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    掲載日:2023.02.10

    現役CAと訪ねる、神話が息づく町「宮崎県高千穂町」

    日本神話の主要の舞台となった宮崎県。なかでも高千穂町には、神話を感じさせる風景や、それを守り続ける人々など、今も神話が息づいており、「天岩戸の物語」や「天孫降臨の物語」の舞台としても登場します。今回は現役のCAと一緒に高千穂の魅力をお伝えします。

    神話の舞台となった高千穂の魅力

    宮崎県北部にある小さな町・高千穂町。熊本空港から車で1時間半、宮崎空港からは2時間ほど。この土地の文化や自然を求め多くの方が訪れます。車であれば1泊2日の旅でも十分堪能できるほど、魅力がコンパクトに詰め込まれた場所というのも人気の理由のようです。

    日本神話において、日本統治の始まりともいわれる「天孫降臨」の際、ニニギノミコトがアマテラスオオミカミの命を受け、サルタヒコノミコトの案内で舞い降りたのがこの高千穂の土地と伝えられています。神話の主要な舞台になった町には、今も神話が息づき、人々の暮らしとともにあります。

    今回の旅は、現役のCAで宮崎県庁(オールみやざき営業課)に出向中の古西奈菜文さんと訪ねました。全国の自治体でその地域を盛り上げるためにANAの社員が多く出向していますが、古西さんもその一人。神話が息づく町・高千穂の旅の魅力を一緒に伝えてもらいます。

    「宮崎県庁に出向する前は4年ほどCAとして機内サービス業務に携わっていました。高千穂はいつか訪れてみたいと思っていた場所なので、新鮮な感動を皆様にお届けできればと思います」(古西さん)

    現在、古西さんはANAから宮崎県庁に出向中。宮崎県の魅力を全国に伝えるプロモーションの仕事に携わっています

    さあ、神話の故郷・高千穂への旅のはじまりです。

    神話の神々にも気に入られた高千穂の景色

    あまてらす鉄道からの光景。山頂が二手に分かれた二上山が遠方に見えました

    九州山地に囲まれた高千穂は、山と渓谷が織りなす起伏に富んだ景色が見どころの一つ。その景色を町の中から360度のパノラマで楽しむことができるのがあまてらす鉄道です。鉄道が発着するのは2008年に廃駅となった旧高千穂鉄道高千穂線の高千穂駅。ここから往復約5kmの路線を30分ほどかけて運行します。牽引する2両の動力車と2両の客車の4両編成のグランド・スーパーカートで高千穂駅を出発です。

    高千穂あまてらす鉄道という会社が「いつか鉄道を再開したい」という思いで、観光列車を運行しています

    天岩戸(あまのいわと)駅を通り越し、しばらく走ると高千穂橋梁に差し掛かります。高千穂鉄道最高地点(105m)の場所で列車が止まり、気持ちの良い風を受けながら田園風景の大パノラマを一望します。

    鉄橋の上で運転士さんがシャボン玉を飛ばしてくれます(画像提供:あまてらす鉄道)

    遠くには山頂が二手に分かれた二上山(ふたがみさん)が見えました。神話ではこの山にニニギノミコトが降臨したといわれています。ニニギノミコトは「ここは朝日がよく射し、夕陽のよく照る良い土地だ」と、高千穂を気に入って宮殿を建てたと言い伝えられています。手つかずの自然の残る高千穂。もしかすると神々が見た風景とそう変わらない景色を見ているのかもしれません。

    あまてらす鉄道

    • 高千穂あまてらす鉄道株式会社
    • TEL:0982-72-3216
    • 住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1425-1
    • ウェブサイト:あまてらす鉄道
    • ※運行時間などは公式ウェブサイトをご参照ください。

    ニニギノミコトの言う「朝日がよく射し」とはどのような情景なのでしょう。国見ケ丘展望台にその答えがありました。国見ケ丘展望台は神武天皇(アマテラスオオミカミの直系子孫)の孫・タテイワタツノミコトが国見をしたといわれる場所で、高千穂随一の眺望とのこと。9月中旬〜11月下旬の早朝、前日の昼と夜の気温差が大きく、快晴で無風といった条件が揃うと雲海を見ることができるそうです。残念ながら、訪れた日に雲海は現れませんでしたが、山の間から太陽が姿を現す様子はとても幻想的な光景でした。

    気象条件が揃えば、この標高513mの展望台から雲海を見ることができる

    国見ケ丘展望台

    • 住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町大字押方
    • TEL:0982-73-1213(一般社団法人高千穂町観光協会)
    • ウェブサイト:国見ケ丘展望台

    「どんな場所を旅していても早朝のドラマチックな景色の変化を見るのが好きです。朝日に照らし出される高千穂の街並みの美しさに、時間を忘れるほどでした。早起きした甲斐がありましたね。」(古西さん)

    高千穂にはもう1カ所、見ておきたい景色があります。世界でも稀な、自然が作りだした景観・高千穂峡です。1934年、国の名勝・天然記念物に指定された高千穂の象徴的な景勝地。阿蘇火山活動の噴出した火砕流が、五ヶ瀬川に沿って帯状に流れ出し、急激に冷却されたためできた「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と呼ばれる岩相が特徴です。それを間近に見ることができる貸しボートがあり、ボートに乗り込みました。

    日本の滝百選にも選出された真名井の滝。高千穂峡のシンボルにもなっています

    水量はありますが、流れがゆったりとしています。川はどこまでも青く、まるで空を飛んでいるような不思議な感覚を味わいました。そして上を見上げると、柱状節理の岩肌の上から真名井の滝が静かに注いでいました。この真名井の滝もまた、天孫降臨の際にニニギノミコトがアマノムラクモノミコトに命じて水の種を移したことでできたといわれる、神話ゆかりの滝です。

    この美しい渓谷は高いところで100m、東西に7kmに渡って続いています

    「滝に打たれないよう、ボートを操るのはスリリングで印象的な体験でした。真名井の滝は神話にも出てきますから、少しくらい打たれてもご利益があるかもしれませんね(笑)」(古西さん)

    高千穂峡

    • 住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町向山
    • TEL:0982-73-1213(高千穂町観光協会)
    • ウェブサイト:高千穂峡
    • 高千穂峡貸しボート予約ウェブサイト:https://eipro.jp/takachiho1/terms/view/toppage
    • ※貸しボートは当日券がありますが、1日の予約状況によっては販売を行わないことがあるので予約がおすすめです。

    高千穂の町に脈々と受け継がれる神話への信仰

    かつて神楽で使用された猿田彦命の面。猿田彦命は学業や仕事の神様として人気です(所蔵:荒立神社)

    高千穂には神話に触れる機会がたくさんあります。この「神話との近さ」を体験できることが、この町を旅する大きな魅力になっています。神話はこの地に住む人たちの生活の中に根付いているようです。

    高千穂を舞台にした神話の中で最も有名なのは、アマテラスオオミカミが弟のスサノオノミコトのひどいいたずらに怒って、天岩戸と呼ばれる洞窟に隠れてしまったといわれる「天岩戸の物語」でしょう。その天岩戸(あまのいわと)を御神体として御祀りしているのが天岩戸神社です。

    美しい木立の中にあり、厳かな雰囲気の天岩戸神社の境内

    佐藤宮司の案内で御神体である天岩戸へ参拝することができました(決まった時間に案内してくれるのでどなたでも参拝可能)。天岩戸遥拝所と呼ばれる場所から谷を挟んで反対の山の壁に御神体が見えます。想像以上に大きな岩の裂け目から、神話のスケールの大きさを感じました。こちらは撮影禁止のため、ぜひご自身の目でご確認ください。

    天岩戸遥拝所から天岩戸に手を合わせる古西さん

    天孫降臨の際、道案内をしたのがサルタヒコノミコト。天岩戸の物語で天岩戸に隠れてしまった天照大神に出てきてもらうために踊ったのがアメノウズメノミコト。神話の中でも重要な役割を担った2人が、結婚して住んだ場所と伝えられるのが荒立神社(あらたてじんじゃ)です。

    荒立神社は芸能や縁結びにご利益があると言われており、俳優やテレビタレントがお忍びで来ることも

    興梠(こおろぎ)宮司に特別に見せていただいた本殿には、かつて神楽で使われていた神楽面が奉納されていました。「長年使った神楽面は御神体になるのですよ」と教えてくれました。時代を経た猿田彦の面から、文化や信仰の心を大切にする高千穂に住む人々の気持ちが伝わってきました。

    本堂の中を見せていただくと、長年使われた神楽面が大切に保管されていました

    「高千穂は神話に出てくる神々を大切に祀り、現代に伝えていますね。神話やそこから生まれた文化は高千穂にとって大切な存在だと感じることができました」(古西さん)

    天岩戸神社

    • 住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸1073-1
    • TEL:0982-74-8239
    • ウェブサイト:天岩戸神社

    荒立神社

    • 住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井667
    • TEL:0982-72-2368
    • ウェブサイト:荒立神社

    神社の他にも、高千穂の神話を今に伝えるものに高千穂の夜神楽があります。神楽とは神様に奉納するために奏される歌舞のこと。高千穂では毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、町内二十の集落で行われる夜神楽を奉納しているそうです。里ごとに氏神(うじがみ)様を神楽宿(民家や公民館)にお招きし、夜を徹して三十三番の神楽を一晩かけて舞い、五穀豊穣を祈願します。

    天岩戸神社神楽殿。毎年11月に天岩戸夜神楽三十三番大公開祭りで神楽が奉納されます

    各集落の夜神楽は季節や開催日が決まっていますが、高千穂神社では夜神楽の季節以外にも毎晩、全三十三番の中から代表的な4番(「手力雄の舞」「鈿女の舞」「戸取の舞」「御神体の舞」)を公開しています。舞手はすべて集落の方たちが交代で受け持つそうで、本格的な神楽を気軽に楽しむことができ、この日もたくさんのお客さんが神楽殿をいっぱいにしていました。終演後、舞手の方の一人が舞台で挨拶をしており、お話が面白くて聞き入ってしまいました。実はその方は町長さんとのこと。改めて神話とともにある町の姿を見た気がしました。

    毎夜開催される高千穂の夜神楽の様子。各集落が交代で神楽を奉納します

    「『戸取の舞』で、天岩戸を開き天照大神に外に出ていただく有名な場面で、実際に見た天岩戸と神楽の舞の景色が重なり、神社巡りのまとめとして夜神楽を観れたのも良かったです」(古西さん)

    高千穂の夜神楽(高千穂神社内)

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