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    掲載日:2023.03.31

    【福岡グルメ】働く人の出張めし。必ず食べるべき地元限定グルメ4選

    地元の食通がこっそり通うローカル酒場2軒

    博多の夜といえば、もつ鍋、水炊き、中洲の屋台が地元グルメの代表格。もちろん、定番グルメを堪能するのも楽しいですが、何度目かの福岡ならば、地元の人たちに愛される名酒場でゆっくり一献傾ける夜も一興。そこで今回は、出張のたびに訪れたくなるおいしくて居心地も抜群な、食べ飲み好きな大人たちが集う2軒を紹介します。

    老舗おでん「安兵衛」の黒いおでんに舌鼓

    創業時から継ぎ足している、黒い出汁が特徴の「安兵衛」のおでん

    にぎやかな中洲の繁華街の裏手にある西中洲は、しっぽりと飲める落ち着いた雰囲気の居酒屋が点在するエリア。その西中洲の名店が、今回紹介する「安兵衛」です。昭和7年に満州で創業し、その後、箱崎に拠点を移し昭和36年にこの地へ移転してきた老舗のおでん屋です。

    木造の長屋のような店内は、おでん鍋が鎮座する一枚板のカウンターとテーブル席を設え、昭和の映画に登場しそうな昔ながらの佇まい。開店直後から満席になり、その後も電話が鳴り止まない人気ぶりですが、慌ただしさは一切なし。大将、女将さん、スタッフの穏やかで丁寧な接客が、店に立ち込めるおでん出汁のいい香りとともに心を和ませてくれます。

    おでん鍋を仕切る「安兵衛」の二代目店主。年季の入った銅鍋はこれで4代目だとか

    おでん鍋の前に立つのは、二代目店主の名物大将・小笠原亮介さん。御歳81歳の大将は20歳から店に立ち、父親である初代の味をそのまま今に受け継いでいます。こちらの自慢が“真っ黒なおでん”。一見味が濃そうですが、出汁を飲んでみると塩辛さは全くなく、あっさりながらコク深く、胃袋に優しくじんわりと沁み入ります。

    「うちの出汁は、昆布と鰹節と濃口しょうゆの関東風なんです。この辺で関東風のおでんを出すのは、うちだけなんじゃないかな。出汁は初代の創業当時からずっと継ぎ足してきたもので、色々なおでんタネから抽出された旨みがプラスされて黒くなっているんです。飲んだらわかるけど、味が濃いわけではないんですよ」と笑う大将。

    左が3日煮込んだ玉子、右が5日煮込んだ玉子。黄身までしっとりとした食感に仕上がる
    おでんは食べやすい大きさに、一つひとつ切り分けて提供してくれる。そんな些細な心遣いもうれしい

    「安兵衛」に来たら絶対頼みたいのが、殻ごと4〜5日煮込んだ「玉子」330円(税込)です。「白身だけ先に食べてみて」と大将の教えの通りいただいてみると、これまでの玉子のおでんとは一線を画す、しっとりと柔らかな歯触りにびっくり。なんでも、殻ごと煮込むことで白身の水分が抜けず、殻を剥いた時に表面がみずみずしく仕上がるそう。殻から浸透した出汁が、貫入のような模様を作るのも特徴的。この玉子は初体験のおいしさです。

    大根、厚揚げ各220円など、おでんは220〜440円が中心。芋焼酎は指宿の「山川」660円(すべて税込み)

    お酒はビール、日本酒、焼酎、ワインと一通り揃っていますが、せっかくならばと九州の芋焼酎をセレクト。大将の息子で三代目の奥様が鹿児島出身というご縁で、指宿の芋焼酎も充実。出汁の染みたおでんをアテに飲む、香り豊かな芋焼酎がゆるゆると酔わせてくれます。

    「茶めし」880円(税込)は、お茶碗1杯の茶めしにぬか漬け、海苔が付く

    締めはお茶で炊いた茶めしを注文。共に提供されるぬか漬けと海苔で、「新香巻き」にしていただくのが安兵衛流。これが素朴ながら最高の逸品で、締めのはずがまたまた酒が進んでしまいます。

    使い込んだ一枚板のカウンターに現役の黒電話など、ノスタルジックな雰囲気もほっこり気分に

    時折話しかけてくれる大将の気さくさや、家族経営のアットホームな雰囲気も「安兵衛」の魅力で、席を立つ頃には「ああ、また来たいな」と再訪を願うはず。絶品おでんを堪能できる西中洲の古典酒場で、ゆるりと酔う夜を満喫してはいかがでしょうか。

    安兵衛

    • 住所:福岡県福岡市中央区西中洲2-17
    • 電話番号:092-741-9295
    • 営業時間:18:00〜23:00/日曜休

    「藁焼きみかん」の鰹の藁焼きと絶品酒肴

    閑静な“奥春吉”の一角に掲げられた、みかんの絵の暖簾が目印

    天神から歩いて10分程度で行ける春吉エリアは、ここ数年美食店が続々とオープンしている、地元の食感度の高いたちが注目するエリア。その春吉の飲食店を牽引するのが、2014年からこの地で暖簾を掲げる「藁焼きみかん」です。

    2021年に春吉内の閑静なエリアに移転し、古民家風のオープンキッチンを囲むカウンター主体の空間にリニューアル。こちらでいただけるのが、店名に冠する名物の藁焼きをはじめとしたシンプルで素朴な田舎料理。と言っても、器選びや料理のアプローチなどの一つひとつが洗練されていて、田舎料理というよりも割烹料理という表現の方がしっくりきます。

    節のないアサメラの一枚板が象徴的な落ち着いた雰囲気の店内。奥には小上がりのテーブル席も用意

    店主の末安さんは、久留米の出身で18歳から和食の門を叩き、京都や大阪の料亭で研鑽を積み、福岡に戻り独立。肩肘張らず店も客も気軽に和食を楽しめる店に、と高級店で培った技術を居酒屋スタイルで提供しています。

    藁焼きのパフォーマンスは必見。カメラを向けると茶目っけたっぷりのポーズを取ってくれる

    料理は九州産の食材がほとんどで、近海の魚をはじめ、末安さんが実際に畑に足を運んだ農家さんの野菜など、縁のある生産者のものも仕入れています。実家のある久留米で自ら育てているお米や、自家製の明太子などすべて手作りなのもこだわり。「昔の田舎料理はどれも手作り。当たり前にやってきたことを、当たり前にやればおいしくなる」と手間暇を惜しみません。

    左・「焼呉豆腐」500円、右・「鰹の藁焼き」700円(ともに税込)

    名物の鰹の藁焼きは、鹿児島、対馬、宮崎などその時期においしい産地の鰹を仕入れ、藁で炙り、塩と辛子でいただきます。鰹の濃厚な旨みとあとから鼻に抜ける藁の香りが絶妙で、豊富に揃う地酒との相性が抜群です。

    もうひとつの名物「焼呉豆腐」は、佐賀の郷土料理をアレンジ。中洲の「三原豆腐店」で使われている鹿島市の大豆を使った豆腐を陶板で焼き、甘いゴマダレとワサビでいただく逸品。豆腐の外側はサクッと、中はムチムチとろとろで、香ばしさと甘さと複雑な食感が一体となった技ありのおいしさに唸らされます。

    糸島産の鴨を八女の味噌で味わう「鴨のほうば焼き」600円(税込)。焦げた味噌は酒のアテにも最適
    日本酒は九州の地酒を中心に、全国各地の酒も揃える。一合800円(税込)〜

    刺身、肉じゃが、ほうば焼きなど、メニュー名はシンプルですが、繰り出される料理が予想以上のクオリティーで、次何を頼もうかワクワクするものばかり。食道楽なら、メニューを全制覇したくなる衝動に駆られるはずです。

    リクエストすると披露してくれるお決まりのポーズ。輪の中に入って記念撮影する客も多い

    明るく元気なスタッフによるカウンター越しの接客も魅力で、客たちが笑顔で食事を楽しんでいるのも印象的。一見客でも懐に入れてくれる雰囲気のよさも、「藁焼みかん」のリピート客が後を絶たない所以でしょう。

    藁焼みかん

    • 住所:福岡県福岡市中央区春吉2-12-20
    • 電話番号:092-712-0388
    • 営業時間:17:00〜24:00/日曜休
    • Instagram:@wara_yaki_mikan

    昼も夜も、とにかくおいしいものに溢れていて、胃袋が何個あっても足りない福岡。よりリアルな、はたまたディープな福岡グルメを味わいたい気分の時は、出張の合間に今回紹介した4軒を訪れてみてはいかがでしょうか。

    ライター:坂井あやの(verb)
    フォトグラファー:sono(mame)
    • 記載の内容は2023年3月現在のもので、変更となることがあります。

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