白衣(はくえ・びゃくえ)
お遍路の旅で着用する正装束。お遍路さんといえば全身を白の衣に包んで旅をする厳格なイメージもありますが、現在はより気軽に洋服の上から白衣を羽織る人も多くいます。
1200年ほど前、弘法大師(空海)が民衆の平和を願い修行した四国八十八箇所の霊場。その遺跡を辿る巡礼の旅が「お遍路」です。巡り方は、札所番号順に参拝する「順打ち」、88番札所から逆方向に参拝する「逆打ち」、県ごとに巡る「一国参り」などさまざま。徒歩による巡礼のほか、現在は車や自転車を利用するなど移動手段も人それぞれです。各地の豊かな自然を感じながら思い思いに寺院を巡る、そんなお遍路の旅に出発しませんか?
お遍路は初めてという方におすすめなのが、1番札所「霊山寺」から6番札所「安楽寺」までを順番に参拝するコースです。
約15.5kmの遍路道は比較的平坦。徒歩や車、自転車など自分に合うスタイルで巡ってみてはいかがでしょうか。
霊山寺
お遍路旅のスタート地点でもある霊山寺。これまでに多くのお遍路さんがここで旅の無事を祈願してきました。奈良時代の僧・行基により開創されたお寺で、本堂内の幻想的な釣り灯籠や龍の天井画は壮観です。
〒779-02302番札所
極楽寺
20分(約1.3km)
1番札所
霊山寺
20分(約1.3km)
極楽寺
弘法大師手植えの樹齢1100年を越す「長命杉」がそびえ、これに触れると長寿を授かるといわれています。また、安産祈願に御利益のある安産大師や、持ち上げた際の重さで願いが叶うかどうかわかるという抱き地蔵も!
〒779-02253番札所
金泉寺
40分(約2.7km)
2番札所
極楽寺
40分(約2.7km)
金泉寺
源義経が源平合戦の折に立ち寄った際、家来の弁慶が持ち上げたと伝わる巨石「弁慶の力石」を見ることができます。大師堂の横にある「黄金の井戸」は霊水が湧き出るとされ、金泉寺の名の由来にもなりました。
〒779-01054番札所
大日寺
90分(約5km)
3番札所
金泉寺
90分(約5km)
大日寺
阿讃山脈の尾根に三方を囲まれるようにして建つ大日寺。朱塗りの立派な鐘楼門が自然の中で際立ち、美しい景色をつくりだしています。本堂と大師堂をつなぐ回廊にずらりと安置された三十三観音尊像も必見!
〒779-01135番札所
地蔵寺
30分(約2km)
4番札所
大日寺
30分(約2km)
地蔵寺
821年、弘法大師によって開かれました。境内に入ると、まず目を奪われるのが樹齢800年を超える大銀杏。さらに、境内を進むと奥の院には五百羅漢像が立ち並ぶお堂が。等身大の羅漢像は一つひとつが個性的で、迫力満点!
〒779-01146番札所
安楽寺
90分(約5km)
5番札所
地蔵寺
90分(約5km)
安楽寺
御本尊には薬師如来が祀られている安楽寺。境内に400年続く宿坊があり、弘法大師が発見したとされる温泉に浸かることができます。1番札所から旅をスタートしたお遍路さんは、ここで1日の疲れを癒すのがおすすめ。
〒771-1311お遍路の旅は徒歩でなくても大丈夫。1番札所「霊山寺」から6番札所「安楽寺」までの
移動にかかる時間の目安を、移動手段ごとにご紹介します。
4.5 時間
1.5 時間
40 分
※お寺での滞在時間を含めず
これさえ揃えておけばOK!
お遍路さんに必要な装束と道具はこちら。
お遍路の旅で着用する正装束。お遍路さんといえば全身を白の衣に包んで旅をする厳格なイメージもありますが、現在はより気軽に洋服の上から白衣を羽織る人も多くいます。
雨の日のお参りで重宝する菅笠は、夏の暑さ対策にもなる便利なアイテム。しかし、かつては棺桶の意味合いを持っていました。歩くしか方法がなかった時代、お遍路の途中で行き倒れてしまう人も多く、亡くなったお遍路さんはその地に埋められ、亡骸の上に菅笠が置かれたといわれています。
1m30cmほどの杖。書かれているのは「南無大師遍照金剛」で、「南無」は信仰、「大師」はお坊さんの位、「遍照金剛」は空海が中国で修行した際に師匠からもらった名を意味しています。また「同行二人」は、姿は見えなくても弘法大師(空海)と一緒に修行をしていることを表しています。
お遍路さんが首から下げる「袈裟」で、屋外でのお勤めの際に体を動かしやすいよう簡略化され、このような形になっています。不浄の場所とされるお手洗いや食事の場面では外すのがルール。色は朱色のほか、紫や緑などのカラーバリエーションがあります。
お遍路には基本の参拝順序があります。
お寺を巡りながら作法を身につけていきましょう。
到着したら、まずは山門の前で合掌・一礼して境内に入ります。帰りも同様に行いましょう。境内では左側通行が基本です。
境内の手水場で、柄杓に水をすくい左手→右手の順に洗います。再び左手に水をためて口をすすぎ、残りの水で柄杓の柄を洗い流します。身を清めたら鐘楼堂へ。
鐘を一回つきましょう。周囲に民家のあるお寺では、早朝や夕方などの時間規制があるところも。また鐘楼門といって門の2階に鐘があるお寺では鐘つき禁止の場合もあるため、お寺のルールに従いましょう。
本堂へ進み、持参したろうそく1本を立てます(献灯)。次にお線香を3本立て(献香)、納め札(納札)を1枚納めます。最後にお賽銭をお供えしたら、御本尊の前で願い事を念じ、お経を読みます。
四国霊場には御本尊を祀る本堂と、弘法大師を祀る大師堂の2つのお堂があります。本堂でお参りした後、大師堂でも同様の手順でお参りしましょう。
本堂と大師堂でお経を奉納した証として、お寺から御法印をいただきます。これを「納経」といいます。以上がお遍路さんのお勤めです。
巡礼用品レンタルや、ミニサイズで持ち運びしやすい納経帳の購入、巡拝に関するご相談は
1番札所 霊山寺近くにある門前一番街が便利です。どうぞお気軽にお越しくださいませ。
7時00分~17時00分 年中無休
お遍路旅の途中で食べたい徳島県の豊富なご当地グルメ
茶・白・黄の3系統があり、濃口醤油味の「茶系」は生卵をのせて食べるのが一般的。
瀬戸内海や鳴門海峡、太平洋といった多彩な海で獲れた新鮮な海の幸を堪能できます。
甘く煮た金時豆を生地に混ぜ込んで焼く「豆玉」が徳島風お好み焼きのスタンダード。
豊富な水源に恵まれた徳島。山田錦や良質な水を使って上質な地酒が造られています。
「ちゅるっ」と食べられる不揃いの麺が特徴で、主なトッピングはネギと刻み油揚げ。
伝統的手法で生産される徳島名産「和三盆糖」を使用した干菓子や羊羹がお土産に人気。
徳島を訪れたらぜひ定番の観光スポットへ
轟音とともに飛沫をあげて巻く鳴門の渦潮を間近で体感できるクルーズ体験。特に海水の流れが速まる大潮の日が観潮に最適です。
〒772-0053国登録有形文化財である登り窯は、平地に築かれたものでは日本最大級。作陶や絵付体験で自分だけの作品づくりができます。
〒779-0302銘酒「鳴門鯛」の蔵元である本家松浦酒造。築200年を超える建物の蔵見学や日本酒やすだち酒といったお酒の無料試飲も楽しめます。
〒779-0303徳島の伝統産業である「藍染」。技の館では、講師の丁寧な指導のもとで気軽にTシャツやハンカチの藍染体験ができます。
〒771-1310古くから阿波一宮「おおあささま」の名で親しまれている神社。安産、厄除、交通安全の神様として崇敬されています。
〒779-0230至宝の西洋名画1000余点を陶板で原寸大に再現・展示した陶板名画美術館。「ゲルニカ」や「モナ・リザ」なども鑑賞できます。
〒772-0053毎日開催
1,650円
一番札所でお遍路体験!誰でも気軽にお遍路体験ができ、思い出の写真まで撮れる「レンタルお遍路衣装」と、初心者にも安心の「公認先達によるお遍路レクチャー」がセットで楽しめます。納経帳や納め札の巡礼品もそろえていますので購入グッズから作法まで心優しい先達にお気軽にご相談いただけます。
※掲載画像はイメージとなります。