憧れの大もの釣りに入門
近年、海でもルアーフィッシングが人気です。その中でもトップクラスの対象魚といえば、ロウニンアジ(GT)やマグロといった大型のファイターがいますが、そうしたビッグゲームの世界につながる基本を身に着けられて、魚との出会いのチャンスもより大きい相手にシイラがいます。
温帯域に棲息するシイラは、夏を前に黒潮に乗って相模湾に姿を現わします。大きいものでは1mを超える魚が、ルアーを見つけるとレーザービームのようなスピードで襲い掛かり、最初の1尾の興奮が周囲の仲間にも伝わると、2尾目、3尾目と、他の魚も先を争うように追い掛けてきます。そうした大型魚の動きの一部始終を、船上から確認しながら釣れることもあるため、ルアーフィッシングの経験値を上げるのにもうってつけの釣りになっています。
相模湾では毎年6月頃から、シイラの来遊に合わせた「シイラ船」が始まります。レンタルタックルで挑戦することもできるので、「いつかルアーで海の大もの釣りに挑戦したい」という人にはおすすめです。レンタルの場合もルアーは自分で購入しますが、シイラ船を出している船宿であれば、たいがいおすすめのルアーも購入することもできます。
その際、船からのシイラ釣りは、夏の太陽の下で長時間過ごしますので、服装は帽子、偏光グラス、フィッシンググローブ、速乾タイプで通気性のよい長袖のシャツ&パンツ(長ズボンまたは半ズボンとアンダータイツの組み合わせ)を基本にします。足もとはデッキシューズや釣り用のスポーツサンダルなどの滑りにくいものを履きます。飲料水も忘れず準備し、いずれにしても日焼けと熱中症には十分気をつけて船に乗りましょう。
海に浮かぶ障害物を探す
シイラ釣りは大海原をクルージングすることから始まります。この釣りで大切なのはシイラの群れを見つけること。広い海の上でその場所を見つけるのは簡単ではありませんが、シイラは海上の浮遊物の周りに好んで居着く性質もあるため、相模湾には複数設置されているパヤオ(浮き漁礁)は典型的なチェックポイントになります。また、海に出来た潮目(流れの筋)には、流れ藻や流木などの浮遊物が集まりやすく、船長はそうした何かも常に船上から探しています。さらには、シイラは小魚を追っていますので、それらの群れがいる場所ではボイルと呼ばれる、シイラが小魚を海面に追いたてることでできる波立ちや跳ねが見られます。シイラ船に乗ったら、船長はもちろん、お客さんもそれぞれに海に目を配り、「ボイル!」などと声を出して知らせるので、魚探しを一緒に楽しみましょう。