2023/06/05
ANAは、「第31回地球環境大賞 国土交通大臣賞」を受賞しました。
「地球環境大賞」は、1992年に「産業の発展と地球環境との共生」を目指して創設されたフジサンケイグループ主催の顕彰制度です。
ANA グループは、「将来(Future)」にわたって持続可能な社会の実現を目指し、お客様や社会とともに SDGsの達成に向けて企業として成長し続けていくことを「約束(Promise)」する活動として、2021年6月に「ANA Future Promise」を立ち上げ、グループで推進しています。
「ANA Future Promise」の象徴および活動の実践の場として2022年10月に特別塗装機「ANA Green Jet」の運航を開始し、サステナブルな素材を使用した機内サービス用品の活用やCO₂排出抑制を目的とした運航オペレーションなど、さまざまな施策を展開しています。
これらの施策の中でも特に、「リブレットフィルム」の試験装着や植物由来の原料を使用した「ヴィーガンレザー」のヘッドレストカバーの導入、航空貨物用ビニールシートのリサイクルスキームの構築に対して高い評価をいただきました。
「リブレットフィルム」とは、鮫のざらざらした肌いわゆる「サメ肌」の加工を施したフィルムです。鮫はこのざらざらした皮膚で水の抵抗を抑え、泳ぐときのエネルギー消費を最小限に抑えています。これを応用し、空気抵抗を減らし燃費の改善とCO₂排出量削減が期待できる「リブレットフィルム」をニコンと航空機向けに共同開発し、日本の航空会社ではじめて、また旅客機としては世界ではじめて ANA Green Jet の機体表面(一部)に試験導入しました。今後、数年間の耐久性等の技術検証を経て、他機材への展開を目指します。
この「リブレットフィルム」を機体の表面の80%に装着した場合、燃費が約2%改善し、ANA の全機材で実施すると年間のCO₂排出量は約30万トン、ジェット燃料に換算すると約12.4万キロリットル(25mプール約260杯分)減らせる効果が期待できます。
ヴィーガンレザーとは、動物の皮を使用せず植物由来の原料を素材の一部として作られる人工皮革のことをいいます。環境配慮と動物愛護の観点で注目を集めています。
鮮やかな緑のヘッドレストカバーは東レ株式会社のウルトラスエードヌーという新素材で作られています。
こちらは原料の一部にサトウキビやひまし油が使用されており、植物由来比率を世界最高水準にまで高めた最先端の人工皮革です。
このウルトラスエードヌーを世界で初めてANAがヘッドレストカバーに導入しました。
機体デザインのモチーフにも使われている「水と緑」のモチーフを施したヘッドレストカバーは、appcycle株式会社のRINGO-TEXという新素材を使用したものです。appcycle株式会社は青森で発足したスタートアップ企業で青森県産のりんごからつくったりんごジュースの搾りかすを粉末にして配合した合皮を製作している企業です。地域に根付いた企業と協業することで地方創生にもつなげていきます。
飛行機に搭載する貨物は、濡れたり、汚れたりしないように大きなビニールシートで覆われています。これまでは一度使用したビニールシートは廃棄されていましたが、ビニールシートを回収・再生し、もう一度、航空貨物用ビニールシートに再製品化するリサイクルスキームを双日プラネット株式会社/株式会社ANA Cargoと共同で立ち上げました。
廃プラスチックをリサイクルして社内で再度利用していくという資源循環型スキームの構築は、日本の航空会社では初であり最先端の取り組みです。
今後も引き続き、お客様や社会からのご理解、ご協力をいただきながら、サステナブルな活動を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。