DOMAINEドメーヌレゾン/北海道
続いてご紹介するのは、北海道富良野に誕生した新進気鋭のワイナリー。清々しい田園地帯をドライブしていると、風船をつけたヤギのイラストが描かれた看板と、かわいらしい赤い建物が目に留まります。それが今回の目的地です。

2016年、十勝岳の雄大なパノラマを望む、富良野と中富良野を合わせて400,000平方メートルの広大な大地に、ぶどうの苗が植え付けられました。植えられたのは、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、ピノ・ノワールなどヨーロッパ系の品種を中心に12種類。梅雨や台風の影響がなく、夏の降雨の少ない北海道は、フランス北東部やドイツのワイン銘醸地の気候と似ており、そこで生産されるぶどうは近年、国内だけでなく本場フランスからも注目されています。

ドメーヌレゾンのぶどう栽培における信念は、ぶどう本来の個性を最大限に引き出すこと。過保護な育成はせず、ぶどうがのびのびと育つ環境を用意することで、鮮烈な味わいのぶどうが生まれると言います。
時期にもよりますが、現在は赤、白など合わせて15~20種類くらいのワインを醸造しています。提携の農場で育てられたぶどうをブレンドしたワインもありますが、ここはぜひ、富良野生まれ、富良野育ちのワインを味わってほしいもの。冷涼な気候に育まれたワインは、全体的にきれいな酸が特徴。特に中富良野で栽培されたミュラートゥルガウを100%使用した白ワインは、軽快な酸に青リンゴやレモングラスなどの爽やかな香りが加わり、心地良い余韻に浸れます。

話はワイナリーに戻りますが、ワイナリーの裏手では子ヤギたちが楽しそうに走り回っています。ドメーヌレゾンのコンセプトは自然との共存。ヤギが雑草を食み、その排泄物は堆肥にしてぶどう造りに活かします。ワイナリーをはじめ、併設のブティックやカフェにも極力自然に優しい建築素材を用い、自然への負荷を減らすよう努力しています。

ワイナリーにいるヤギたちに、餌やミルクをあげるアクティビティも用意されているので、子供も大喜び。家族全員で楽しめるワイナリーです。

- ドメーヌレゾン
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住所:北海道空知郡中富良野町東1線北4号
電話:0167-44-3035
アクセス:旭川空港から車で約1時間
ウェブサイト:ドメーヌレゾン
カタシモワイナリー/大阪府
あまり知られていませんが、実は大阪府は全国7位の生産量を誇るぶどうの産地。デラウェアを中心に、巨峰やピオーネなどさまざまなぶどうが栽培されています。ワイナリーも8軒あり個性的なワインを造ると評判です。
ワイン造りの歴史は古く、なかでも柏原市にあるカタシモワイナリーは大正3年創業という老舗。明治初期に創業者の父である高井利三郎さんが堅下村(現在の柏原市内の地域)の傾斜地を開墾し、ぶどうを栽培したのが始まりです。
築130年の古民家を改装したワイナリーは大正時代を彷彿とさせるたたずまい。ワイナリーがある太平寺地区は小路が入り組み町歩きも楽しめます。

カタシモワイナリーのぶどう畑は太平寺地区を中心に点在。山の斜面に広がる畑は30,000平方メートルにも及び、樹齢100年の古木が圧倒的な存在感を放っています。
ぶどう畑では除草剤を使わず、可能な限り減農薬に取り組む手間のかかる栽培法を選択。有機肥料を使用し土の力を引き出すことで、畑ごとにできるぶどうの個性が際立ってくるのだとか。

50年以上前にすでに手掛けていたスパークリングワインにも注目。代々積み重ねてきたノウハウを生かし、2010年からはデラウェアを使ったスパークリングを発売し話題になっています。シャンパンと同じ瓶内二次発酵製法でつくられるスパークリングワインは、その名も「たこシャン」。ラベルもたこ焼きをあしらった遊び心あふれる1本です。
フルーツとしてよく知られたデラウェアは、ワインにするとジュース感が強い印象。ところが「たこシャン」はすっきりシャープな味わい。甘いソースが絡んだたこ焼きと相性抜群のカジュアルに楽しめるワインです。

カタシモワイナリーでは、毎月、予定日を設定してワイナリー見学を開催しています。畑や工場の見学と、テイスティングルームでの試飲を合わせて1時間30分~2時間ほどです。
大正時代に建てられた貯蔵庫は国の有形文化財に指定され、そのノスタルジックな雰囲気も魅力のひとつ。テイスティングルームは貯蔵庫の2階にあり、古い醸造器具が飾られた日本のワイン造りの歴史が感じられる空間です。
ワイナリー見学は不定期かつ予約制ですが、いつでもぶどう畑や工場、町歩きが楽しめるように、直売所と工場でマップを配布しているのもうれしいところです。

- カタシモワイナリー
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住所:大阪府柏原市太平寺2-9-14
電話:072-971-6334
アクセス:伊丹空港から車で約45分
ウェブサイト:カタシモワイナリー