全国のファンが集まる水辺
九州最後の秘境ともいわれる祖母(そぼ)・傾(かたむき)山系を源流とし、別府湾に注ぐ大野川。上流から下流まで数多くの支流を抱える流れは、近年、九州のみならず全国の釣り人からも注目されるようになっている。主な対象魚はシーバスとアユ。なかでもこれからの季節、ハイシーズンを迎えるのがシーバス釣りだ。シーバスとはスズキのことで、大野川では1mを超えるいわゆる「メーターオーバー」が、毎年のように釣られている。
シーバス釣りのポイントはコノシロが目印 ビッグベイトかトップウオータープラグでねらう
大野川のシーバス釣り最盛期は晩秋の11月。この時期の大野川は、河口から約7km上流の川添橋付近まで、シーバスの大好物であるコノシロだらけになる。コノシロとはまだ小さい7~10cmの時にはコハダと呼ばれ、江戸前寿司のネタとしてもお馴染みの魚だ。これが15cm以上に育つとコノシロと呼ばれるようになる。
大型のシーバスはボリュームのあるこの魚に目がない。そのため、この時期のシーバス釣りは、コノシロの群れを捜すことから始まる。コノシロの群れは特定の場所に定着せず、河口から川添橋の間を大きく動き回る。コノシロの群れを見つければ、釣果は約束されたと言ってもよいくらいで、釣り人もまたこの魚に目がなくなる。釣れるシーバスの平均サイズは70cmで、同時期の全国の他のフィールドに比べてもひと回り大きい。しかも栄養のあるエサを荒食いしているから体長以上に腹回りが太くマッチョである。
釣り方はルアー。昼夜ともに釣れるが、おすすめはコノシロに合わせたビッグベイト系ミノーやトップウオータープラグでの釣りだ。ビッグベイト系ミノーとは15cm以上の大型のルアーのことで、動かし方はただ巻くだけのシンプルなものでよい。そして、水面に浮かべて使うトップウオータープラグは、ロッド操作によりルアーの首を左右に振らせるようにして使う。ロッドはシーバス用の中で最も硬いクラス、ラインがPEの2号、リーダーがフロロカーボンの8号など、パワーファイトを意識したものになる。
アユ、クロダイ、キス、マゴチも
大野川はアユ釣りも人気だ。春には稚アユの天然ソ上が多く見られ、漁協による放流事業も盛ん。おすすめは水量が多く流れが速い中流域の犬飼大橋周辺で、秋には尺アユねらいの腕自慢がその技を競い合う光景が見られる。
下流域はクロダイの魚影も濃く、特に真冬は「年無し」と呼がれる大型が川辺に集まる傾向が強い。さらにキスやマゴチも釣れ、つまり一年を通じてさまざまな魚をねらうことが可能だ。周囲には住宅地も広がりながら、魚が大きく育つ生命力にあふれる大野川。今日も誰かが見事な大ものを釣りあげているに違いない。
この釣り場へのアクセス
大分空港からレンタカーを利用。空港から大野川中・下流エリアまでおよそ1時間。
釣り場情報
〈大野川/シーバス〉
シーズン | 10~12月(コノシロを意識した大型ねらいの釣り) |
問合先 | MFポイント大分高城店(釣具店。http://www.point-i.jp/index.php?id=takajo) |
〈大野川/アユ〉
管轄漁協 | 大野川漁協(TEL:097-578-0105) |
解禁日 | 6/1~ |
入漁料 | 日券2,100円、年券5,400円 |
- 釣り場情報は2017年9月現在のものです。