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北海道 弟子屈町・屈斜路湖:原生林に囲まれて釣る日本最大のカルデラ湖

復活を果たした湖

北海道・道東エリアの手つかずの自然の中でもひときわ存在感を放ち、一面コバルトブルーの水をたたえているのが屈斜路湖。国内の湖沼で面積は全国第6位、カルデラ湖としては最大の規模を誇る。深い森に囲まれ、湖の中央に中島が浮かぶ景観は独特で、釣り人以外にも豊かな湖水風景を楽しめる旅先として四季を通じ多くの観光客を集めている。
現在は釣り場としても有名な屈斜路湖だが、かつて1938年(昭和13年)には屈斜路湖地震により湖水が酸性化し、魚が棲まない湖になったことがあった。しかし、30年後の1968年から始まった、地元弟子屈町や釣り人有志による放流事業などにより魚類の生息が復活。その結果、まずはコンディションのよいニジマスが釣れるフィールドとして、1990年代に一躍注目を集めるようになった。魚たちの姿が再び見られるようになってからまだ20年ほどながら、今や道東を代表する人気釣り場のひとつになっている。

美幌峠から見下ろす初夏の屈斜路湖。中央に浮かぶのが中島。湖面を取り囲む森は濃密で、四季折々の美しい表情を見せてくれる
地元関係者の尽力により育ったニジマス。シルバーメタリックに輝き背部はグリーン。この美しさでファイトは強烈
秋は周囲の森が見事な紅葉に染まり、それだけでも一見の価値あり。魚の反応もよく釣りにもよい季節だ

リールを逆転させるレインボーと、ネイティブのアメマス

野性味あふれるアメマスも多数生息する。ワカサギが増えている近年、体高のあるグッドコンディションが目立つようになってきた

屈斜路湖の釣りは湖岸から水の中に立ちこむウエーディングでねらう。釣り方はルアーフィッシングとフライフィッシングが人気で対象魚はレインボーの愛称で知られるニジマスと、北海道のネイティブフィッシュであるアメマスだ。
釣り人の数がまだ少なかった頃には、70~80cmというモンスタークラスのニジマスがキャッチされ大きな話題を呼んだ。近年はそこまでの大ものに出会うのは容易ではないが、シルバーメタリックに輝く40~50cmクラスのニジマスの引きは非常に力強く、ルアーやフライにヒットした後は心地よいリールの逆転音を鳴らす。また、60cmオーバーが釣れる可能性は今も充分にある。
また、屈斜路湖から流れ出す釧路川は有名な釧路湿原の源。釧路川の本流にはダムがないため、川と海を行き来するアメマスが生息しており、屈斜路湖内にも大小のアメマスが泳ぐ。このアメマスも、近年は湖で増えているワカサギを食べてコンディションのよい良型が期待できるようになってきた。つまりニジマスとアメマスのどちらも魅力的な釣りができるのである。

自然のサイクルに沿った釣り

釣りは季節に応じた魚たちのエサを意識したものになる。6~7月はモンカゲロウやエゾハルゼミ、8~10月はカメムシなどが水面に浮いて魚のエサとなる。さらに、ワカサギが放流されて定着するようになり、これらも重要なエサになっている。ルアーやフライも、こうした魚の捕食物を意識して選ぶとよい。
屈斜路湖では入漁券などは購入せずに釣りができるが、各種の放流事業は観光振興の名目で弟子屈町により予算が確保されている。湖を訪れたときは、魚類を復活させてくれた地元の尽力に感謝しつつ、地域経済への貢献を意識して楽しんでいただきたい。また、地元の関係者は釣った魚は再放流するキャッチ&リリースへの協力を呼び掛けている。

モンカゲロウの羽化は6月中旬以降にピークを迎え、7月まで続く
エゾハルゼミも魚たちに捕食されている。背後の森が湖面まで張り出している場所が有望
近年、屈斜路湖ではワカサギが増えている。産卵期は5~6月。この時期には湖岸沿いの浅場で群れを確認できる
フライも近年はワカサギを意識したストリーマーパターンが定番となっている。大きさは90mm前後
湖岸に打ち上げられていたワカサギは120mmのルアーと同サイズ
地元関係者らはキャッチ&リリースへの協力を呼び掛けている

この釣り場へのアクセス

屈斜路湖

女満別空港、根室中標津空港、釧路空港の各空港からレンタカーを利用。女満別空港からは約1時間、根室中標津空港からは約1時間20分、釧路空港からは約1時間45分。

釣り場情報

(屈斜路湖/ニジマス、アメマス)

シーズン 4~12月
問合先 弟子屈町役場
  • 釣り場情報は2016年8月現在のものです。
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