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【鹿児島県・種子島】宇宙への最前線はGTへの最前線の島

至高のターゲットを最も手軽にねらえる場所

大隅諸島のひとつである鹿児島県種子島は、南方系のハイビスカスやガジュマルが繁茂する亜熱帯性気候の島。面積は445km²。鹿児島県内では奄美大島、屋久島に次いで3番目に大きく、国内でも10番目に大きな島だ。島の東南端に位置する種子島宇宙センターはその景観の素晴らしさから「世界一美しいロケット基地」と称される。
そんな日本で最も宇宙に近い島は、実はアングラーの憧れであるGT(ジャイアントトレバリー)に日本一近い島でもある。

オフショアキャスティングゲームでは国内最大級のターゲットであるGT。そして種子島はもっとも手軽にGTにチャレンジできる島だ

アフリカ東岸からハワイ諸島、マルキーズ諸島、オーストラリア北部にかけてのインド洋や太平洋の熱帯・亜熱帯地方に広く分布するGTは、大型になると全長は160cm以上に達し、体重も60kgを超すまでに成長する。日本では沖縄県や鹿児島県の奄美諸島、トカラ列島などに生息し、ビッグワンを求めるアングラーにとっては至高ともいえる国内最大級のターゲットとして君臨している。
かつて日本国内におけるGTの生息北限はトカラ海域とされてきたが、それよりもさらに身近な種子島周辺でもねらえることが分かったのは約10年前。種子島宇宙センターに近い「LIFE fishing guide service」ではフロントで4人が快適にフルキャストすることができるフルフラットデッキ艇「南海」を駆って、全国から集まるアングラーたちを夢の海域に案内している。
海外まで渡航せずとも、高速船に乗れば鹿児島南埠頭からわずか1時間半で行くことができるほど利便性の高い種子島で釣れることで、「いつかはGT」という憧れは、「週末はGT」という現実になった。

最近の主力はダイビングペンシルとダイビングポッパー。潜らせたあとのスローな浮上がGTを刺激するようだ
ペンシルポッパーは飛距離が魅力。控えめなポップ音とスプラッシュを立てながらスピーディーに海面をサーチしていく
GTが潜む海域にはハンマーヘッドなどのサメの仲間が非常に多く厄介な存在ではあるが、サメとGTが共存しているともいえ、サメのチェイスを蹴散らして突然GTが真下から突き上げてくることもある
爆発という表現がふさわしいGTのバイト。これはミスバイトだが本当に心臓に悪い出方である
終日トップウオータープラグを投げ続ける体力的にも過酷な釣りだが、ヒットすればさらに過酷なファイトが待っている。奥に見えるのは種子島のお隣の屋久島。両島の間に実績ポイントが点在している
まさにGTキャスティングゲームのためのボート「南海」。フロントはフルフラットデッキのため非常に快適だ

想像をはるかに超えたパワーとスピード

GTの魅力はなんといってもパワーとスピードだ。操るルアーのほとんどは水面で操作するタイプだが、GTはもともと表層付近にいる魚ではない。ましてや群れる魚でもない。若魚は別にして、基本的に大型の成魚は単独で行動する。だからこそ和名をロウニンアジ=浪人鯵というのだが、ダイバーの目撃例と照らし合わせても、普段は水深40mほどの海底付近にいることが多い。しかし水面にエサとなる魚の存在を確信すれば驚異的なスピードで一気に急浮上して、まさに水面が炸裂したかのような派手な捕食行動を見せてくれる。

ヒットと同時にボトムめがけて突進するGT。この疾走を止められずに主導権を握られると長期戦を強いられる。万全のタックルで腰をしっかりと落として早い段階で主導権を握ればGTを元気なうちにリリースすることができる

広大な海面においては、いくら大型のルアーでも存在感は希薄である。通常、GTが口にしているトビウオにはやや近いサイズとはいえ、GTがシイラの成魚をも二つ折りにして呑みこむことを考えれば、とくに気を惹く存在とはいえない。ましてや底近くに沈んでいるGTに食い気を起こさせるには、アングラーがルアーに存在感を与える必要がある。GTの釣りは、限界近くまで曲がるロッドや巨大な魚体に目を奪われがちだが、むしろこのルアーに食いつかせるまでのゲーム性の高さにこそ醍醐味がある。
ルアーはポッパーが主流で、水面でしぶき(スプラッシュ)を上げながら時に停めて誘うタイプもあれば、スプラッシュは控えめながら飛距離に長けたペンシルポッパー、仲間同士のエサの取り合いと勘違いさせる強烈な捕食音を演出できるチャガータイプ、多くの空気をまとったまま海中に潜行させることで音と泡で存在を気付かせるダイビングポッパーなどを状況に応じて使い分ける。ポッパーもペンシルベイトもダイビングタイプのものは、ダイブさせてからのスロースピードでの浮上時にバイトすることが多い。
掛けたあとのファイトも凄まじい。全体重をロッドに預けるべく腰を深く落としてファイトをする。恐らくは魚であることが信じられないほどのパワーに圧倒されるだろう。体力と気力とタックルの限界を知る機会になるかもしれない。だからこそこの魚をランディングできたときの喜びは大きいのだ。

30kgオーバーの面構えは実に精悍。すべてが記憶に残る1尾になる。それがGTゲーム
キハダマグロがヒット。民宿「しまさき」で刺身にしてもらい、その日の晩に美味しくいただいた
海面まで浮上させたら最後は船長がランディングしてくれる。そしてすぐに口の中に海水を送り込み体力回復を図って速やかにリリースする
パワーとパワーのぶつかり合いの末、海面に浮上してもなお最後の抵抗を見せる
潮目に小魚のナブラがあれば高確率でフィッシュイーターがいる。横っ飛びの勢いが余ってルアーを咥えきれなかったのはシイラだろうか

観光プラスワンのお手軽釣行もおすすめ

GTフィッシング以外にもこの島の魅力はたくさんある。種子島開発総合センター(鉄砲館)ではポルトガルから伝わった銃や国産第一号の銃を観覧でき、種子島宇宙センター内にある宇宙科学技術館にはロケットや人工衛星の実物が展示され、H-2Aロケットの打ち上げも体感できる。
島の中心地である西之表市街から北に向かえば種子島で一番きれいな海と言われる浦田海水浴場(ベラビーチ浦田)があり、また、島の南部にもサーフが点在し、日本でも一、二を争うほどいい波が押し寄せるサーフィンの聖地として知られる。
特産品は安納芋。糖度が非常に高く黄金色に輝くブランド芋はスイーツの高級素材であり、島焼酎の原料としても欠かせない。そのほかマンゴーやパッションフルーツなど南国らしいフルーツの名産地である。
釣りもGTとなると敷居が高いが、島の玄関口である西之表港のすぐ沖に浮かぶ波止場からでもビッグゲームを体感できる。一番のおすすめはアオリイカだ。春になると、全国的にはモンスタークラスと呼ばれる3kg級は珍しくないほどの大型の宝庫で、秋でもすでに1kg以上に育った立派な大型がエギングでねらえる。
同じ堤防からメタルジグやワームを使えば南方系の根魚であるハタの仲間がねらえるから、観光プラスワンの釣りに最適。秋ならカンパチなど青ものの回遊も期待できる。
紺碧の海を見て、遊んで、釣って、夜は満天の星空を眺める。自然あふれる種子島の楽しみ方はひとつではない。

ウッドデッキにタックルを並べて乗船前にセッティングを済ませる
種子島は全国屈指のデカイカの巣窟。春には4kgオーバーも飛び出す。秋でも1kgオーバーはザラだ
鹿児島本港南埠頭と種子島の西之表港をつなぐ高速船
一棟貸しのロッジ「セルフィッシュ」は仲間たちと泊まるのに最適。夕食と朝食は隣接する民宿でいただける
種子島の玄関口である西之表港のすぐ沖に浮かぶ全長3kmの沖波止は人気の釣り場。この景観から通称ロケット堤防とかロケット灯台と呼ばれる
メタルジグでボトムを叩けばスジアラやオオモンハタなどの大型根魚がねらえ、中層から表層ではヒレナガカンパチなどの青ものも有望だ
種子島の東南端に位置する種子島宇宙センター。緑の森、白い砂浜、紺碧の海に囲まれ、隣接する発射台とともに世界一美しいロケット基地と呼ばれる。「南海」の出航地も目と鼻の先である
宇宙センターの目の前でイルカウォッチング。この辺りはサーファー憧れの地でもある

この釣り場へのアクセス

種子島

鹿児島空港から鹿児島本港南埠頭へ行き、種子島の西之表港まで高速船(トッピーまたはロケット)で約95分。「LIFE fishing guide service」の拠点になる民宿しまさきは徒歩圏内に種子島宇宙センターがあり、サーフィンのメッカとしても知られる茎永地区にある。西之表港から宿まではレンタカーまたはタクシーで約45分。

釣り場情報

〈種子島/GT〉

シーズン GTシーズンは例年梅雨前から始まり11月いっぱいまで続く。GTチャーター料金は半日75,600円、1日103,000円。
問合先 民宿しまさき(ロッジ、釣況などの問い合わせ。ホームページ内にチャーターボートLIFE fishing guide service のページもある。http://www4.synapse.ne.jp/shimasaki/)、
フィッシングラッキー種子島(通称ロケット灯台・西之表港沖一文字への渡船。料金は1人2,000円。http://www10.plala.or.jp/luckytanegashima/index.html
  • 釣り場情報は2015年10月現在のものです。
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