桜咲け!タイヤ止め合格祈願絵馬

2023/03/27

ANAエアサービス佐賀では、航空機のタイヤ止め廃材を再利用して絵馬を作製し、2023年1月より合格を祈願して受験生のお客さまにお配りいたしました。(現在は配布を終了しています)
「航空機が滑らないようにするもの」と「受験に滑らない」を掛け、合格できますようにと佐賀空港の職員が心を込めて作製した合格祈願絵馬配布の取り組みをご紹介いたします。

取り組みの背景と発端、活動に至った経緯

この取り組みは、2022年10月に佐賀空港のSDGs担当者が古くなった航空機のタイヤ止めを産業廃棄物とせずに、何かリユースやリサイクル出来ないかと考えたことから始まりました。再利用の検討を進める中で、過去に関西空港でタイヤ止めを再利用した絵馬作製の取り組みに辿り着き、オマージュとして佐賀空港オリジナルのアレンジを加えて取り組んでみようという話にまとまり、活動が始まりました。
絵馬は、お客様ご自身に願いを書いてもらうスタイルとし、記念品やお守りとして持っていただいたり、また絵馬としてもご利用いただけるように吊るすための青いリボンを一緒に同封することにしました。絵馬の配布対象者は、大学、高校などの受験生および就職活動や試験など「合格」にご縁のあるお客様とご家族とし、受験や就職活動など「お客様の人生の節目にANAをご利用いただいた記念」に、感謝の気持ちを込めてお客様にお渡ししたいと職員の思いを一致させて取り組みました。

絵馬の作成について

絵馬の作成手順は大きく分けて3つの作業があります。
まず、航空機の古いタイヤ止めをスライスする。次に、面取りも含めて表面を紙やすりで滑らかにし、吊し紐用の穴を空ける。そして「合格祈願」と心を込めて書き入れ、案内カードを添えてラッピングして完成です。
絵馬の作製にあたって、廃棄予定の航空機のタイヤ止め(長さ60cm・幅15cm・高さ14cm)を7本用意しました。そこから最終的にお客様にお渡しできると判断された絵馬はわずか30枚でした。絵馬の作成は非常に難しく想像していたよりも少ない枚数となりました。

特に難しかった工程は、タイヤ止めをスライスすることです。タイヤ止めは2年程度使用し、その間雨風にさらされ痛むなどして役目を終えた物です。タイヤ止めをスライスするために社員の身内や知人の大工や製材のプロの方に相談したところ、タイヤ止めには奥までヒビが入って雨水が浸み込んでいたり、木目の向きなどで本物の絵馬のような薄さでスライスすると割れてしまうとアドバイスされ、合格祈願の絵馬として絶対に割れないよう試行錯誤の結果厚さを20mm程度でスライスすることにしました。用意したタイヤ止めにはまるまる1本ヒビが入って使えないものもあり、スライスが終わった段階で100枚程度が作成できましたが、選別して残ったのはたった30枚でした。次の工程の表面のヤスリ掛けでは、目が粗い紙やすりから細かい紙やすりの順で2段階実施し面取りも行いました。絵馬の表面の合格祈願は、書道の経験がある職員が緊張しながらも毛筆で想いを込めました。佐賀県庁空港課の協力を得て佐賀空港のスタンプを押印し、同封した案内カードには実際にタイヤ止めが使われている写真も添えることでリサイクル前の形を具体的にイメージしていただきやすくなるよう工夫しました。
それぞれの工程において、職員が自分の強みを生かして参加し、全員で一生懸命作り上げた30枚となりました。

担当者の想い

人生の節目にもANAをご利用いただきありがとうございます。お客様の願い事が叶うように心を込めて作りました。お客様への感謝の気持ちを込めて作製した絵馬を記念の一つとしてお持ちいただければ幸いです。

ANAグループでは、これからも社員一人ひとりの気づきを大切にしながら、限りある資源の有効活用に努めてまいります。

SDGs 12番 つくる責任つかう責任