日本一の山を見ながら釣る贅沢
富士五湖の中の1つである河口湖。かつての富士山の大規模噴火によって、形を変えながらしだいに出来上がったとされる堰止湖だ。標高833m、最大水深15.2m、面積は6.13km2で、富士五湖の中では山中湖に次ぐ2番目の広さを誇る。
富士山は2013年6月、第37回世界遺産委員会で「富士山-信仰の対象と芸術の源泉-」として世界文化遺産に登録された。富士山は人々の祈りの対象であり、同時に芸術の源泉として日本人の自然観や文化に大きな影響を与えてきた。その価値が世界でも、普遍的なものとして認められたといえるだろう。
都心から2時間以内で手にできる美しく大きなコイ
河口湖で楽しめる釣りの中でも、近年、急速に人気が高まってきたのがコイ釣りだ。2000年頃から多くのコイ釣りファンが足を運ぶようになり、現在ではコイ釣りの大会も開催されている。
そのきっかけとなったのが、ボイリーと呼ばれる、ゆでて固めたエサを使ったコイ釣り。イギリス生まれのこのコイ釣りは、釣り人の間では「カープフィッシング」として知られている。河口湖はこのカープフィッシングがいち早く根付いたため、今では全国からコイ釣りファンが足を運ぶ、ヨーロピアン・カープフィッシングの情報発信地の1つとなっている。
河口湖のコイ釣り場としての魅力は、何よりも「型と形」の2つがそろった魚をねらえること。大ものであれば1mを超えるサイズが期待でき、なおかつ見た目にも美しいコンディションのよいコイが釣れるのだ。また、地形も他の湖に比べて変化に富んでいるので、湖のどこに入り、どうねらえばコイを探り当てることができるのかといった、攻略の楽しさがある。こうした場所が、都心から2時間ほどでアクセスできる場所にある。
コイの中でも、長い間この湖に住み続け、代を重ねて自然繁殖してきたものは「地鯉」と呼ばれる。放流から間もないコイは比較的浅いところでよく釣れ、体色も白っぽいものが多いのだが、「地鯉」はというとヒレが大きく発達している。特に尾筒と呼ばれる尾ビレの付け根部分が盛り上がり、尾ビレは団扇のように大きく、色も黒光りして凄味がある。引きも強烈で、ハリに掛かると一気に100m以上のイトを引き出されてしまうこともあるのだ。
本格的なコイ釣りシーズンはまさにこれから。暑さが終わり、湖の水温が安定する10月から11月中旬くらいが、ちょうど秋のベストシーズンになる。
青空の下でこんな良型を掛けると病み付きになる
毛バリにアタックする“への字口”
もうひとつ、河口湖でより手軽にねらえる魚にハスがいる。ハスはもともと琵琶湖と淀川水系、および福井県の一部に生息していた魚だが、現在では関東の湖沼にも生息している。特徴的なのは口の形で、他の魚を逃がさず食べられるように「へ」の字のカギ型になっている。好奇心も旺盛で、毛バリでねらうと面白い。河口湖でハスがよく見られるのは、西湖放水路から奥川の流れ込みにかけての奥河口湖と呼ばれるエリア。春先から11月頃まではチャンスがあり、小魚をイメージした白っぽいフライを軽く引っ張って動かしたり、あるいは水面に浮かべるタイプのドライフライを虫に見立てて浮かべておくと反応がある。
そのほか、観光地として有名な河口湖には、「天上山公園 カチカチ山ロープウェイ」などの遊び場もある。カチカチ山展望台から望める日本一の富士山と河口湖の大パノラマは一見の価値ありだ。
この釣り場へのアクセス
羽田空港から首都高を経由し中央自動車道に入る。河口湖ICを下りてR139を河口湖方面へ。東恋路交差点を右折し直進して河口湖へ。
釣り場情報
〈河口湖/コイ・ハス〉
解禁期間 | 通年 |
遊漁料 |
日券1,050円、現場売り1,550円、年券1万800円、シーズン券3,600円 |
管轄漁協 | 河口湖漁協(http://www.kawag.jp/) |
- 釣り場情報は2015年10月現在のものです。