春から良型がねらえるアマゴ
静岡県東部を流れる狩野川。春はアマゴ釣りを楽しめる流れとして知られるが、その魅力はなんといっても温暖な伊豆半島を流れることから、解禁直後から渓流魚の活性が高いところにある。
春のアマゴ釣りは早期から良型がねらえ、大仁周辺の下流部から流れが絞られる上流部まで釣り場は広い
一部の支流にイワナの姿も見られるが、釣れるのは基本的にアマゴ。狩野川はカゲロウやトビケラといった水生昆虫の羽化も春先から盛んで、テンカラやフライフィッシングといった毛バリ釣りでも早期から楽しめる。
また、本流にダムのない狩野川は、アマゴが降海して大きく育つサツキマスも昔から見られたが、近年、そのサツキマスそのものが釣られることはほとんどないものの、その代わりに本流で大きく育つ銀化タイプのアマゴをねらうことができる。その一方で、大見川、船原川、猫越川などの本流に注ぐ支流で釣れるアマゴには、くっきりとしたパーマークが見られ、同じ水系で多彩なアマゴの姿を見られるのも渓流釣りファンにとっては魅力になっている。
アマゴ釣りで人気のエリアは、大平地区の宮田橋から上流域。宮田橋を起点に、湯ヶ島温泉に架かる西平橋までの主要な橋の前後が例年放流ポイントとなっているため、その周辺では数釣りも可能だ。川幅は広く流れも変化に富み、なにより道路沿いのため入渓しやすい。反面、釣り人も多いので、静かに釣りを楽しみたい人はあえて橋の前後を外し、各支流の合流点や水深のあるトロ場を捜すとよい。
なお、狩野川本流のアマゴ釣りは、これまで例年アユ釣りが始まる5月19日より前までという制限があったのだが、2020年からその制限がなくなった。アユ釣りの邪魔にならないように気を配る必要はあるが、本流育ちの大きなアマゴに出会えるチャンスは増えている。
友釣り発祥の歴史を持つアユ釣り
そして、初夏からの狩野川はなんといってもアユ釣りが盛んになる。近代的なアユの友釣りは、狩野川が発祥の地といわれており、上流から下流まで名ポイントとされる場所が多い。駿河湾から遡ってくる豊富な天然遡上に加えて、漁協による放流も盛んに行なわれており、この川のゆるやかな流れがアユの生育に適しているためか、10月までのロングランで友釣りが楽しめる川として人気がある。
特に釣り人が多いのは中流域の宮田橋から松ヶ瀬吊り橋の区間にかけてで、チャラ瀬からガンガン瀬までポイントも変化に富むが、そのほかにも東流と呼ばれる嵯峨沢橋までの最上流区間や、逆に旭日橋周辺、修善寺から大仁などの下流区間など、釣り場は広範にわたる。
狩野川は石が大きく、チャラ瀬から水深のあるガンガン瀬まで複雑で多彩な流れがあり、さらに場所によっては川底も平らだったり、樋状に掘れていたり、あるいはマス状のテトラなど変化に富む。訪れる友釣りファンも多いが、そうした中で細かくポイントを読み、あえて釣りにくい場所をねらったりできると入れ掛かりも味わえ、つまり実力差も出やすいのでアユ釣りの腕を磨ける川にもなっている。
この釣り場へのアクセス
羽田空港からレンタカーを利用。東名高速で沼津を経由し伊豆方面へ
釣り場情報
〈狩野川/アマゴ、イワナ〉
解禁期間 | 3/1~9/30 |
遊漁料 | 1日1,150円 |
管轄漁協 | 狩野川漁協(https://kanogawa-gyokyo.jimdofree.com/) |
〈狩野川/アユ〉
解禁期間 | 5月上旬~12/31 |
遊漁料 | 1日1,700円 |
管轄漁協 | 狩野川漁協(https://kanogawa-gyokyo.jimdofree.com/) |
遊漁券購入・ オトリ店 |
嵯峨沢オトリの家(TEL:0558-85-0052)、旭水園(http://www7b.biglobe.ne.jp/kyokusuien/) |
- 釣り場情報は2020年6月現在のものです。