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    © paris2024

    掲載日:2024.01.30

    人々をひきつける街、フランス・パリを歩く

    2023年秋、ラグビーワールドカップの開催地として注目を集めたパリ。そして2024年7月に迫る世界的なスポーツイベントであるオリンピックに向けて、さらに変貌を遂げようとしています。伝統と革新が共存し、いつの時代も人々をひきつける観光スポットを、パリ在住のライターがご紹介します。

    史上初の試みで注目を集めるパリオリンピック2024

    Paris 2024 - Olympic Seine © Paris 2024/ Florian Hulleu

    東京オリンピックからのバトンがパリに渡り、2024年7月26日(金)から、8月11日(日)までの17日間の日程で、パリオリンピックが開催されます。(パリパラリンピックの日程は、2024年8月28日~9月8日)。100年ぶり3度目のオリンピックは、革新的でサステナブルな大会の開催を目指し注目を集めています。

    主な競技は、陸上競技から水泳、体操まで28の伝統的なオリンピック種目に加えて、東京大会で初登場したスポーツクライミング、スケートボード、サーフィン、そしてオリンピック史上初となるブレイキン(ブレイクダンス)がパリ大会で新たに追加され、32競技、329種目が実施されます。

    開会式は史上初の屋外のセーヌ川(パラリンピックはコンコルド広場)で開催される他、エッフェル塔元のシャン・ド・マルス、シャンゼリゼ通り、アンヴァリッド(廃兵院)など、数々のモニュメントの存在する中心部、街の歴史と未来を感じさせる場所で開催され、注目と期待を集めています。大半はパリやその近郊ですが、マルセイユやリヨンなどの地方都市に加え、フランス領タヒチでも競技が開催されます。

    パリオリンピックの競技会場マップは下記からダウンロードできます。

    https://cdn.paris.fr/paris/2020/12/18/368d5581a5f3d266aadd35345a1dc84b.pdf

    なかでも注目されている魅力的な3つの会場をご紹介します。

    スポーツの殿堂スタッド・ド・フランス(陸上競技や7人制ラグビー)

    Macary,Zublena et Regembal,Costantini-Architectes ©ADAGP-Paris

    パリオリンピックのメインスタジアムであるスタッド・ド・フランスは、パリ郊外北部のサン・ドニに位置し、8万人を収容するフランス最大のスタジアムです。このスタジアムでは7人制ラグビー、陸上競技、パラ陸上競技が開催されるほか、閉会式の会場としても利用されます。

    1998年にFIFAワールドカップ・フランス大会の主会場として建設されたこのスタジアムは、サッカーとラグビーのフランス代表チームのホームグラウンドであり、またさまざまなスポーツイベント、国内外の有名アーティストの大規模なコンサートにも使われていて、巨大なスタジアム特有の高揚感や熱気に包まれた雰囲気を味わえる会場です。

    スタッド・ド・フランス

    • アクセス方法:
      公共の交通機関を利用する場合は、RER(近郊列車)とメトロが便利です。
      1. RER B線 La Plaine Stade de France 駅 徒歩10分
      2. RER D線 Stade de France - Saint-Denis駅から徒歩15分
      3. メトロ 13号線で Saint-Denis - Porte de Paris 駅から徒歩5分
        B線、D線の北駅から5分で到着でき、B線ならシャルル・ド・ゴール空港から25~30分程度で直通で行くこともできます。
    • 住所:Stade de France 93216 Saint-Denis la Plaine
    • 公式ウェブサイト:スタッド・ド・フランス(英語)

    美しい庭園と壮麗なヴェルサイユ宮殿(馬術と近代五種)

    © paris2024

    馬術競技と近代五種の会場となるのが、フランスを代表する歴史的建造物のひとつでもあるヴェルサイユ宮殿です。フランス式庭園の最高傑作とも言われる壮大な庭園に、3万人収容の仮設競技場と2台の巨大スクリーンが設置され、大運河沿いでは総合馬術のクロスカントリーが行われます。競技エリアの左右にはフランス式庭園を思わせる植栽が配置され、絢爛豪華な宮殿を背景に、一流選手たちの美しく優雅なパフォーマンスが期待されます。

    ヴェルサイユ宮殿

    • 住所:Place d’Armes 78000 Versailles
    • アクセス方法:
      パリ郊外のヴェルサイユはパリの西側、約30~40kmに位置し、車で約40分ほどでアクセスできます。
      公共の交通機関を利用する場合は、RER(近郊列車)とSNCF(フランス国有鉄道)メトロとバスを乗り継いでいく方法があり、1時間程度で到着します。
      1. RER C線 パリ市内の最寄り駅から乗車 Versailles Château Rive Gauche 下車 徒歩15分
      2. SNCF N線 Montparnasse駅から乗車 Versailles Chantiers 駅 下車 徒歩25分
      3. SNCF L線 Saint Lazare駅から乗車、Versailles Chantiers 駅 下車 徒歩30分
      4. メトロ9号線 Pont de Sèvres駅から 171番 Ctateau de Versailles行きのバスの終点下車
    • 公式ウェブサイト:ヴェルサイユ宮殿(英語)

    アートの殿堂グラン・パレ(フェンシングとテコンドー)

    © paris2024

    グラン・パレは、1900年に開催されたパリ万国博覧会のメインパビリオンとして、建てられました。

    58. vue sur la Nef pendant les travaux © Patrick Tourneboeuf chez Tendance Floue pour la Rmn - Grand Palais, Paris 2023

    エッフェル塔と同じ素材の鉄鋼の骨組みとガラスから成るこの建物は、無骨ながらも美しく、十字のガラス天井の下に広がるNef(身廊)と呼ばれる荘厳かつ開放的な空間が特徴です。
    グラン・パレは展覧会やアートフェアなどのイベント、パリコレの会場としても使われてきました。2021年から2024年のオリンピックに向けた改修工事中で、2025年まで続けられますが、オリンピック会期中は、一部開放してフェンシングとテコンドーの競技が行われ、8,000人の観客を収容する予定です。

    グラン・パレ

    • 住所:3 Avenue du Général Eisenhower 75008 Paris
    • アクセス方法:
      メトロ1、13号番線 Champs Elysees Clemenceau駅 下車 徒歩2分
      メトロ9号線 Franklin D. Roosevelt 下車 徒歩5分
      RERC線 アンヴァリッド駅 6分
    • 公式ウェブサイト:グラン・パレ(英語)

    パリの観光地を巡る

    次に、パリで訪れたい観光地をいくつかご紹介します。

    ヴェルサイユ宮殿

    ヘラクレスの間にあるルモンヌによる「ヘラクレスの神格化」の天井画

    フランス史における最も重要な舞台といえば、ヴェルサイユ宮殿でしょう。またバロック建築の最高峰といわれています。

    17面の大きな窓から入る日の光が壁一面の鏡に反射してきらめく「鏡の間」

    「鏡の回廊」の天井の絵画はルイ14世の功績を示し、当時高価であった鏡を数百枚も使い経済的優位、家具、彫刻で芸術的優位を示しました。

    ジャック・ルイ・ダヴィッドが描いたナポレオン・ボナパルトの「戴冠式」の様子を描いた歴史画

    また「戴冠の間」に展示されている「ナポレオンの戴冠式」は、ルーヴル美術館にも同様の絵画があるダヴィッド本人の複製です。こちらの複製には、一部女性のドレスの色が異なる箇所があります。両者の違いにも注目してみてください。

    春から秋にかけての植栽も美しい庭園から眺めるグラントリアノン

    宮殿の周りにはフランス式庭園の最高傑作といわれるヴェルサイユ庭園が広がっています。その一角にある「マリーアントワネットの離宮と庭園」の庭には牧場、農園、たくさんの花木が植えられています。

    マリーアントワネットが好んだ田舎家は、ノルマンディーの家に着想を得た瓦ぶきの建物

    マリーアントワネットは、華やかな宮殿生活から逃れるためにこの場所を愛し、彼女にとって唯一の安らぎの場所だったと言われています。ヴェルサイユ宮殿はパリから離れた場所にあるため、事前予約をして訪れることをおすすめします。

    ヴェルサイユ宮殿

    • 住所:Place d’Armes,78000 Versailles
    • 最寄り駅:
      R E R C線Versailles Château Rive Gauche 駅、SNCF N線Versailles Chantiers駅
      SNCF L線 Saint Lazare駅から乗車、Versailles Chantiers 駅
    • 営業時間:宮殿 9:00〜17:30、離宮 12:00〜17:30、庭園 8:00〜18:00、公園 8:00〜18:00
    • チケット料金:宮殿のみ 19.50€、離宮のみ12€、1日パスポート(宮殿と離宮)21.50€
    • 休館日:月曜日(庭園と公園は無休)
    • 公式ウェブサイト:ヴェルサイユ宮殿(英語)

    エッフェル塔

    鉄の魔術師ギュスターヴ・エッフェルの設計による美しいフォルム

    エッフェル塔は、フランス革命100周年を記念して、1889年、パリ万国博覧会のモニュメントとして建てられました。当初は鉄骨が露出した斬新なデザインで、景観を損ねるとの批判もありましたが、電波塔としての役割を果たすことで解体の危機を免れ、今やパリの代表的な観光スポットとなっています。

    高さは324mで、展望台は3つのフロアに分かれ、エレベーターもしくは階段でアクセスします。
    1階が57m、2階が156m、頂上の3階が276mの高さにあり、異なった高さからのパリのパノラマを堪能できます。
    常に混雑しているため、チケットはエッフェル塔の公式サイトで日時指定の事前購入をおすすめします。

    シャイヨー宮とトロカデロ庭園が一望できる最高のロケーション
    © Victor Bellot

    また、エッフェル塔内のレストランで、絶景と美食を同時に楽しむことができます。1階のMadame Brasserie、2階のLe Jules Verneと、どちらもトップシェフによるフランス料理です。事前に必ず予約をしましょう。

    シャイヨー宮のテラスからの眺め
    © ︎Ayman Bejjani

    エッフェル塔を正面から眺める定番の絶景スポットは2つあります。
    パリ市内一望できるシャイヨー宮のテラスと、反対側にある、ピクニックスポットとして人気のシャン・ド・マルス公園です。

    現在エッフェル塔からトロカデロ広場にかけての区域が緑地化されるリノベーションが進められて、歩行者天国になる予定です。

    さらに、日没から深夜1までライトアップされています。毎時00分から5分間、キラキラと光るシャンパンフラッシュもお見逃しなく。

    エッフェル塔

    • 住所:Champ de Mars,5 Avenue Anatole France, 75007 Paris
    • 最寄り駅:
      メトロ6号線のBir-Hakeim 駅(徒歩10分)
      メトロ9号線のTrocadéro 駅(徒歩15分)
      メトロ8号線のEcole militaire 駅(徒歩15分)
      RER C線 Champ de Mars – Tour Eiffel駅(徒歩7分)
    • 定休:7月14日
    • 営業時間:9:30~23:45 ※
      • 7月7日~9月1日は9:00~24:45
    • チケット料金:3階の頂上まで28.30€ 2階まで18.10€(エレベーター)
    • 公式ウェブサイト:エッフェル塔

    ルーヴル美術館

    ルーヴル美術館入り口のガラスのピラミッドの夕景も美しい

    ルーヴル“美術館”の歴史は12世紀まで遡ります。12世紀にフィリップ2世が城さいとしてルーヴル“城”を建設し、16世紀にフランソワ1世により“宮殿”へと姿を変えました。フランス革命後に美術館計画が始まり、19世紀後半に現在の形になりました。

    エーゲ海のサモトラケ島で発見されたヘレニズ彫刻の傑作「サモトラケのニケ」

    「モナリザ」、「ナポレオンの戴冠式」などの絵画、「サモトラケのニケ」、「ミロのヴィーナス」の彫刻作品など必見の名作はありますが、その他にもここでしか見ることができない魅力的な部屋「アポロンギャラリー」や「ナポレオン3世の居室」ではフランスの美的感性、職人技を体感できます。

    フランス語ではラ・ジョコンドと呼ばれるレオナルド・ダ・ヴィンチ作の「モナリザ」
    神話の神々が描かれている「アポロンギャラリー」

    なお、ナポレオン3世の居室は2024年の5月まで修復工事のため、閉鎖されています。

    ルーヴル美術館

    • 住所:Musée du Louvre 75001 Paris
    • 最寄り駅:メトロ1、7号線Palais-Royal/Musée du Louvre駅
    • 営業時間:9:00〜18:00(金曜日のみ9:00〜21:45)入場は閉館時間の1時間前まで
    • チケット料金:17€(18歳未満無料)
    • 休館日:火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
    • 公式ウェブサイト:ルーヴル美術館(フランス語)

    セーヌ川

    左手にオルセー美術館を臨む夕刻のセーヌ川

    世界遺産に登録されている「パリのセーヌ河岸」。ノートルダム大聖堂やルーヴル美術館など10〜14世紀に建てられた建造物から、エッフェル塔、グラン・パレなど19世紀に建てられた建造物まで、異なる時代の建築物がセーヌ河岸に集まり、その街並み一体が世界遺産に登録されています。

    パリの中心部、ポン・ヌフ橋に停留所があるヴェデット・ドゥ・ポン・ヌフのクルーズ船

    クルーズ船を利用すれば、ノートルダム大聖堂、パリ市庁舎、コンシェルジュリー、ルーヴル宮殿、オルセー美術館、コンコルド広場、グラン・パレ、エッフェル塔などなど、シュリー橋からイエナ橋までの約8kmの世界遺産範囲を1時間で眺めることができておすすめです。

    セーヌ川から見る景色は、通りから見る景色とはまたひと味違い、動く絵巻ものを見ているよう。ライトアップされた夕景、夜景はロマンチックで息をのむ美しさです。

    装飾が異なるいくつもの橋の下をくぐり抜けるのもクルーズの楽しみ

    パリの中で最も美しいとされるアレクサンドル3世橋は、1900年のパリ万博の際に建設されました。

    観光クルーズでは当日券でも乗車可能ですが、ランチ・ディナークルーズは事前予約が必要です。また、複数の会社が船を運航しており、乗降場所も異なるため、観光の流れに合わせて選ぶと良いでしょう。
    また、料理界の巨匠アランデュカスのクルーズ船 Ducasse sur Seineで、特別な時間を過ごすのもおすすめです。

    パリの風物詩ブキニスト

    河岸には古本、稀覯書(きこうしょ)などを販売しているブキニストが並んでおり、歩くだけでもパリを感じることができます。

    人々が集うセーヌ川沿い
    ©️ Ayman Bejjani

    そして、セーヌ川は何よりもパリジャンにとっての憩いの場でもあります。

    セーヌ川クルーズ船

    凱旋門

    ライトアップされた凱旋門

    凱旋門は1806年にナポレオン1世が軍事的勝利をたたえるために建設を命じ、ナポレオン1世の死後に完成した門です。フランスの栄光の象徴となり、さまざまな式典や行事の舞台として使用されてきました。

    また、凱旋門の壁には歴史的な芸術家たちのレリーフがあり、夜にライトアップされると美しさが際立ちます。
    凱旋門の真下から眺めるのも迫力がありますが、屋上テラスは、シャルル・ド・ゴール広場を中心に広がるシャンゼリゼ通りを含む12本の通りやエッフェル塔、モンマルトルの丘が一望でき、パリの美しい景色が360度楽しめる絶景スポットです。

    凱旋門

    • 住所:Place Charles-de-Gaulle 75008 Paris
    • 最寄り駅:メトロ1、2、6号線・RER A線 Charles de Gaulle-Etoile駅
    • 営業時間:4月1日〜9月30日10:00〜23:00
      10月1日〜3月31日10:00〜22:30(入場は閉館の45分前まで)
    • チケット料金:13€(18歳未満無料)
    • 休館日:1月1日、5月1日、12月25日
      5月8日、7月14日、11月11日の朝
    • 公式ウェブサイト:凱旋門(フランス語)

    シャンゼリゼ通り

    クリスマスのイルミネーションには、省エネを意識したLEDライトが使用されている

    Champs-Élysées(シャンゼリゼ)のChampはフランス語で「畑」という意味です。その名のとおり、17世紀初頭まで何もない野原でしたが、今では高級ブティックやカフェが連なる世界で最も有名な通りとなりました。革命記念日のパレード、ツールドフランスのゴール、クリスマスのイルミネーションなどの行事の場でもあり、観光客が常に絶えない目抜き通りでもあります。

    ルイ・ヴィトン本店。2023年には巨大な草間彌生の人形が現れ話題を呼んだ

    各高級ブティックのショーウィンドウのディスプレイは毎回テーマがありその斬新さは最早芸術の域まで達しています。クリスマスシーズンになると、17時に点灯するイルミネーションで通り全体が明るく彩られ、この時期だけの幻想的で美しい光景が楽しめます。

    創業1899年の老舗カフェ。飲み物はテラス席のみで、店内は食事のみになる

    パリの4大カフェにも数えられる「ル・フーケ」はフランス映画界で最も権威のある賞「セザール賞」のパーティー会場になっていることもあり、著名な人物が多く訪れる店として知られています。

    シャンゼリゼ通りは、凱旋門からコンコルド広場までを指しますが、2016年からは、毎月第1日曜は歩行者天国になります。また、2024年のオリンピックでもいくつかの競技会場になることに伴い、シャンゼリゼ通りに面している飲食店はテラス席の設置を義務付けられ、緑地化計画も進められています。テラス席と緑で潤うパリらしい景観がシャンゼリゼ通りに戻ってくることが期待されています。

    シャンゼリゼ通り

    • 住所:Avenue des Champs- Élysées 75008 Paris
    • 最寄り駅:
      メトロ1、2、6、号線・RER A線 Charles de Gaulle-Etoile駅
      メトロ1号線 George V駅
      メトロ1、9号線 Franklin D.Roosevelt駅
      メトロ1、13号線 Champs-Élysées Clemenceau駅
      メトロ1、8、12号線 Concorde駅

    サント・シャペル教会

    上階の礼拝堂の身廊や後陣を埋め尽くす、15枚の大きなステンドグラス

    パリを歩くと多くの教会がありますが、特に訪れる価値があるのはシテ島にあるサント・シャペルです。
    特筆すべきは光の色彩が時間によって異なる点です。また、幻想的なステンドグラスはゴシックの宝石と称され、小さな教会ならではの包まれるような雰囲気が魅力。また、年中夜間にクラシックコンサートが行われ、神秘的な体験ができます。

    サント・シャペル教会

    ノートルダム大聖堂

    正面に設置された鑑賞台から眺める修復工事中のノートルダム大聖堂

    ノートルダム大聖堂は、パリの中心シテ島に建ち、聖母マリア(ノートルダム)をたたえるローマ・カトリック教会です。現存の建物の着工は1163年、以後200年あまりの歳月をかけて1345年に完成、パリの歴史を850年以上も見守り続けている世界屈指の史跡です。

    18世紀にフランス革命によるダメージを受けて衰退の一途をたどりましたが、1804年にナポレオンが戴冠式を実施したことや、ヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートル・ダム・ド・パリ(ノートルダムのせむし男)」が大ヒットしたことで、復興気運が高まり、19世紀になって建築家のヴィオレ・ル・デュクの指揮による修復工事で再びその姿を取り戻しました。

    セーヌ川から眺めるノートルダム大聖堂

    1991年には、フランス初期のゴシック建築の傑作として、周辺の文化遺産とともに「パリのセーヌ河岸」としてユネスコ世界遺産にも登録されました。

    ノートルダム大聖堂は2019年に火災に見舞われましたが、世界中からの支援を受けつつ修復作業が進められています。現在は中に入ることはできませんが、外から建物を見ることができ、威厳や迫力を感じることができます。

    無料の展覧会では、ノートルダムの模型など工事現場にかかわる展示品なども見ることができる

    またノートルダム大聖堂の前庭の地下で「Notre-Dame de Paris: au coeur du chantier(ノートルダム大聖堂:工事現場の中心で)」という展覧会が、再開するまでの間無料で公開されています。また、有料になりますが、ノートルダムの中世の建設現場をVRの世界で体験できます。

    ノートルダム大聖堂の再開日時について、2024年のパリオリンピックの際には間に合いませんが、同年の12月8日を予定しているとのことです。

    ノートルダム大聖堂

    オルセー美術館

    1階ロビーの中央にある彫刻ギャラリー

    1900年にパリ万博のために建設された駅が、1986年にオルセー美術館として開館しました。印象派のルノワールやモネ、ポスト印象派のゴッホ、ゴーギャンなどが有名ですが、19世紀の作品を中心とした彫刻ギャラリーで鑑賞できるロダン、画家としても有名なルノワール、ドガの彫刻家としての作品も見逃せません。

    また、アール・ヌーヴォーのインテリアギャラリーでは、19世紀末から20世紀初頭の平和なベルエポック期にタイムスリップしたかのような空間を感じることができます。

    他の展示室とは全く異なる豪華な室内装飾の祝祭の間は、ホテルのダンスホールとして使用されていた部屋

    駅にホテルが併設された時代もあり、その名残を感じられるのが1階(フランス式)にある祝祭の間(Salle des Fêtes)です。この部屋は不定期で見学可能となるため、公開されていたらぜひのぞいてみてください。

    光があたると、床に光が波のように反射するベンチはまさに芸術品です

    内装は、外観との調和を考慮した近代デザインであるのも特徴で、印象派ギャラリーには日本人デザイナー吉岡徳仁による「water block」というガラスのベンチが置かれています。21世紀の近代的なデザインのベンチに座りながら19世紀の印象派絵画を鑑賞することができます。

    カフェ「カンパーナ」では軽食やカフェが楽しめる

    また、館内の時計台の裏にあるカフェ「カンパーナ」は、ガレとアール・ヌーヴォーから発想を得た”夢の中の水辺”をイメージした内装になっています。広い館内で一休憩するならこちらでティータイムはいかがでしょうか。

    オルセー美術館

    • 住所:Musée d’Orsay  Esplanade Valéry Giscard d'Estaing 75007 Paris
    • 最寄り駅:メトロ12号線Solferino駅から徒歩3分、RER C線オルセー美術館駅から徒歩1分
    • 営業時間:9:30〜18:00(木曜日のみ9:30〜21:45)入館は閉館の1時間前まで
    • チケット料金:16€
    • 休館日:月曜日
    • 公式ウェブサイト:オルセー美術館(英語)
    • 記載の内容は2023年12月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
    ライター:奥永恭子、佐藤雪絵(minimal)

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