アングラーが憧れるサクラマス釣り
福井県の嶺北地方を流れる九頭竜川。この川を象徴し、多くの釣り人が憧れを持っているのが、ヤマメが海に下り、大型化して戻ってくるサクラマスだ。九頭竜川はサクラマスのゲームフィッシングの元祖といえる川で、最初は少数の地元のルアークラブの人たちが試行錯誤していた。当時、全国でも本格的にねらう人は少なかったが、タイミングによってルアーに反応することや、白銀に輝く圧倒的な美しさが釣り雑誌など紹介されるようになると、県外も含めて徐々にルアーやフライの釣り人が遠方からも訪れるようになり、サクラマスブームを引き起こす。現在、サクラマス釣りができる河川は、日本海側を中心に米代川、神通川、九頭竜川などいくつかあるが、「九頭竜川でなければ意味がいない」という熱心なファンはいまだに多い。
釣り場は2月1日解禁の区間と2月16日解禁の区間の2つがあり、シーズンはアユ釣りが始まる前の5月末まで。サクラマスは年明けの冬頃から少しずつ遡上しているが、盛んに上流を目指すのは名前のとおりサクラの花が咲く頃からになる。2月はまだ川原に雪が積もっていることも多く、スノーシューズも用意して水辺に向かうなど、釣り人たちも装備を工夫しているが、ベストシーズンはその後の雪代(雪解けによる増水)が落ち着く4月頃。釣り方はルアーなら本流用(サクラマス用)の8~10㎝クラスのミノーや18g前後のスプーンを使い、フライフィッシングなら遠投できるダブルハンドロッドを使って、大型のストリーマー(小魚を模したタイプ)やウエットフライを下流に横切らせるように流して魚の食い付きを誘う。サクラマスの釣り場は流域にある鳴鹿堰堤より下流域になる。
激流に踊る大アユと勝負
そして、九頭竜川を象徴するもう一つの魚がアユだ。九頭竜川は天然遡上がねらえる人気のアユ釣り河川としても全国に知られ、数釣り、激流釣りのどちらも楽しめる。
具体的には前出の鳴鹿堰堤を境に、その上流域が大石が多く流れも強い激流での型ねらい、下流域が石が小さく流れも穏やかな中での数釣りを楽しめる傾向がある。
アユ釣りの解禁は例年6月の第一土曜日で、解禁序盤は鳴鹿堰堤下流での釣りがメインとなり、大きさは20㎝までだがアタリも多くよく釣れる。上流域の釣りが本格化するのは7月に入ってからで、特に8月の盛期になるとパワフルな引きで釣り人を魅了し、シーズン終盤は30㎝を超える尺アユも期待できる。
アユの主な釣り場は鳴鹿堰堤より下流の五松橋下流、上流の谷口・永平寺河川公園周辺、さらに上流の放水口・中島河川公園周辺などだ。なお、以上は永平寺町の九頭竜川中部漁協が管轄する区間になるが、アユはその上流の勝山市(勝山市漁協)のエリアでも釣れる。こちらは大河川ながら緩やかな流れが多く初心者でも楽しめる区間が多いのが特徴。一方で尺アユの実績もあり、下流と同じように多くのアユ釣りファンが訪れる。
この釣り場へのアクセス
小松空港からレンタカーを利用。北陸道で九頭竜川方面へ
釣り場情報
〈九頭竜川/サクラマス〉
解禁期間 | 2月上旬~5月 |
遊漁料 | 1日1,500円 |
管轄漁協 | 九頭竜川中部漁協(http://www.kuzuryu-chubu.jp/) |
〈九頭竜川/アユ〉
解禁期間 | 6月上旬~ |
遊漁料 | 1日3,000円 |
管轄漁協 | 九頭竜川中部漁協(http://www.kuzuryu-chubu.jp/)、勝山市漁協(http://www.katsuyama-jf.jp/) |
遊漁券購入・オトリ店 | 笠川オトリ店(TEL:090-4683-2192)、もりいし釣具店(TEL:0776-64-2107)、尾崎オトリ(TEL:090-1310-0489)、石田オトリ店(TEL:0779-89-7766) |