注目高まる「釣りケーション」
今回、庄内浜の海と川を一緒に釣り歩いたのは、県内に住む松並三男さんです。松並さんは神奈川県の大磯町出身。大学の海洋環境学研究室を卒業後、大手アウトドアメーカーの店舗にスタッフとして勤務。経験も重ねたところで一念発起し、釣りとスノーボードと仕事が両立できそうと直感したという、山形県鮭川村の「地域おこし協力隊」に応募します。採用されると米沢出身の奥様の理解もあって首都圏から移り住み、村の資源であるシロザケの有効活用を探る課題に取り組みながら、それ以外の時間は必要とされる仕事があれば何でも手伝うという生活を始めました。
「山も海も近いのは山形の大きな魅力です。冬はもちろん本格的な雪が降りますが、元々スノーボードが好きで来ましたし、村の暮らしも雪があるのが大前提になっているので、何かに困るということもないんです。それに地元の皆さんが穏やかで優しい。娘も生まれて、首都圏に戻る理由がもうないですね(笑)」と言います。
実は今、松並さんのようにいきなりIターンとは行かずとも、まずは庄内浜の釣りの魅力に触れてもらおうというプロジェクトが当地で進められています。それが「庄内浜釣りケーション」です。庄内浜の自治体(酒田市・鶴岡市・庄内町・三川町・遊佐町の2市3町)と山形県で動きだした、都市部の釣りが好きな人たちに、ワーケーション(仕事+余暇)先として「庄内浜」を体感してもらおうという取り組みです。
たとえば鶴岡市の由良海岸には、穏やかな海を望む「海テラスゆら磯の風」に無料Wi-Fiや仕事用の机が設置され、気軽に利用できるコワーキングスペースが整備されました。周辺の宿泊施設も釣りケーション・ワーケーション利用の受け入れに力を入れています。
初日、松並さんとまず向かったのは庄内浜でのアジングです。その松並さんの車は「釣りケーション」仕様のレンタカー。実は松並さん、Iターンして山形での暮らしを楽しんでいることから、庄内浜釣りケーションを推進するオンライン会議にもたびたびゲスト参加していて、知り合いでもある酒田市内のレンタカー店が、ちょうど試作車を一台完成させたのでした。そんな草の根の取り組みも始まっています。
釣りケーションに来て、日中は穏やかな海を眺めながらリモートワーク。夕方からはたくさんのアタリを満喫できる手軽な海のルアーフィッシング。そんなモデルとなる釣りを実際に見せてもらおうと、一緒に釣り場へ向かいました。