“釣れるほどに楽しいトロピカルフィッシュ”
翌朝、ホテルで朝食を済ませてから向かったのは、本部港の隣にある浜崎港の釣り船「七海丸」。本部育ちの若き船長、仲村茂樹さんがフィッシングガイドをしてくれる遊漁船だ。
この日は、日中に深い場所にいる大型のアオリイカをねらい、
さらに夕方から夜にかけて、沖縄特有の特大サイズのタチウオをねらうというプラン。
ところが、前の晩から沖縄の近海に急速に発達し始めていた前線の影響で周囲は波が徐々に高くなってきており、朝の時点で、夕方からのタチウオ釣りは諦めざるを得ないという状況だった。
それでも、仲村船長は「無理はしません。波がこれ以上になったらすぐに
港に引き返します。でもチャンスはありますよ」と、午前中なら釣りはできるという。その言葉にうなずきつつ、前日のワルミでの願掛けに一縷の望みを託した。
釣り場は、浜崎港の沖合にある瀬底島の風裏エリア。
まずはアオリイカの釣りからスタートするが、島から離れたアオリイカがいそうな場所に近づくほど、やはり波が強くなる。2時間ほど粘ったが、やむなく島の近くに戻り、船長のおすすめもあって水深20~100mのポイントで、沖縄らしい地の魚をねらうエサ釣りに切り替えた。
それまでの揺れる船にもまったく動じなかった有村さん。オモリが海底に着き、イトのテンションがフッと緩んだのを見計らってリールを素早く巻いてタルミを取ると、そこから海中のようすを探るようにゆっくり仕掛けを上下させる。穂先が震え、魚がエサに食いついたと思われる反応が出た時には、自然に身体が反応して見事に合わせていた。そこからは、ミツボシクロスズメダイ、オジサン、ヤミハタ、トゲチョウチョウウオ、ヒメタマガシラ……と、次々にカラフルな魚たちを釣りあげていく。
ずんぐりとしたヤミハタを釣りあげた時には、「今、このサイズは本当に珍しくて、めったに釣れません。間違いなく最大サイズですよ。モデルさんが、この厳しいコンディションの中でこれだけしっかり釣ってしまうと、ほかのアングラーもうかうかしていられませんね(笑)」と、船長もびっくりだった。
近海のGT(ロウニンアジ)やカンパチねらいなど、大もの釣りのガイドにも定評のある七海丸だが、家族でも楽しめるこのような近海の五目フィッシングも大切にしており、なおかつ人気も高いとのこと。本部エリアを訪れた際は、たとえば家族と一緒に、気軽にチャレンジしてみてはいかがだろうか。もちろん、道具類もすべてレンタル可能だ。
- このコンテンツは、2015年3月の情報をもとに作成しております。