<ブシャールP&F>ボーヌ・デュ・シャトー・プルミエ・クリュ【2017】
創業1731年、3世紀近い歴史をもつブルゴーニュ地方最大級のドメーヌ「ブシャールP&F(ペール・エ・フィス)」。白ワイン、ボーヌ・デュ・シャトー・プルミエ・クリュは、「ひとつひとつの畑の個性(テロワール)が忠実に再現されていること」を、醸造責任者ヴェベール氏がポリシーとするように、ブルゴーニュの大地が生みだす味わいを忠実に再現した1本です。
彼らが所有する130ヘクタールものぶどう畑のうち、いくつかの1級畑から収穫されたぶどうをブレンド、フレンチオーク樽で12カ月熟成して作られるこのワインは、完熟した優しい果実味と、爽やかな酸味、ほのかな樽香が特徴です。
白ワインは収穫の段階から樽熟成までの全工程において細心の注意を払いながら、最終的にできあがったときに全体像が見える「油絵」のようなものだとのこと。ボーヌ・デュ・シャトー・プルミエ・クリュは、そんなブシャールP&Fの誇りをかけたフラッグシップワインです。
【STORY】変容を恐れないチャレンジで古豪を復活させたファミリーの力
1731年に創業し、その後に起きたフランス革命によって民間に払い下げられた広大な畑を買い取り急成長したブシャールP&Fですが、1970年代にはそのクオリティが落ち、低迷した時期もあったそうです。
しかし1995年経営権を引き継いだジョセフ・アンリオ氏によって、すべての製造工程で大幅な改革を実施、不死鳥のように復活して現在に至ります。
そのこだわり方は並大抵のものではありません。約30の畑に気象台を設置し、24時間体制で気象データを収集し、13kgの小型のプラスティックケースによる手収穫を徹底。また、完全なオーダーメイドの樽を調達するようになりました。2005年には新しい醸造施設を建設し床面積は3倍になったにも関わらず、生産量は半分に抑え、品質のよいものだけを販売するようになりました。
素晴らしいのは人財について。事業譲渡に伴う新たなチャレンジに際し、同社を辞めた人はいないそうです。創業家のブシャール家も二人が事業経営に残り、そのうちの一人は現在支配人を務めています。畑を管理する農家さんも、何代にもわたり同じ畑を担当しているといったように、ブルゴーニュとブシャールを愛し、その伝統とクオリティを継承したいと願うファミリーが、この復活を支えたのです。
変容に果敢にチャレンジし、ブルゴーニュを代表するドメーヌとして見事に復活した古豪ブシャールP&F。ファミリーの一人ひとりが、限りない愛を込めた珠玉のワイン。ANAのファーストクラスサービスワインに選ばれた理由は、そうしたストーリーにも潜んでいるようです。
【Fromソムリエ】
皆様、お待たせいたしました。それではいよいよ、ANAのテイスティングルームへご案内いたしましょう。ガイド役を務めるのは、ANAショッピング「A-style」ワインアドバイザーの佐藤ソムリエです。
「伝統のあるワイナリーが造るエレガントで華やかなブルゴーニュの白ワイン。華やかなナッツやバニラ、そして樽の香り、ボリューム感のある口あたりと上品な酸味も心地よく、これぞフランスのシャルドネといっても過言ではありません。
バランスがよく、落ち着いてじっくり飲めるワインなので、食事がなくても楽しめますが、お食事なら鶏胸肉のクリーム煮や、オマール海老のフリカッセなどが合うと思います。また水炊きのようにシンプルだけど旨味のよく出た鍋料理なども、このワインのクラシックな味わいにピッタリです。
休日の昼下がり、好きな映画を観ながら、大振りのシャルドネグラスやブルゴーニュグラスで香りを楽しんだり、特別な日のディナーでふくよかな味わいを楽しんだりと、シーンを選ばずリッチな気分にさせてくれる1本です。(佐藤)」
- ソムリエ・プロフィール
-
- A-style ワインアドバイザー 佐藤雄介ソムリエ
-
都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年にANAインターコンチネンタルホテル東京のシェフソムリエ就任。(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ・エクセレンス。
- 記載の内容は2021年11月現在のもので、変更となることがあります。
- 写真はすべてイメージです。