環境に関する有識者との対話

2023年度の主な活動

環境に関する有識者との対話

2024年3月22日に、今年度2回目の環境に関わる有識者との対話を実施しました。気候変動をテーマに環境に関わる最新のグローバル動向について情報共有いただき、ANAグループに対する社会からの要請や今後の取り組みについてご意見をいただきました。

テーマ:環境に関わる最新のグローバル動向とANAグループの環境への取り組みについて

日時:2024年3月22日(金)16:30-18:00

有識者
高村 ゆかり氏(東京大学未来ビジョン研究センター教授)

ANAホールディングス株式会社
宮田 千夏子(執行役員 サステナビリティ推進部長)ほか

有識者からの主なご意見

気候変動における最新の政策動向について

  • サステナビリティ情報開示の法制化の動きが世界的に広がっており、ISSBやSSBJの要件に沿ってサステナビリティ情報の開示が求められることになる。今後の日本の環境目標の更新に合わせて企業自身の目標を設定し、説明することが求められることになる。企業の目標と対策についても影響が大きいとされる。
  • 昨今、循環経済(サーキュラーエコノミー)の取り組みが気候変動や世界の排出対策に大きな貢献を果たすという見解があるように、気候変動への取り組みが様々に結びつき、生物多様性、循環経済へ広がっている。ライフサイクルあるいは、バリューチェーン全体の持続可能性を考慮した取り組みが求められ、それを情報開示することが今後の大きな課題となるため、企業努力自体が益々重要視されていく。
  • 日本のような立地で脱炭素を進めるには、「航空」という括りではなく、社会インフラ全体で環境価値の共有が必要である。

ANAグループの環境への取り組みについて

  • ANAグループの環境への取り組みは、利用するお客様にとって安心材料である。引き続き、取り組みを進めてほしい。また、お客様との連携はぜひ進めていただきたい。
  • クレジットの使用にあたり注意すべきことは、そのクレジットが本当に、確実に減らしたクレジットなのかという点がポイントである。生態系の吸収能力を使ったクレジットは、有望である一方で、吸収能力の不確実性の問題もある。このような点について、確実な削減、あるいは吸収が本当にできているのかという点について厳格なルールが必要という意見もある。ライフサイクル全体として環境社会への影響がないか、注意義務を果たしていくことが重要である。
  • 社会インフラにおいては、人口減と高齢化の問題も含めて、将来どのように維持し必要な拡充をどうしていくのかということは、脱炭素とは切り離しても大きな課題であるため、それらの社会課題と共に取り組む必要がある。