でビアタップから注がれるビールをいただく。そんな幸せを味わうために、旅してみるのも素敵です。
せっかく旅に出るのなら、多彩な泉質の温泉がわく霧島温泉や、砂蒸し風呂で有名な指宿温泉など、鹿児島ならではの良質な温泉も楽しみたいところ。ほかにも、今も噴煙をあげる桜島や、ダイナミックな海の絶景が広がる佐多岬など、足を運びたい名所が豊富な地域でもあるのです。
地域を応援しながら味わえるビール
「地ビール」とも呼ばれるクラフトビールは、その呼称どおり地域ごとの特徴も大きな魅力です。だからこそ、その地域に思いをはせ、応援の想いを込めながら楽しむのも素敵では? 寄附で地域を応援できる「ANAのふるさと納税」。その参加自治体の中に、実はクラフトビールを返礼品としている地域もあるのです。
沖縄県那覇市もその一つ。返礼品の一つである「ウォルフブロイ」は、本格ジャーマンスタイルのクラフトビールです。それもそのはず、ドイツの法律にのっとり、麦芽、ホップ、酵母のみを原料に、ドイツ人が醸造しているビールなのです。琉球王朝時代から続く沖縄の酒文化と、ドイツのビール文化から生まれたビールは、那覇の逸品として海外の観光客をも魅了しているといいます。
北海道の東川町も、クラフトビールを返礼品の一つとしています。大雪山国立公園の麓に位置し、のどかな農村地帯が広がる東川。「地下水で暮らす町」といわれるだけあって、大自然に育まれた大雪山の豊かな伏流水に恵まれています。この水を使って醸造しているのが、「HIGASHIKAWA ALE(ヒガシカワ エール)」。「おいしい湧き水でクラフトビールをつくりたい」との想いどおり、水の存在感が伝わるマイルドな飲みやすさが特徴的です。
このほかにも北から南まで、その地ならではの特産物や文化を活かした個性豊かなビールを返礼品としている地域はたくさん。素晴らしい資源を未来へ受け継ぐためにも、地域を応援しながらクラフトビールを味わってみてはいかがでしょうか。
生まれた地に想いをはせ、背景にあるストーリーも楽しみつつビールを飲むと、おいしさはさらに深く、香りはもっと華やかに感じられるかもしれません。お気に入りのクラフトビールをみつけて、夏を爽やかに楽しみませんか?
- 記載の内容は2022年6月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。