私たちは1952年の創業から安全を第一に航空輸送サービスを提供してきました。
2022年12月、創業70周年を迎えることができましたとともに、
英国SKYTRAX社の世界最高評価である「5スター」10年連続獲得を実現いたしました。
これも先人から受け継いできたDNAを絶やすことなく挑戦を続けてきたこと、
そして何より支えてくださった皆様のおかげです。
ここでは、私たちが大空に向かって挑戦を続けてきたANAグループの歴史をご紹介いたします。CHALLENGESto THE SKY
第二次世界大戦終結後、日本の民間会社による航空機の運航はGHQに全面的に禁止されていました。運航禁止が解除されたのは1950年。そのわずか2年後、1952年に設立されたのが、日本初の純民間航空会社である日本ヘリコプター輸送─後のANAです。
保有機材は、たった2機のヘリコプター。当時、世界では政府主導の航空会社経営が多く占める中、ゼロからの挑戦でした。創業時の理念「高潔な企業」「権威に屈することのない、主体性を持つ企業」「独立独歩できる企業」のもと、従業員たちは大きな夢を抱き、10年後の1962年には戦後初の国産旅客機YS-11のローンチカスタマーとなって日本の航空産業を牽引するまでに拡大。1964年には同機で東京オリンピックの聖火を輸送するという大任も果たすなど、まさに、ANAは戦後日本とともに成長を続けてきました。
国内航空会社の事業範囲を定めた産業保護政策─いわゆる「45・47体制」。1972年に発効されたこの政策下において、ANAは国内線の運営を担うことになり、国際線については運航を制限されましたが、1971年に香港までの国際チャーター便を就航させました。
その翌年には2代目社長・岡崎嘉平太氏の尽力により国交が正常化したばかりの中国(上海)まで国際チャーター便を就航したANAにとって、国際定期便の運航という夢は決して消えることがありませんでした。1980年代に入ると「45・47体制」の下では拡大・多様化する航空需要に対応できないとして見直しを求める声が高まり、1985年に同体制は撤廃。1986年、ANAはついに成田−グアム間の国際定期便の運航を開始し、10年越しの悲願を叶えたのです。
世界初・世界最大の航空連合「スターアライアンス」。ANAは1999年、9番目のメンバーとして加盟しました。当時のANAは国際線事業の規模が現在よりも小さく、十分なネットワークを自力で構築することが困難な状況でした。
そのため、スターアライアンスへの加盟はネットワークの拡充に向けた有効な手段だったのです。自社運航便のネットワークのみに頼らず、メンバー各社とコードシェアをすることでネットワークをグローバルに拡大。さらに、各社が培ってきた多様なノウハウを生かしたサービスの提供やマイレージプログラムの提携により、お客様の利便性の向上を実現しました。スターアライアンスへの加盟が、ANAの国際線事業の飛躍的な成長を後押ししました。
航空業界は、グローバルな政治経済情勢や社会現象に起因するさまざまなイベントリスクにさらされています。2000年以降、ANAは国際線事業の成長を加速させた一方で、そのリスクに正面から立ち向かうことになりました。
2001年の米国同時多発テロ、2003年のイラク戦争、重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行─これら不測の事態によって旅客需要は激減(2004年3月期の国際線旅客数は、前年比で12.8%減少)。しかし、緊急コスト削減策などを実行することで、2005年3月期には国際線就航以来初の黒字化を達成しました。ANAは逆境に直面することでグループとしての総合力を高め、その後の世界同時不況や新型インフルエンザの流行といった事態も乗り越えながら成長を続けています。
航空運送事業を中核とするANAグループは、事業活動に伴うCO2排出などにより地球環境にインパクトを与えているため、代替燃料の使用や省資源・リサイクル活動の推進、生物多様性保全活動などを通じ、持続可能な社会の創造に貢献したいと考えています。こうした環境課題への積極的な取り組みが認められ、2008年には環境省より航空業界、運輸業界初の「エコ・ファースト企業*1」に認定されました。ANAグループはステークホルダーとの対話を通じて、社会と共生し続ける企業グループとして先進的かつ着実な活動を続けています。
多くの新技術・新素材が導入され、従来以上の長距離飛行や運航コストの大幅な削減を実現する次世代航空機、ボーイング787型機(B787)。2004年、ANAグループはB787を世界で初めて発注し、ローンチカスタマーとして開発を牽引してきました。
世界が注目するボーイング社の最新鋭機の発注は大きなニュースとなり、ANAグループのグローバルプレゼンスも向上しました。2011年から運航を開始、2016年1月には世界で初めて10万便を突破しました。これは全世界のB787運航便数の4分の1以上にあたります。B787の燃費効率の飛躍的な向上が、従来の中型機では実現できなかった長距離路線への運航を可能とし、国際線ネットワークの拡充に貢献しています。
首都圏空港容量の拡大や航空自由化のさらなる進展、ローコストキャリア(LCC)の相次ぐ就航─日本の航空業界を取り巻く環境は、2010年代に入って大きな転換点を迎えています。このような状況において、ANAグループは常にお客様に選ばれ続けるエアライングループを目指し、従来のANAブランドとLCCブランドとの「マルチブランド戦略」などを推進するとともに、グループ各社の経営についても業務執行の権限を委譲しスピーディかつ自律的な経営を実現するため、持株会社体制へと移行。
2013年、ANAホールディングス株式会社が発足しました。「新生ANAグループ」として、新たな体制で航空大競争時代を勝ち抜くための経営がスタートしています。
ANAグループでは、2013年からグループ合同で入社式を行っています。
新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態は、ANAグループの経営も大きく揺るがしました。
業績の低迷が続く中も、多くの皆様からの応援を頂きながら、様々な自助努力を重ねたとともに、ウイルスが流行し始めてから今日に至るまで、日々刻々と変わる状況に適応し、
変わらぬ「あんしん、あったか、あかるく元気!」なサービスをお届けするために努力と挑戦を続けてきました。
2022年12月には、航空会社の格付け会社である英国SKYTRAX社の「ワールド・エアライン・スター・レイティング」において世界最高品質と認められ、2013年の初受賞から10年連続となる最高評価の「5スター」を受賞。
創業70年を迎えた今、また次の10年へのスタートがはじまります。
これからも安全を第一に、高品質なサービスの提供に徹底的にこだわり、お客様に寄り添うエアラインを目指していきます。