2024年6月14日
神奈川県にあるさがみはらグリーンプールにて、『第11回チャリティースイム イン さがみはら』が開催され、有志で集まったANAグループ社員が参加しました。
被災地から招待された選手と一緒にリレーを組んで泳いだり、招集所でそれぞれが経験した被災の話をしたり、水泳を通して交流しました。
この大会は2011年3月に発生した東日本大震災の直後からはじまりました。
被災地に暮らす選手や、さまざまな地域や年代の選手が同じ場所で泳ぐことによって、震災を経験していない世代にも震災の記憶や教訓を引き継ぐとともに、泳げることへの感謝の気持ちを共有することを目的として開催され、参加費の一部は復興支援に使われています。
13年前、初回開催のきっかけの一つとなったのは、宮城県気仙沼市の選手が倒壊したスイミングスクールの前で「泳」「ぎ」「た」「い」「!!」と一文字ずつ紙に書いて掲げた写真。
その様子を報道で見た相模原市水泳協会の添畑氏(現協会理事長)が「泳ぎたいなら泳がせよう」とチャリティー大会の開催を決意しました。
当時はガソリンが手に入らず被災地に行くことすら困難を極めた中、バス会社に相談して被災地から神奈川県までの送迎を手配したり、そのバスの空きスペースを活用して支援物資を輸送したり、宿泊ができるスーパー銭湯を用意したりと、震災から開催まで1か月という短い期間で受け入れ体制を整えました。
11回目となった今回は、2024年1月に発生した能登半島地震によって、プールが壊れて練習ができなくなったスイミングスクールが報道番組でとりあげられていたことがきっかけとなり、そのスイミングスクールの選手とスタッフの17名を招待し、「#救え!能登半島」というテーマのもとで開催されました。
開会式では、東日本大震災と能登半島地震の被災地から招待された選手や、当時被災地で暮らしていた神奈川県の選手等6名が震災の経験談を話しました。
被災を体験した人にしか伝えられない状況と、それぞれが抱える想いを聞いて、場内は静寂に包まれました。
(スピーチ内容抜粋)
「震災では生きたくても命を落とした人がたくさんいます。命はかけがえのないものです。」
「今水泳ができるのは当たり前ではないということ、水泳をできている喜びを改めて感じることができました。」
会場では、東北の選手が作成したポスターや、支援者への感謝のメッセージ等が飾られ、能登の選手たちによるプール再建に向けた募金活動も行われました。
「地震ばかりで不安な気持ちが大きかったけれど、こういう大きな大会にでることができて、広いプールで泳げて嬉しかった」
「(大会前に神奈川県や東北の選手と一緒に)バーベキューやキャンプをして、多くの同世代と交流ができて楽しかった」と、能登から招待された選手たちは話してくれました。
泳ぐことはもちろん、友人との交流さえ我慢をしていた能登の子どもたちにとって、この大会は特別な経験となりました。
私はグリーンプールのすぐそばにある高校に通っていたので、東日本大震災直後に開催された第1回大会から3年間参加していました。
当時、直接歳の近い方から聞く震災の状況と被害の悲惨さに、何か役に立ちたいけど何もする力がない16歳の自分の力の小ささに辟易したことを今でも鮮明に覚えています。
これまでは競技として取り組んできた水泳でしたが、大人になりある意味で競技色が少し薄れた中、社会人として泳ぐ意義を改めて考えたときに、何か社会貢献ができたらなと思っていました。
今回は、この大会に特別な思い入れがあったことに加え、何か支援をしたい気持ちを持った方と一緒に泳ぐことを通して応援したいという想いで、水泳とも親和性が高い(日本水泳連盟とスポンサーシップを結んでいる)ANAグループ内で参加者を募りました。
この大会は被災者のスピーチから始まります。その際に感じた想いを胸に皆が泳ぎきり、声を震わせ応援し、伝えたいことをお互いが感じ取り充実した笑顔を浮かべている姿が感慨深かったです。
皆の想いが大会全体の一体感に繋がり、競い泳ぐ”競泳”から共に泳ぐ”共泳”に変わる瞬間がこの大会の一番の魅力だと感じました。
また、持続的かつ早期の復興に向けて、記憶を風化させない事とできる支援を行っていくことが大切だと感じました。
今後もANAだからこそできる新たな挑戦を行っていきます。
社内サイトでの募集を見て、大会にエントリーしました。
泳ぐのは約25年ぶりでしたが、50歳を過ぎサラリーマン生活も折り返しを過ぎた中、過去やっていたことを今やってみたらどうなるんだろう?と自分を試すようなチャレンジの気持ちで応募しました。
もちろんチャリティーの要素があったのも動機の一つでした。
近年多発している震災により、自分の中の復興に対する想いと、遅くてもいいから泳ぐことで自分にもできることがあるのなら、という思いもありました。
実際に泳いでみると、事前にイメージしていた身体の動きとタイムからはかけ離れたひどい結果でしたが(笑)、それ以上に大きな爽快感を感じることができました。
大会への出場を通して、被災者の生の声を聞いたり、電光掲示板に流れた主催者のメッセージにはぐっとくるものがあり、被災地の一日も早い復興に対する想いを強く持つことができました。
チャリティーイベントへの参加機会はこれまでほとんどありませんでした。
水泳がきっかけではありましたが、自分へのチャレンジとチャリティーの両要素で大会に参加できたことは本当に良かったです。
「ANAらしさ」を武器に、私たちにできることを探していけたらと思います。
ANAグループはこれまでに能登半島地震による災害支援として、義援マイル(義援金)、能登復旧支援割、北陸応援割を実施してまいりました。
これからも様々な方法で地域社会へ貢献していきます。