活気あふれる川崎で工場夜景と地ビールを
羽田空港から京急のエアポート急行で最速16分、神奈川県の北東部に位置する川崎駅に到着します。かつては東海道や大山道の宿場としてにぎわい、現在はJR川崎駅、京急川崎駅を中心に、西側には巨大なショッピングモールが、東側には商店や飲食店が立ち並び、朝から夜までにぎわっています。駅周辺には快適なシティホテルが多数点在しています。
川崎は京浜工業地帯の中心地であり、鉄鋼や化学、精密機器など多種多様な工場が集積する一大工場地帯としても知られています。工場の多くは臨海部に集まっており、その数実に350以上。工場地帯は近年、工場夜景の名所としても注目されています。日本全国には有名な工場夜景スポットがいくつかありますが、川崎はアクセスの良さも魅力的。マイカーやレンタカーがなくても、川崎駅前から公共バスで訪れることができるのです。夜景スポットコースの中から、今回は公共交通機関を使ったモデルルートをご紹介しましょう。
川崎駅の出発時間は、日の入りから逆算して1時間前くらいがいいでしょう。まずはいちばん海側の東扇島に立つ「川崎マリエン」へ。
市民の交流の場として建てられた「川崎マリエン」は、屋外にキャンプ場やバーベキュー場、テニスコートなどのアウトドア施設が、屋内に会議室やシアター、屋内体育館などの設備が揃っています。地上51mの展望室からは、360度のパノラマが楽しめます。
昼間は東京湾を行き交う大型船や煙をあげる工場地帯、その向こうにそびえる富士山を、夕暮れ時には美しいサンセットと、徐々に明かりが灯る工場のプラントを眺めることができます。
展望室には川崎港や川崎工場地帯についての資料などの展示があり、港の成り立ちや貿易についての知識を深めることができます。
川崎マリエン
- 住所:神奈川県川崎市川崎区東扇島38-1
- TEL:044-287-6000
- 営業時間:9:00~21:00/(定休日)12月29日~1月3日および設備点検日
- ウェブサイト:川崎マリエン
辺りが暗くなったら川崎マリエンから再び川崎駅方面のバスに乗ります。次の目的地は川崎きっての工場夜景スポット「千鳥町貨物ヤード前」。バス停「日本触媒前」で下車し、千鳥町1号線を西に向かって約500m、8分ほど歩きます。歩く人が少ないのか歩道には雑草や木々が生い茂っているので足元に気をつけて。
フェンスに沿って歩いて行くと右側に大きな工場が現れます。この道路の突き当たり付近が目指す夜景スポットです。明るいうちはごく普通の工場プラントですが、夜になると川崎屈指の人気工場夜景スポットに変身します。
日が暮れると、いよいよドラマティックな工場夜景が現れます。
プラントから漏れる光は緑に輝き、それがなんとも妖艶です。手前には工場専用の貨物レールがあり、写真を撮るならそれを絡める構図も人気ですが、線路内の立ち入りは禁止されているので注意してください。
薄明かりの残るトワイライトタイムからすっかり陽が落ちるまで、工場は刻一刻と表情を変えていくので、お気に入りの時間帯を見つけましょう。
すぐ近くにあるバス停「私営埠頭」でバスに乗れば、川崎駅までは直通で戻れます。ただし夜間は便数が少ないのでご注意を。
もう少し工場夜景を楽しむなら来た道を引き返し、大通りを川崎方面に左折します。少し歩くと、千鳥運河にかかる千鳥橋に到着します。ここも工場夜景が楽しめる夜景スポット。先ほどとは異なり、運河の向こうに工場の明かりが煌めくランドスケープを楽しむことができます。
千鳥橋を渡ってしばらく進むとファミリーマートがあり、その向かいあたりのバス停「ENEOS株式会社塩浜」からバスに乗れば川崎駅前に戻ることができます。この通りは22時過ぎまでバスの便があります。
自力でも回りやすいのが川崎の工場夜景の魅力ですが、バスツアーや夜景クルーズなども催行されており、夜景スポットを効率よく巡ることができます。開催日があえば参加するのもおすすめです。
川崎駅に戻ってきたらディナータイム。実は川崎は、クラフトビールを造るブルワリーが集まるエリアです。歩いた後なので喉はカラカラ、早く冷たいビールをきゅっと流し込みたいところ。足を速め目指すのは「東海道BEER川崎宿工場」です。
2018年12月にオープンするやいなや、その個性豊かなビールが評判に。川崎地ビールの代表的存在となりました。川崎が東海道の宿場町に制定された1623年という年号にちなんで名付けられたビール「1623」は、潤沢にホップを使った爽快なIPA。柑橘の爽やかな香りとどっしりとした苦味がクセになりそうです。そのほか黒ビールや小麦ビールなど4種類の定番ビールのほか、季節限定のビールも用意されています。
東海道BEER 川崎宿工場
- 住所:神奈川県川崎市川崎区本町1-4-1
- TEL:044-272-3639
- 営業時間:17:30~22:00、土・日曜、祝日は14:00~(定休日)月・火曜
- ウェブサイト:東海道BEER 川崎宿工場
ビールを飲んだあと、もう少しなにかつまみたい。そんなときも心配ありません。実は川崎は餃子の激戦区。かわさき餃子として各店が自慢の餃子を提供しています。
かわさき餃子はみそだれで食べるのが特徴です。濃厚でコクのあるみそだれは、みそだれ7:酢2:ラー油1の割合が黄金比。熱々を頬張りましょう。餃子はテイクアウトもできるので、川崎産まれのクラフトビールと合わせて、ホテルの部屋でくつろぎながら食べるのも良いものです。
天龍
- 住所:神奈川県川崎市川崎区砂子1-1-1
- TEL:044-200-9061
- 営業時間:7:00~2:00(L.O.1:50)、土・日曜、祝日は10:00~(定休日)無休
- ウェブサイト:天龍
2023年に川崎宿開設400年を迎える川崎。新旧の文化が入り混じるパワフルで刺激的な滞在もおすすめです。