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    掲載日:2024.10.29

    オーストラリア・パースの旅:「世界一美しい街」で暮らすように過ごす7日間

    西オーストラリア州の州都、パース。空と海、街と緑が心地よいバランスで調和する奇跡の街は、気候も穏やかで過ごしやすく、"世界一美しい街"ともいわれるほど。今回は、パース市内とその周辺で暮らすように過ごす、少し長めの1週間の滞在プランをご紹介します。

    いつもより長めの旅が似合う街

    パースはオーストラリア第4の都市といわれ、最大の魅力は都市と自然が隣接し、その両方を存分に楽しみたい欲張りな旅にも応えてくれる懐の深さ。観光都市としての歴史も長いパース市内は、美しい街並みと整ったインフラで、地元の方々、観光客のどちらにとっても居心地のよい場所。ゆったりとした時間が流れる中で、気軽に非日常が体験できます。また一年中比較的温暖で、日本との時差が1時間というのも旅行者にとって大きなメリットです。

    好奇心を満たし、疲れた心は癒してくれる。いくつもの顔を持つ多面的なパースにとことん入り込むなら、少し長めの滞在で暮らすように過ごすのがおすすめです。

    ここでは現地在住28年のジャーナリスト、今城康雄さんにパースを存分に楽しむ1週間のプランを聞きました。

    自然と都市のコントラストが魅力。世界一美しい街であるとともに、最も住みやすい街とも評される

    1日目〜2日目:ローカルのライフスタイルを体験

    成田を午前中に出発した直行便は、約10時間のフライトを経て夜のパースに到着します。市内まで比較的近いため、ストレスなくスムーズにホテルへ。翌日に備えて早めに休めば、時差なくすっきりと旅行のスタートを切ることができます。

    ホテルは徒歩でも街の中心部へ行ける、ヘイストリート沿いで。例えば「The Melbourne Hotel」なら街歩きにもビーチへ行くのにも最高の立地。部屋も広く居心地も抜群です。

    美しく浮かび上がる「The Melbourne Hotel」のライトアップ。パース駅からのバス(RED CAT)も目の前に停まる
    ©The Melbourne Hotel

    2日目の朝は早めに起きて、ローカルの方たちに愛されるコーヒーショップへ。パースでの楽しみの一つは、街中のどこででも美味しいコーヒーが飲めること。朝も6〜7時頃の早い時間から営業しているお店も多く見られます。ビジネスエリアにあるテイクアウト専門のカフェ「Smooth Operator Coffee」のコーヒーを公園で飲みながら、今日1日の予定を立てるのはいかがでしょう。

    世界中のコーヒー愛好家が足を運ぶ、早朝から素晴らしい香りが立ち込める「Smooth Operator Coffee」
    ©Smooth Operator Coffee

    ところでオーストラリアのコーヒーはミルク入りがスタンダードです。不要な場合はロングブラック(お湯の入ったグラスにエスプレッソを注いだもの)、あるいはショートブラック(エスプレッソ)で注文を。パースは街の至る所に公園があるので、天気が良ければ散歩がてら出かけて、コーヒーと軽食で簡単なピクニックをしても。

    川に面した東西に長いラングレーパークを散歩して、そのまま「Elizabeth Quay(エリザベスキー)」へ。ここは2016年に開港したパース屈指の観光スポットで、飲食店も充実しています。周囲の魅力を発見できる、セグウェイでのツアーに参加するのも楽しいでしょう。

    「Woolworths」や「Coles」などの大型スーパーに立ち寄り、ローカルな食材を見たり、部屋でちょっとつまめるものを買ってみたり。この日は地元になじむ1日にしてみませんか。

    朝から夜まで、移り変わる景観が美しい。フリーマントルまでフェリーで行ってみるのもおすすめ
    お役立ち情報:パースのアパートメントホテル

    素材が何より美味しい西オーストラリアなら、キッチン付きのホテルで新鮮な魚介を調理するのもおすすめです。地元のワインは小分けされた缶入りもあり、さまざまなテイストから少しずつ選ぶこともできます。例えばキングスパークへも、シティへも徒歩圏内のアクセス抜群な「Nesuto Mounts Bay Perth Apartment Hotel」での滞在はいかがでしょうか。

    アパートメントホテルなら、時間を気にせず、その日の気分で柔軟な過ごし方ができる
    ©Nesuto Mounts Bay Perth Apartment Hotel

    The Melbourne Hotel

    Smooth Operator Coffee

    Nesuto Mounts Bay Perth Apartment Hotel

    3日目:都会のオアシスで過ごす1日

    緑と海、両方とも市内中心部から近いパース。3日目はいずれかを徹底的に満喫する日にしてみましょう。

    緑ならば都市に隣接した「Kings Park and Botanic Garden」へ。これほど広大で緑の多い、世界有数の公園が街のすぐ側にあることに驚きます。ガイドツアーに参加したり、見晴らしの良い展望台に行ってみたり。宙を歩ける遊歩道、オーストラリアのワイルドフラワーの植物園など見どころはたくさん、もちろんカフェやレストランもあります。

    ワイルドフラワーで囲まれた花時計は人気のスポット
    ©Kings Park and Botanic Garden - Photo Jason Thomas
    Kings Parkのレストラン「Fraser’s Restaurant」から見える、麗しいパースの都市もご馳走の一つ

    海ならば「Cottesloe Beach(コッテスロー・ビーチ)」へ。シュノーケリングやカイトサーフィンなどのアクティビティがそろっている上、子供が楽しめる遊具もあります。ビーチの何よりのポイントは、なんといっても壮大なインド洋に沈む夕日です。市内からのアクセスは車、あるいは電車を利用しても駅から徒歩圏内です。

    ビーチのレストラン「Indigo Oscar」はラテンアメリカ料理が中心。大海原の気持ちの良い眺めが望める

    パースの自然を余すところなく満喫したら、ホテルに一旦戻ってから食事に出かけましょう。イギリスの影響を色濃く受けつつも、さまざまな国の文化が融合されたオーストラリア料理をワインと一緒にいただくのはいかがでしょうか。洗練された高級レストランからカジュアルなスタイルのものまで、選択肢は豊富です。

    「The Melbourne Hotel」に併設のレストラン「De Baun & Co」のオージービーフをつかったTボーンステーキ
    ©De Baun & Co
    お役立ち情報:パースの交通

    パースでは、バス、電車、フェリーなどの公共交通が充実しています。利用するにはTransperth(トランスパース)のSmartRider(スマートライダー)カードが便利です。ただし、パース市街地の公共交通の乗り降りは無料。少し遠出するにはレンタカーが便利ですが、中距離ではライドシェアを使ったりと、豊富な選択肢から選ぶことができます。

    Kings Park and Botanic Garden

    De Baun & Co

    4日目:活気あふれる小さな港町へ

    滞在の中日は、パース市内から電車で30分ほどの美しい港町、フリーマントルへショートトリップに出かけてみませんか。開拓時代に建てられたコロニアル調の歴史的建造物が立ち並ぶ様子が壮観です。中でも駅舎は1900年代初めに建てられた重厚なレンガ作りで、2001年に西オーストラリア州の歴史遺産に登録されています。

    駅に着いたらまずは通称カプチーノ通りと呼ばれる、魅力的なカフェが並ぶ通りへ。もし週末に訪れたなら、小さなショップがひしめく「Fremantle Markets」をのぞいてみましょう。

    「Fremantle Markets」では野菜やフルーツの生鮮から、手作りの石けんやガラスアートまで幅広い品ぞろえ

    ヨットハーバーに面した海沿いのエリアでは、目の前に停泊している船を眺めたり、カモメがそばにやって来たりと、ここならではの雰囲気が味わえます。そこでぜひ、西オーストラリアで一番と誉れ高いフィッシュ&チップスの店「Cicerello’s(シセレロス)」へ。新鮮な魚を使いカラッと揚げたフライは、肉厚で大きくても食べやすいと評判です。

    フリーマントルらしさを代表する店。週末は混むので時間に余裕を持って訪れるとよさそう
    ©Cicerello's
    サイドメニューも充実している。少し涼しい日にはクラムチャウダーなどのスープを合わせて
    ©Cicerello's

    少し歩いて300mにわたる白い砂浜の「Bathers Beach」まで来たら、波打ち際を散歩したり、気が向いたら泳いでみたり。ここもまた海に沈む夕陽が綺麗なビーチの一つです。

    レストランやバーもあるので、ちょうど夕暮れ時になるように時間を合わせて訪れるのもいい

    Cicerello’s

    5〜6日目:ワインに誘われて1泊のロングドライブへ

    レンタカーでパースから2〜3時間、ブドウ畑が続く優れたワインの産地であるマーガレットリバーへ行ってみませんか。オーストラリアらしい牧草地帯が続く道を、手付かずの自然の中、ドライブを満喫しながら向かうのはいかがでしょう。

    途中のバンバリーの海にある「Dolphin Discovery Centre」でイルカウォッチングしたり一緒に泳いだり、バッセルトンでは木造では南半球最長の桟橋「バッセルトン桟橋」を渡ったり。冒険気分なら鍾乳洞が巨大な「Mammoth Cave」に訪れても。どこに行っても忘れられない思い出になりそうです。

    「バッセルトン桟橋」の全長は約2km。周りはサンゴ礁で彩られ、先端の海中観測所から魚も観察できる
    時折現れる海岸線ではオーストラリア特有の野草も多く見られる。車を停め、写真を撮ったり休憩を

    大きなスーパーマーケットに立ち寄り、肉や野菜、ワインを好きなだけ仕入れて夜のバーベキューに備えます。バーベキューが楽しめる設備が付いている宿泊施設はホテルから貸別荘のようなスタイルまで幅広く、例えばその名のとおり、自然の中にたたずむこぢんまりとしたホテル(独立したロッジ)の「Heritage Trail Lodge」は、ロッジ間の距離感がちょうど良く、周りに気兼ねなく過ごせるのでおすすめです。

    共同のエリアにバーベキューの施設があり、宿泊者が自由に使えるホテルも多い
    ©Heritage Trail Lodge

    一夜明けたらいよいよワイナリーへ。南半球では南に行くほど気温が下がり、空気が引き締まるのを感じます。ここでは海がエアコンとなり、涼しく新鮮な空気を運び、川や大小の湖が湿気と気温を保ちます。なにより赤土は水はけがよく、本場フランス郊外の自然環境に近いため多くのワイナリーが点在しているのです。どのワイナリーでも少量ずつ試飲できるので、気に入った味のワインを探してぜひお土産に。直販なのでリーズナブルに手に入ります。

    ラベルに絵画を利用したアートシリーズが有名なワイナリー「Leeuwin Estate」は併設のレストランや、公園に囲まれたような広大な敷地で、コンサートなどのイベントがあれば一緒にワインが楽しめます。そして最も歴史のあるワイナリーの一つ「Voyager Estate」は、教会のように整然とした真っ白の建物、手入れされた植栽や歩道の装飾などが非常に美しくフォトジェニックなワイナリーで、食事も評判です。

    ワイナリー巡りは時間やルートから計画し、行けなかったところはまた次に来たときの楽しみにとっておくとして、パースの街に戻ります。

    大物アーティストを呼んだ大規模なコンサートも開催される「Leeuwin Estate」
    ©Leeuwin Estate
    「Voyager Estate」の敷地にはバラ園もあり、食後にゆっくりと散歩することもできる
    ©Voyager Estate

    Heritage Trail Lodge

    Leeuwin Estate

    Voyager Estate

    7日目:帰国の前のお楽しみはショッピング三昧

    いよいよ最終日、パース発のフライトは21時台です。この日は心置きなくゆっくりと街中で食事とショッピングへ。喜んでくれる方のことを考えながらお土産を選ぶのは幸せなひとときです。ヘイストリート、マレーストリート、キングストリートなどの定番ショッピングエリアへは、ぜひ大きなショッピングバッグを持っていきましょう。

    外さないお土産を買うなら、迷うほど種類の多い「The Margaret River Chocolate Company」や、カラフルでスタイリッシュなパッケージデザインがインテリアにもなる、紅茶の「T2」へ。繁華街を少し離れれば個性的なショップも見つかります。「GENERICS Urban Apothecary」にはパースの工場で少量生産される、素敵なビーガンキャンドルが並びます。

    「The Margaret River Chocolate Company」はクリスマスやイースターなど、季節ごとの展開も盛ん
    ©The Margaret River Chocolate Company
    美しいキャンドルが整然と並ぶ「GENERICS Urban Apothecary」の店内
    ©GENERICS Urban Apothecary

    ちなみに、パース駅の徒歩圏内にはギャラリーなどの施設が多く、ショッピング以外の選択肢も豊富。「Western Australia Museum Boola Bardip(西オーストラリア州立博物館 ブーラバーディップ)」の展示は西オーストラリア州の物語が生き生きと表現されています。多様な歴史、文化、自然、豊かさを体験することができ、西オーストラリアを深く理解するための一端となる博物館です。

    2020年にリニューアルした歴史ある博物館「Western Australia Museum Boola Bardip」。パース駅直結でアクセスも抜群
    ©The Perth Express

    最終日の目的がひと段落したら、気に入ったレストランに再訪したり、ゆっくりとくつろげるカフェで軽食をとりつつ、旅の余韻に浸ってみたり。あるいはまた来たときの旅のプランを考えながら過ごして、快適な夜のフライトで帰路に着きましょう。

    お役立ち情報:短期留学

    さらに余裕のある行程の場合、最短1週間から参加できる短期留学と組み合わせるのもオーストラリアならではの旅のスタイルです。大人向け、子供向け、スクール形式からプライベートレッスンまで選択肢は豊富にあり、旅の最初に設定すればその後の現地でのコミュニケーションがスムーズになるかもしれません。

    The Margaret River Chocolate Company

    GENERICS Urban Apothecary

    Western Australia Museum Boola Bardip(西オーストラリア州立博物館 ブーラバーディップ)

    滞在するほどにまた来たくなるパース

    パースではどこで何をしていても、たとえ都市部にいたとしても、海や大地からの圧倒的な恵みを感じます。日々の生活でなんとなく少なくなっていく自然との対話を補充するために、みんなここに訪れたくなるのかもしれません。次の旅行でもまた暮らすような旅を、そしてもっと長くいられるように。パースはいつでも待っています。

    • 記載の内容は2024年9月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
    ライター:森井ユカ

    コーディネート:今城康雄(パースエクスプレス)

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