街全体が1つの旅館、入湯手形で温泉巡り
日本に湧く温泉は主に10種類の泉質があると言われていますが、黒川温泉では、そのうち7種類もの温泉を楽しむことができます。中には、硫黄泉、炭酸水素泉、含鉄泉など、他ではあまり見られない珍しい泉質のもあり、何度も足を運びたい魅力あふれる温泉街です。
一晩ごとに旅館を変える「転泊」も推奨され、宿によっては次の宿まで荷物を運ぶサービスも行っています。
お気に入りの宿を転泊し、黒川温泉の魅力を余すことなく味わってみましょう。
街全体を1つの旅館ととらえる黒川温泉では、各宿が持つ露天風呂を自由に巡ることができる「入湯手形」が発行されています。
露天風呂は全部で26ヶ所あり、入湯手形1枚でそのうち3ヶ所を巡ることができ、使いきれなかったときは再訪時に利用することができます(有効期限6カ月)。
また、3ヶ所のうち1ヶ所は、飲食店や土産屋など多くの店舗で「地域通貨」として使用することも可能です。
阿蘇の湧き水で作った蛍丸サイダーで喉を潤したり、入浴後の火照ったからだを冷たいジャージーソフトで冷やしたり、好みに応じて楽しみましょう。
冬の風物詩となった「湯あかり」も、温泉とともに楽しみたいイベントの1つ。竹を編んで作られる球体状の「鞠(まり)灯篭」と、高さ2mほどの「筒灯篭」が温泉街をライトアップします。
黒川温泉のある南小国町は山間にあるため、最低気温がマイナスになり、雪が舞うこともあります。
この時期に黒川温泉を訪れる際は、厚手のコートを用意しておくことをおすすめします。
|黒川温泉観光旅館協同組合
- 住所:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6594-3
- ※
- ウェブサイト:黒川温泉観光旅館協同組合
- 入湯手形は各旅館または黒川温泉旅館組合「風の舎」にて購入可能、大人1枚1,500円
森の奥にたたずむ宿で味わうくつろぎ時間
30軒の温泉旅館が集まる黒川温泉の中でも、秘湯の雰囲気を楽しめるのが「旅館 山河(さんが)」です。
温泉街から離れた静かな雑木林の中にあり、聞こえてくるのは鳥の声や川のせせらぎ、そして風にそよぐ樹々のざわめきと、自然が奏でる音ばかり。
現代社会では贅沢となった閑寂なるひとときを過ごすことができます。
客室は落ち着きある和室が全16室。スタンダードな和室のほか、内風呂付き、露天風呂付き、離れ内風呂付きと、さまざまに趣向が凝らされた部屋が用意されています。
1室だけ用意された離れ和洋室には、露天と内風呂が用意されているので、贅沢なひとときを過ごしたい方におすすめです。
「旅館 山河」で楽しめるのは、単純硫黄泉と、ナトリウム塩化物・炭酸水素塩・硫黄塩泉の二種類。
ともに源泉かけ流しで、露天風呂、内風呂、貸切風呂など7つのお風呂を楽しむことができます。
ダイナミックな自然に囲まれた混浴露天風呂「もやいの湯」は、青みがかった湯色が特徴。
肌に優しい美肌の湯で、疲労やストレスも解消していきましょう。
温泉を満喫した後は、食事処「木々の集い」で、料理長厳選の食材をふんだんに盛り込んだ、真心のこもった会席料理を。
熊本名産の馬刺しや大阿蘇鶏、阿蘇あか牛ステーキなど、南小国ならではの食材が旬に応じて並びます(プランにより使用する食材が変わります)。
黒川温泉オリジナルの地ビールや、熊本県産のぶどうを使った黒川オリジナルワイン、地米を使って仕込んだ純米吟醸など、地元産にこだわったお酒がいただけるのも魅力。
こだわりの詰まったおいしい料理とお酒で、秘湯の夜を盛り上げてみませんか?
|旅館 山河
- 住所:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6961-1
- ウェブサイト:旅館 山河
浮遊感満点!「立ち湯」が楽しめる宿
黒川温泉を見晴らす小高い丘の上に立つ「こうの湯」は、一風変わった温泉入浴が楽しめるとして人気を集めています。
その温泉が、日本一の深さをうたう「立ち湯」です。男女別露天風呂「森の湯」に用意された男性用の立ち湯は、なんと深さ最大162cm。
体を沈めると水圧によりギュッと体が圧迫され、これまで体感したことのないような独特の浮遊感が楽しめます。
この圧迫がほどよく体を刺激。
足腰の血行が良くなるとしても人気を集めています。
「こうの湯」の泉質はナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物温泉。空気中の酸素と鉄イオンが結び付き、緑みがかった色に変化するのが特徴です。
大浴場の湯も客室の風呂も、すべて源泉かけ流し。いつでも上質な温泉を楽しむことができます。
「こうの湯」では、和洋室の平屋タイプ、メゾネット式の長屋タイプ、プライバシーが尊重される離れタイプの、3つの客室を用意。
いずれの部屋にも専用の露天風呂(一部、半露天風呂)が用意されているのがうれしいポイントです。
客室それぞれに岩風呂や洞窟風呂など趣向が凝らされているので、何度訪れても飽きることなく楽しめるでしょう。
温泉とともに楽しみのひとつとなるのが、地産地消にこだわった創作和食の数々。
地元で採れたヤマメをはじめ、熊本特選馬刺し、黒豚、肥後牛など、黒川温泉周辺の幸を楽しむことができます。
女将が自ら食材を吟味し、旬をとじこめた料理は「おいしい!」と評判。旬の味覚を、地酒や焼酎とともにいただきましょう。
既製品を一切使わず、自家製料理のみを提供するこだわりの朝食も魅力の1つ。
“おひつ”で出されるおいしい無農薬米が、何よりのごちそうです。
心も体も癒される温泉宿で、幸せなひとときを堪能ください。
|こうの湯
- 住所:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6784
- ウェブサイト:こうの湯
職人技が光るこだわりの手打ちそば
続いては、黒川温泉に向かう際にぜひとも立ち寄りたい食事スポットの情報をお届け。
まずご紹介する「そば屋 沙羅(しゃら)」は、そば粉と水にこだわった、おいしい手打ちそばをいただくことができる人気店です。
そば本来の味が楽しめるよう、そば粉10に対し小麦粉を1加える、技術が高くなければ打つのが難しいとされる「外一」と呼ばれる割合で粉を配合。
そば粉は信州産と地元産の良質なそば粉を、季節に応じてブレンドしているといいます。
阿蘇のおいしい水を使って丁寧に打たれたそばは、香り高く、歯応えがあり、のど越しの良い、通も納得の味です。
手打ちそばのほか、自家製の低農薬米や、地元で育てられた烏骨鶏の卵を使った究極の卵かけごはん、具を食べた後の“おじや”が絶品の地鶏鍋などの料理がそろっています。
おそばがなくなり次第閉店してしまうので、早めのアプローチがおすすめ。
阿蘇の地の味覚を味わいに、ぜひ足を運んでみてください。
|そば屋 沙羅
- 住所:熊本県阿蘇郡南小国町田の原7188
個室で味わう上質美味な黒毛和牛
続いてご紹介するお店は、個室または半個室でゆったりと食事を楽しむことができる「個室焼肉 山川庵(さんせんあん)」。
無煙ロースターを使用しているので、旅の途中に立ち寄っても、焼き肉の匂いが気になることはありません。
提供されるのは、厳選の上に厳選を重ねた、鹿児島県産の黒毛和牛たち。
店主自ら多くの料理店を食べ歩いた中から選んだ黒毛和牛は、肉が苦手な方をもうならせる深い脂の旨味が自慢で、A5ランクだけではなくあえてA4ランクも用意することで、黒毛和牛が持つ魅力を十分に堪能できるようにしているといいます。
肉の味を引き立てるべく、付けダレや塩にもこだわっているのが「山川庵」の特徴です。
付けダレは、フルーツとはちみつをベースにした秘伝のもの。
ふくよかな甘みにより牛肉の持つポテンシャルが引き出されます。
塩は沖縄県産の天日塩を使用。海洋成分が豊富にふくまれたバランスの良い塩味が、牛肉の繊細かつ複雑な旨味を最大限に引き上げてくれます。
とても人気のあるお店なので、訪れる際は予約してからお出掛けください。
|個室焼肉 山川庵
- 住所:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺旗返8996
- ウェブサイト:個室焼肉 山川庵
黒川温泉で冬の湯巡り旅を楽しもう
お湯よし、食よし、景色よし、三拍子そろった黒川温泉へは、飛行場からレンタカーを利用してのアクセスが快適です。
熊本空港からは、阿蘇くじゅう国立公園の中を走る「やまなみハイウェイ」を経由する絶景ドライブがおすすめ。
福岡空港からは、九州横断自動車道と大分自動車道を経由し、奥日田を走る国道212号を走り、大分~熊本の美しい自然を満喫しましょう。
まだまだあります。ANAで行く九州の「温泉旅」。
- 記載の内容は2023年11月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
- 写真はすべてイメージです。