2024年3月22日
2024年2月、第2回 ANA Future Promise フォーラム*1を開催し、対面・オンライン合わせて約100名のANAグループ社員が参加しました。
2023年度より新設した社内フォーラム。社外から講師をお招きし、ESGを自分事として捉え行動を起こすきっかけを得ることを目的としています。
今回は、平山絵梨さん(イケア・ジャパン株式会社 カントリーサステナビリティマネージャー)にご登壇いただきました。
平山さんはイケア・ジャパン株式会社に中途で入社した後、マーケティング・マネジメント業務、リテールマネージャーアシスタント業務を経て、現在サステナビリティ推進担当をされています。
今回はイケアのサステナビリティ戦略「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」 をベースに、独自に展開されている消費者インサイトの結果を踏まえながら、「サステナブルな暮らしを一緒に考えよう」というテーマでお話しいただきました。
イケアとは世界63カ国、471店舗(2024年1月時点)を展開しているホームファニッシングカンパニーです。
1943年、スウェーデン南部のスモーランド地方の発祥で、昨年創業80周年を迎えました。
当時のスモーランド地方は、土地が痩せており資源も乏しかったため、限られた資源を大切にすることと、周囲の人と協力をすることがごく当たり前の環境だったといいます。
そのDNAを基盤にして、商品開発から製造、販売、配送に至るまで、地球にも人にもやさしい企業運営を目指し、より多くのお客様にサステナブルな暮らしをお届けできるようコストの面でも工夫をされています。
イケアのサステナビリティ戦略は下記、3本柱で構成されています。
Circular & climate positive サーキュラー&クライメートポジティブ
Healthy & sustainable living 健康的でサステナブルな暮らし
Fair & equal 公平性と平等性
その中で今回は1.2.にフォーカスをしてお話しいただきました。
循環型社会を実現するために力を注いでいる主な項目は、CO2排出量、資源類廃棄、食品廃棄の削減です。
具体的な取り組みを下記、一部紹介します。
CO2排出量削減:再生可能エネルギーへ切り替え。配送にEV車を導入。
資源類廃棄削減:使い捨て商品を廃盤。家具買取りサービスを実施
食品廃棄削減:デジタルソリューションを用いた需要予測。残渣をたい肥や炭へ。
また、FSC*2やレインフォレスト・アライアンス*3といった認証を受けた商品を多く取り揃え、環境負荷の低い原材料を用いることにもこだわっています。
ANAグループが掲げている中長期目標と似ているところが多く、自社のソリューションや進捗状況と比較をしながら課題解決のヒントを学びました。
Forest Stewardship Council(森林管理協議会)の略。森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を消費者に届けるためのマーク。
森林の保護、労働者の人権尊重や生活向上、気候危機への緩和と適応など、より持続可能な農業を推進するための包括的な認証制度。
講演後はスウェーデン式のコーヒーブレイク ”Fika(フィーカ)” を実施しました。
イケアでは毎日業務中にFikaの時間を設けて、コーヒーと甘いお菓子で心をリラックスさせながら、社員間のコミュニケーション促進やブレインストーミングの場として役立てているそうです。
今回のフォーラムでは、このFikaを取り入れて自由に発言できる雰囲気の中、活発な意見交流が行われ、サステナブルな社会の実現という同じ目標を持つ者同士、明るい未来の実現に向けてとても有意義な時間を過ごしました。
参加したANAグループ社員からは、
スウェーデン発祥の企業ならではの日本に留まらない視点が参考になりました。
各部署で想いを行動にし、仕組化していくスキームに感動しました。創業の想いも含め、大変共感しました。
一個人として何ができるだろうと焦っていましたが、身の回りからできることに着手すればよいんだ、と思いを新たにできました。
といった感想が寄せられました。
「私たちは頑固な楽観主義者です」と平山さんは話します。
環境問題や気候変動に向き合うことは簡単なことではありませんが、イケアの皆さんは常にポジティブでいることを大事にされているそうです。
今回のフォーラムでは、ANAグループが目指すべき姿を再確認出来たと同時に、一人ひとりの小さな行動の大切さを学ぶことができました。
ANAグループは、これからも前向きにANA Future Promiseの取り組みを進めてまいります。