カナダ法令に基づくアクセシビリティ計画の進捗について(2023年)

全日本空輸株式会社

ANAは、障がいのあるお客様に寄り添い、快適に飛行機をご利用頂ける環境を提供することが公共交通機関としての私たちの責務と考え、以下のポリシーのもと、様々な利便性向上を図り、障がいの有無や年齢に関わらず、「すべてのお客様に優しい空」を目指してユニバーサルなサービスに向けた取り組みを一層強化、充実します。そして、お客様の価値観の多様化や社会環境の変化が進む中、ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公平・公正)・インクルージョン(受容・共生)を推進し、誰もが共に歩める「持続可能な共生社会」の実現に貢献します。

アクセシビリティ向上に向けたサービスポリシー

私たちは、

  • 誰もが利用しやすいサービスを提供します。
  • お客様一人ひとりのご希望に寄り添った環境づくりとサポートを行います。
  • お客様とともに新たな体験や歓びを創ります。

1. 一般事項

(1) アクセシビリティ計画と進捗報告の作成およびご意見に対応する責任者

ANA CX推進室CX戦略部 課長/マネージャー

(2) 当計画と進捗報告に関するご意見、ご要望を受領する窓口とコンタクト方法

代替フォーマット(印刷物、大活字印刷物、点字、audio format/CD、その他電子様式)が必要な場合も、以下の方法でお知らせください。

カナダ法令に基づく当社のアクセシビリティ計画へのご意見に関しては、匿名での受付も可能です。その場合、オンラインフォーム(E-mail)では、お名前欄の漢字、カタカナいずれにも、「ACA ANA」と入力してください。

  • *「ACA」と「ANA」の間にはスペースが必要です。
窓口の名称
米国/カナダ

ANA Customer Relations & Services, The Americas

日本

ANAご意見・ご要望デスク

コンタクト方法
E-mail
お電話
カナダ

1-833-511-6044

日本

+81-3-6735-7922

郵便送付先
米国/カナダ

21250 Hawthorne Blvd., Suite 200 Torrance, CA 90503
ANA Customer Relations & Services, The Americas

日本

郵便番号 141-0032
ゲートシティ大崎郵便局私書箱15号
ANAご意見・ご要望デスク

  • 上記の住所には、対面によるご対応が可能な施設はございませんのでご留意ください。

2. 計画と取組について

障がい者雇用 Employment

(1)ANAグループの全社員の共通コミットメントである障がい者雇用にかかわる行動規範(2015年策定)とのもと、障がい者雇用促進の専門チームを中心にANAグループ全体で連携強化しつつ 障がい者の雇用を更に推進していく。(~2025年)

取組内容
  • グループ全体の障がい者雇用の啓蒙を目的として、ANAグループ障がい者雇用啓発セミナーを開催(2023年11月)
  • ANAグループ各社を対象に、雇用拡大の取り組みの一つとして、障がい者採用合同面接会を開催(2023年7月)

(2)雇用後も障がいのある従業員の誰もが自分の強みを発揮し活躍できる環境をハード・ソフト両面から整備していく。(~2025年)

取組内容
  • グループ社内イントラネットの掲載ルールを明確化し、音声化できない画像がある場合は、説明をテキスト化するなど、従業員向け情報アクセシビリティーにおける環境整備を進めた。
  • 障がいや障がい者への理解促進、障がいのある社員が働きやすい環境整備のために、グループ会社にカスタマイズしたセミナーを実施。また、いつでも反復で受講できるオンデマンド教材を作成し、グループ各社と共有し、受講を大きく促進した。(2023年7月)

情報通信技術 Information and Communication Technologies (ICT)

(3)ホームページやモバイルウェブサイト、アプリにおいて WCAG2.1 レベルAAに継続して順次適合させ、障がいのあるお客様の利便性を更に向上させる。(2025年まで)

取組内容
  • 既存及び新規作成ページが当社の目標とする国際基準WCAG2.1レベルAAに適合しているかを確認すべく、専門会社による検査を継続的に実施し、不適合部分は都度修正を施すことで、アクセシビリティの向上に繋げた。

(4)ホームページを障がいのあるお客様に分かりやすい構成と内容にリニューアルする。(2024年まで)

取組内容
  • お客様のご意見やWCAG2.1を考慮しつつ、ホームページにおけるご案内情報がより伝わりやすい構成と記載を行った。

(5)空港や機内等で必要なお手伝い内容を社内システムに保存し、電話やウェブでの予約時に登録済みのお手伝い情報等が反映するサービスを厳格なセキュリティ管理のもと、継続して運用する。(2025年まで)

取組内容
  • 社内規則と基準に則り、お客様の個人情報を厳格に管理しつつ、情報をシステムに保存し把握することで、継続して障がいのあるお客様の手続きの利便を図った。

情報通信技術以外のコミュニケーション Communication, other than ICT

(6)機内および空港ラウンジにおけるトイレには、障がいのあるお客様が見やすい位置にピクトグラムや案内板を継続的に配置、表示していく。(2025年まで)

取組内容
  • 継続して実施した。

(7)障がいのあるお客様とのコミュニケーションに関わるマインド醸成セミナーや対応スキル訓練をフロントラインスタッフに継続実施する。(2025年まで)

取組内容
  • これまでの各種教育に加え、特に障がいのあるお客様への合理的な配慮の必要性の理解と実践に向けてケーススタディを交えた啓蒙教育を実施した。

(8)機内において、視覚や聴覚に障がいのあるお客様に適切な運航情報を案内できるように、客室乗務員に対してサービスガイドラインの徹底を図る。(2025年まで)

取組内容
  • お客様の利便性や安心に配慮すべく、適切な情報をタイムリーにご案内することを客室乗務員に徹底するとともに、不足があった場合は都度改善に努めた。

商品、サービス、施設の調達 Procurement of Goods, Services and Facilities

(9)アクセシビリティの重要性、意義、知識を調達、企画部門社員を含めた全社員に対し、e-learningやオープンセミナーを通じて教育啓蒙できる機会を設け、商品やサービスを調達する場合においてアクセシビリティを適切に反映していく。(2025年まで)

取組内容
  • 全ての社員に対しアクセシビリティの重要性をオンライン教育にて啓蒙し、障がいのあるお客様の視点と利便性向上を念頭に置いた商品の調達、サービスの企画を実施した。

プログラムとサービスの設計と提供 Design and Delivery of Programs and Services

(10)移動にご不安を抱えた障がいのあるお客様や高齢者が、気軽に安心して空港内を移動できる補助機器の更なる導入を実施、検討する。

  • 連結追従型電動車椅子の導入(2023年、成田空港)
  • 自動走行車椅子の導入の検討(2025年まで)
取組内容
  • 連結追従型電動車椅子は2023年4月から成田空港にて9台導入済。

(11)車椅子の機内受託手続きを始めとするお待たせ時間の短縮化を検討する。(2023年)

取組内容
  • スムーズな電動車椅子の受託のため、バッテリーの絶縁処理方法に関する事前情報をホームページに掲出した。(2023年11月)
  • 日本国内の空港において、電動車椅子のバッテリー確認の重複解消に向けて日本の国土交通省とともに検討を実施。2024年内に運用実施を予定。

(12)人的サービスとデジタルツールの強みを融合して、お客様への一層の利便性向上を図るとともに、デジタルツールに不慣れな障がいのあるお客様のサポートを充実する。(2025年まで)

取組内容
  • 予約搭乗に関わるアプリやサイネージのアクセシビリティを地道に改善する一方、デジタルと係員によるサポートのベストミックスの重要性について社内啓蒙を行い、障がいのあるお客様を含めた全てのお客様の利便性向上を図った。

(空港への、空港からの)移動手段 Transportation

(13)空港ビル会社を通じて、鉄道会社、タクシー会社と連携し、障がいのあるお客様を含め利便性の高い空港アクセスの確保に継続的に努める。(2025年まで)

取組内容
  • 継続して実施した。なお、日本においては、空港外の地上交通機関等と連携し、障がいのあるお客様のためのMaaS(Universal MaaS)の構築に向けた実証実験を実施した。

構築環境 Built Environment

(14)機内バリアフリートイレの設置の取り組みを継続する。(2025年まで)

取組内容
  • 継続して実施した。

3. アクセシビリティ関連規則

当計画と進捗報告は、以下の法令に準拠して作成しています。

4. アクセシビリティ計画に対するご意見について

2023年において、1(2)で記載した方法(フィードバックプロセス)を通じてお客様から受け取ったご意見はありませんでした。

5. 相談・協議

私たちは、障がいのあるお客様にとって便利で快適な空の旅をして頂くためには、障がい者の視点でアクセシビリティがどうあるべきかを考え、サービスに反映することが重要と考え実行して参りました。具体的には、障がいのあるお客様や団体からの都度頂くご意見のほか、ANAグループの事業会社であるANAウィングフェローズ・ヴイ王子(株)の各種障がいのある社員に相談、協議し、サービスを企画、検証するプロセスに基づいて、従来から新たな取り組みや現状の改善に活かしています。
今後は、更にこのプロセスを深化させるため、障がい者とともにカスタマージャーニーにおける広範なモニタリング検証を実施することを検討しています。

以下の記載は、当進捗報告の作成の際に実施した、障がい当事者との相談・協議に関する内容です。

協議日

2024年5月6日

協議した相手先、人数

ANAウィングフェローズ・ヴイ王子(株)4人

協議の実施形態

オンライン会議

障がい当事者の意見
  • アクセシビリティ計画に基づいて、適切かつタイムリーに各項目を実行しており、進捗内容については評価できる。
  • 引き続き取組を実施することで、航空旅行における障がい者の利便性や安心感が一層高まり、社会進出が促進されることを期待している。