“南国の王様、アオリイカを陸からねらう”
本部半島の釣りを案内するのは、その名も「沖縄釣女会」という、県内では広く知られた女性のフィッシングクラブでリーダーをしている横目則子さん。
サンゴ礁の海に立ちこんでのルアーフィッシングから、ボートに乗っての外洋の釣りまで、なんでもこなすマルチアングラーだ。
初日、まず横目さんが案内してくれたのが、陸地からねらうアオリイカ釣り。
アオリイカは食味がよく、鮨店などでも高級食材とされるイカなので、ご存じの方も多いだろう。
もともと南方の暖かい海を好むイカで、沖縄ではボートフィッシングなら3kgという本州では夢のサイズといってもよい大型が充分にねらえる。そして、春先は浅い場所にも出てくるため、漁港周りやビーチなどの陸地からでもねらいやすくなるのだ。
アオリイカにはいくつかの釣り方があるが、中でも人気が高いのが「餌木(えぎ)」という和製ルアーを使うエギング。
エギングでは、餌木をキャストし、一度着底させたらロッドとリールの操作でピョンピョンと踊り上がるように動かす。すると、目のよいアオリイカが興味を持って近づき、途中からユラユラと落ちるようにすると、抱きついてくるのだ。
まず出かけたのは、本部港のやや南に下った海岸線沿いのエリア。1週間ほど前に横目さんが釣ったときには、1kgサイズが出たという。
さっそく、2匹目のドジョウならぬ、2杯目のアオリイカをねらって白砂のビーチからキャストした。何しろ目の前は、そのままダイビングやシュノーケリングが楽しめるという海。道路からすぐ近くの場所に、こんな釣り場が広がっているのだから驚く。
あいにく、気温が少し下がったためか、アオリイカのアタリは遠かったが、それでも南国ならではの解放感を大いに味わった。
キャストを続けてお腹が空いたら、本部港の近くにある沖縄そばのお店へ。
本部町は平成22年に「そばの町もとぶ」を宣言したほどのそば処で、戦前から沖縄そばのスープに欠かせないカツオが水揚げされる港町として栄えてきた歴史もあり、今では町内に70軒近くのお店がある。
鼻腔をくすぐるカツオの香り、コクのあるスープが絡むもっちりした麺の沖縄そばは、スルッと食べられながらもしっかりお腹も満たしてくれる。釣り旅の友にもぴったりなのだ。
- このコンテンツは、2015年3月の情報をもとに作成しております。