地球環境のために。企業として責任ある選択
苦しそうにするウミガメの鼻からプラスチックストローが出てきた動画が話題になり、一気に海洋プラスチックが問題視され始めたのは2015年のこと。この6年間、世界中でさまざまな取り組みが進みつつあります。わたしたち消費者が個々人でできることをするとともに、大量の資源を取り扱う企業にも、環境を考慮した経営が喫緊の課題となりました。
そのような中、これまで通りにANAの国際線エコノミークラスに搭乗すると、ひとつ大きな変化を体験することができるのです。国内の航空業界に先駆けて、機内食の主菜容器がプラスチック製から植物性に変更されました。
環境にやさしい植物由来素材
プラスチック容器の代わりに採用されたのは、植物由来の素材で、プラスチック製容器と同等の使用感が担保されることを目標に、約2年をかけて開発されました。そして2021年8月から、ついに空の上でも使われ始めています。
丁寧に考慮された開発のおかげで、新容器でもこれまでどおり快適に機内食を楽しむことができます。いいえ、むしろプラスチック廃棄量の削減に貢献していると思うと、喜ばしい気持ちさえ感じられるかもしれません。実はANAのプラスチック消費量のうち、最大使用量を占めるのは機内食の容器。今回の容器変更によって、全体の約3割にあたる約317トンのプラスチック消費削減が実現できるといいます。気候危機の現状を思うと、移動時間でさえも地球の未来を考えて行動できることに、嬉しくなります。
ANAはこれまでにも、2020年度だけでカトラリーやマドラーは木製へ、ストローはバイオプラスチック製へ、と地球に優しい選択を重ねてきました。2050年までには機内食を含む食品廃棄率50パーセント削減(2019年度比)や、プラスチックや紙などの資源類の廃棄率ゼロ、といった具体的で、決して小さくない目標も掲げています。こうした思いを感じながら飛行機に乗ると、窓から見える空や雲、地上の光景もまた、これまでとは違った明るさを感じられるかもしれません。