ガチャガチャで社会貢献

2022/03/31

ガチャガチャを使った、神戸空港ならではの社会貢献の取り組みをご紹介します。

神戸空港のガチャガチャ

神戸空港のANAチェックインカウンター前には、神戸の旅の思い出として大変ご好評をいただいているガチャガチャがあります。その中身は、航空会社の社員自らがデザインし、製作した缶バッジやマグネットで、神戸や空港などをイメージしたオリジナルの絵柄が入っているのが特徴です。

神戸空港のANAチェックインカウンター前にあるガチャガチャ
2021年3月の販売開始当初から2022年3月までのデザイン

1回100円のガチャガチャは、月間平均約700個もご購入いただいており、得られた収益金を小児がん患者支援施設や日本赤十字社へ寄付しています。このガチャガチャを使った社会貢献は、ANA神戸空港所長の谷さんの提案から始まりました。

ANA神戸空港では、2013年より毎年、神戸でのボランティア活動に参加していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でそれが叶わなくなってしまいました。そこで、新たな発想で社会貢献を継続できないかと考え、ガチャガチャを「募金箱」として空港に設置して、収益金を寄付する取り組みを始めました。

小児がん患者支援施設「チャイルド・ケモ・ハウス」へ寄付している様子
日本赤十字社からの表彰の様子

ガチャガチャの売上金はすべて寄付と材料費の購入に使用しています。2021年3月~2021年5月までの売上金の一部を小児がん患者支援施設に寄付しました。また、2021年6月~2021年11月までの売上金の一部を日本赤十字社に寄付したことで、表彰していただきました。

オリジナルデザインの缶バッジとマグネットをANA神戸空港で働くANAグループ社員が製作し、ガチャガチャに入れて販売しています。デザインは、現在第4弾の全10種(2022年3月時点)をご用意しており、新しいデザインへの切り替えは年4回(4月、7月、10月、1月のそれぞれ月上旬に)実施しています。また、エコの観点から使い終わったカプセルは回収し、丁寧に除菌を行い、再利用しています。

また、缶バッジ・マグネット製作と販売はANAだけでなく、神戸空港に就航している提携航空会社のソラシドエアとAIRDO、神戸市、神戸観光局にもご協力いただいています。

神戸空港にお立ち寄りの際には、ぜひ旅の思い出としてANAチェックインカウンター前にあるガチャガチャをお楽しみください。また、今後特別プレゼント企画も計画しているため、ぜひお楽しみに。

缶バッジ作りに密着!

缶バッジ製作は4つの工程に分かれており、専用の機械2台を用いて製作しています。1台は、缶バッジのデザインとなる用紙を丸くカットする機械で、もう1台は金属パーツとデザインを結合させ缶バッジ本体を製作する機械です。

<缶バッジ製作の4つの工程>

  1. ①デザインを丸くカット
    ②金属パーツとデザインを結合
    ③裏面に安全ピンのパーツを貼付
    ④完成した缶バッジの袋詰めとカプセル詰め

ANA神戸空港で働くANAグループ社員が製作している缶バッジの製作工程を動画でご紹介します。

缶バッジ作りに密着!

缶バッジ作成の一連の流れを映した、34秒の動画です。ポップで明るい音楽が映像とともに流れます。

はじめに、缶バッジのデザインが描かれている紙を、丸い形に切り抜く専用の機械を使って丸く切り抜きます。
次に、缶バッジを作る別の専用の機械に、缶バッジの裏面の金属パーツをセットし、その上から切り抜いたデザインの描いてある丸い紙と透明の丸いシートをセットします。手で機械のレバー部分を下に押し、缶バッジの本体部分の完成です。
そして、作成した缶バッジ本体の裏面に、安全ピンのついたパーツを貼り付けます。缶バッジの完成です。
次に、完成した缶バッジを透明の袋に入れて、セロハンテープで口をとめ、カラフルなガチャガチャのカプセルに入れてカプセルを閉めて、完成です。
最後に、完成した缶バッジの入ったカラフルなガチャガチャのカプセルがたくさん並んでいる画像が表示されます。

ご担当者にインタビュー

ANA神戸空港所長の谷さんと、本件ご担当のANA神戸空港 神戸事業部の小川さん・安藤さんにお話をうかがいました。

右から谷さん、安藤さん、小川さんの写真
右から谷さん、安藤さん、小川さん

◆数ある社会貢献活動の中で、缶バッジやマグネット製作・ガチャガチャでの販売にこだわった理由は?

(谷さん)神戸空港の所長になる前、鳥取空港の所長をしていました。鳥取空港でも缶バッジを製作して売り出した経験があり、コロナ禍で毎年実施していた社会貢献活動ができなくなった時、神戸空港でも同じように缶バッジを製作して販売することで収益金を寄付に充てることはできないかと考えました。同時に非接触型の販売方法を検討し、ガチャガチャを設置すれば、お客様ご自身で回して購入していただくことが可能だと考え、缶バッジをガチャガチャに入れて販売するスタイルを確立させました。

(小川さん)設置場所も工夫し搭乗ゲートのエリアではなく、チェックインカウンターに並ぶ列の前に設置したことで、飛行機に搭乗されるお客様だけではなく、休日で空港に遊びに来られる方にもお楽しみいただけます。ガチャガチャの機械は2種類ご用意しており、旅先のお土産として購入することが多いマグネットとお子様に大人気の缶バッジを、それぞれ分けて販売しています。

◆缶バッジ・マグネット製作を始めてよかったなと思う瞬間は?

(安藤さん)旅客サービス、オペレーション、グランドハンドリング、整備などさまざまな職種・年代が集って缶バッジ・マグネットの製作を行う際に、多くのコミュニケーションが生まれます。雑談や仕事の話をしながら、楽しく多くの社員と交流が持てることで、仕事にも明るく取り組めています。そういったコミュニケーションの機会が生まれたことは、非常によかったなと思っています。
また、リピート買いをしてくださっている人がいるのは嬉しいなと思います。お客様から、「次の新しいデザインはいつ?」と楽しみにしてくださっている声を伺うことがあり、そういった声にやりがいを感じます。

(小川さん)ANAチェックインカウンターの向かい側にあるファミリーマートの従業員の方々もガチャガチャを購入してくださっており、購入したマグネットのコレクションをレジ横に飾ってくださっているのも、嬉しいですね。

◆デザインを決めるときのこだわりは?

(小川さん・安藤さん)ANA神戸空港で企業価値の向上を目指した取り組みを主催するチームメンバーが、デザインの募集と選定、各社への使用許可の取得を実施しています。デザインは、ANA神戸空港で働くグループ社員から募集しており、撮影した写真に加工を加えたデザインや、デジタルや手書きのデザイン等、さまざまな媒体で毎回多くの応募がありますが、「自分たちがもらって嬉しいもの」を意識しながら、お子様から航空ファンの方々まで、幅広い層の方々に喜んでいただけるデザインを選定しています。

(谷さん)また、私たちは神戸空港の職員として「BE KOBE」というフレーズを大事にしています。「BE KOBE」とは、阪神淡路大震災から20年をきっかけに生まれた言葉で、震災からの復興のために力を合わせて頑張ってきた神戸市民ひとりひとりを誇りに思う気持ちが込められています。コロナ禍でも、震災から復興してきた思いを重ね合わせ、「私たちなら乗り越えられる、頑張ろう」という気持ちを込めて「BE KOBE」の文字をデザインに加えています。

缶バッジ・マグネット製作は社会貢献だけでなく、社員自身で考えたデザインが商品化されることで社員のモチベーション向上に繋がるとともに、部門横断的にさまざまな職種や年代の社員が集まり製作を行うことで新たなコミュニケーションが生まれ、働く社員にも良い影響を与えています。

ANAグループは、これからもピンチをチャンスに変えあらゆる方法で社会貢献に努めてまいります。

SDGs 3番 すべての人に健康と福祉を