航空機の運航における取り組み

環境をめぐる世界情勢

ICAOの動き

ICAOは国際航空にて2021年~2050年まで年平均2%の燃費効率を改善するグローバルな目標を達成するため、2010年の総会で2020年以降は温室効果ガス(CO2)の排出量を増加させない「CNG2020」を採択しました。

CORSIAの導入

2016年ICAO総会で、2021年以降はCO2排出量の増加を伴わない国際航空の成長スキーム「CORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)」を採択。

IATAの動き

  • 2020年カーボン負荷ゼロの成長
  • 2009年から2020年まで、燃費効率、年1.5%の向上
  • 2050年までにCO2排出量実質ゼロ(2021年10月4日)

ANAグループにおけるCO2排出量削減の取り組み

ANAグループは、2030年度の中期環境目標および脱炭素社会の実現に向けたトランジション戦略を見直し、2050年度までのカーボンニュートラルへ向けたトランジション・シナリオを更新しました。2030年度までに、国際線・国内線合わせてCO2排出量を2019年度比で実質10%以上削減していきます。目標達成のため、SAFの活用を中核とする4つの戦略的アプローチ(運航上の改善・航空機等の技術革新、SAFの活用等航空燃料の低炭素化、排出権取引制度の活用、ネガティブエミッション技術*1の活用)を組み合わせ、経済合理性との両立も追求しながら、2050年カーボンニュートラルを実現してまいります。

2030年度
排出量実質2019年度比10%以上削減への道のり

  • 国際民間航空機関(ICAO)総会での国際航空の削減目標の見直し前提
  • 消費燃料の10%以上をSAFへ置き換え
  • 排出量削減内訳

技術革新 15%/SAF活用 6.5%/排出権取引制度の活用 11.5%/NETs 1%

2050年度
排出量実質ゼロへの道のり

  • NETsによるカーボンネガティブ
  • 排出量削減(100%) 内訳

技術革新 20%/SAF活用 70%/NETs 10%

  1. *1. Negative Emissions Technologies (NETs):大気中のCO2を回収・吸収し、貯留・固定化するCO2除去技術

運航上の改善

1.整備中

エンジンの水洗い・試運転

ANAグループでは、専用の車両を独自開発し、エンジンコンプレッサー(圧縮機)部分の洗浄を行っています。エンジンは使用するにつれて、コンプレッサー部分に微小なほこりが付着し、燃費が悪くなるため、定期的な洗浄でエンジン性能を回復させています。
また、試運転作業の見直しや効率化を行い、試運転で使用する燃料を年間で1%削減することができました。

飛行機の総重量軽量化

飛行機は、総重量が軽い方がより少ない燃料で飛行することができ、CO2排出量を抑制することができます。ANAグループでは、航空機への給水量の適正化、機内搭載品の軽量化を実施しています。
例えば、「翼の王国」(機内誌)の電子化、「Sky Shop」(ショッピングカタログ)の紙質変更やページ数の削減、食器やお飲物などの搭載量の見直しや使用率の低い備品の取り下ろしを実施しています。さらに、パイロットや客室乗務員のマニュアルを紙からi-Padに変更することで、70%の減量を実現しました。

2.飛行計画の作成

最適高度・速度・経路の選定

一般的には、空気密度が低い高い高度ほど、燃料消費量は少なくなります。また、必要以上に速度をあげることは、燃料消費量の増加につながります。気象条件によっては燃料を最適化できる経路も日に日に異なります。パイロットとディスパッチャーは、一便一便ごとにあらゆる情報を確認しながら、最適な高度や速度、そして経路の選定を行い、飛行計画を作成しています。また、例えば国内線など、1人のパイロットが1日に複数便を運航するような場合には、便間に次の便のフライト情報をパイロットのiPadに送り、その時点での最新の情報を使用して、飛行計画の再作成を行っています。

ディスパッチャーによる飛行計画作成の様子

3.駐機中

APU(補助動力装置)の使用時間を短縮

飛行機には翼にあるメインエンジンの他に、もうひとつAPU(補助動力装置)と呼ばれるジェットエンジンが最後尾に装備されています。APUは出発時のメインエンジンの作動や空調設備に使用する「圧縮空気」と、地上でメインエンジンの作動前に必要な「電気」を作る役割を担っています。APUの作動は燃料を必要とし、CO2を排出します。そこで、地上駐機中はAPUを使用する代わりに、地上から電力や空調を供給することができるGPU(Ground Power Unit)を飛行機に接続し、APUの使用時間を短くする取り組みを行いCO2排出の削減に貢献しています。

4.離陸

浅い離陸フラップの使用

フラップは高揚力装置と呼ばれ、離陸時に翼の面積を大きくするための装置です。翼面積をさらに大きくする深いフラップは、短い滑走路などで早く離陸できるメリットがある一方で、空気抵抗が増え、飛行機が上昇や加速を行う際に、より大きなパワーと燃料が必要となります。
滑走路が長い場合など、できる限り浅いフラップを使用することで、空気抵抗や燃料消費量の低減、そしてCO2削減につながります。

5.上昇中

早期加速上昇

離陸後の早いタイミングで加速しながら上昇し、フラップを収納、巡航高度にできるだけ早く到達することで燃料消費を抑えることができます。

早期加速上昇のイメージ図

6.巡航中

最新の気象情報を使った上空での飛行経路の見直し

ANAグループでは、飛行計画作成時に加えて、飛行機が出発した後にも再度気象情報を確認し、状況に応じて飛行経路を変更する取り組みを行っており、これをDARP(Dynamic Airborne Reroute Procedure)方式と呼んでいます。
より最適な燃料計画・飛行経路での運航が可能となり、CO2削減につながります。

DARPによる飛行経路見直し例

7.降下中

エネルギー効率の良い降下法(エンジン推力を絞り必要以上のパワーを出さない降下方法)

連続降下方式(Countinuos Decent Operations)と呼ばれ、降下の開始から最後のアプローチポイントまで、連続的に直線経路で降下を行う方式です。階段式に降下を実施する一般的な降下方式と比べて飛行距離を短縮することができ、また途中でパワーを増やすこともないため、燃料消費量の削減、CO2排出量抑制につながるだけでなく、騒音軽減効果もあります。ANAグループでは、関西国際空港で深夜・早朝便への導入を開始し、関係機関と連携しながら、対象空港への展開を進めています。

省エネ降下方式のイメージ図
フラップを出すタイミングの考慮

飛行機は着陸に向けた降下中に速度を下げつつ、フラップを出して着陸します。
フラップを出すことで空気抵抗が大きくなるため、できるだけフラップを出すタイミングを遅くすることで、燃料消費量の削減、CO2削減につなげています。

ランディングギアを出すタイミングの考慮

滑走路への着陸に使用するランディングギアは、降下中に下ろします。ランディングギアを下ろすことで、大きな空気抵抗が発生し燃料の消費量も増加します。降下中は、ランディングギアを下ろすタイミングを安全上問題ない範囲で、できるだけ遅くし、燃料消費を抑えCO2削減につなげています。

8.着陸時

着陸後の逆噴射抑制

着陸した飛行機は、リバーサー(逆噴射装置)やブレーキを使い、減速します。エンジンに取り付けられたリバーサーを使うことで、一時的にエンジンのパワーを上げ、高速で着陸した飛行機をより早く減速させることを可能とします。
着陸する滑走路が十分に長く、安全上問題がない場合は、リバーサー使用時のエンジンパワーを調整して小さくすることで、燃料消費量を抑制し、CO2削減に繋がり、騒音を抑える効果もあります。

地上走行時の片側エンジン停止

着陸後は、一つのエンジンでも十分に地上走行が可能です。パイロットは天候や飛行機の周辺環境を確認、安全に実施できるかどうか判断します。片方のエンジンを止めて1つのエンジンパワーを使って地上走行をすることにより、燃料消費量の削減、CO2削減につなげています。

9.フライト後

フライトの振り返り、地上スタッフによるフライトデータの分析を行い、日々の運航だけでなく環境負荷低減への取り組みにも活かしていきます。

航空機等の技術革新

低燃費機材・エンジンの導入

燃費効率にすぐれたボーイング787型機のローンチカスタマーとして開発に携わり、2021年には就航10周年を迎えました。2022年7月末現在77機(B787-8/-9/-10)を運用するとともに、エアバスA320neo/A321neo型機をはじめとした最新鋭の航空機を積極的に導入し、2024年3月末時点でグループの運用機材(ジェット機対象)の80.3%が低燃費機材となっています。さらに、ボーイング737-8型機の導入に向けての最終購入契約を締結し、2025年度以降の導入を目指します。
また、2030年度にはボーイング787型機100機以上の体制を目指し、低燃費機材への早期転換を推進するとともに、航空機以外にも、機体表面に鮫の肌のような特殊な加工を施す 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。ことによって、飛行中の空気摩擦抵抗を低減し、CO2排出量削減に貢献する実証等に取り組んでいます。
日々の機材運用においても、低燃費機材を優先的に使用するなど環境負荷低減に尽力しています。

ボーイング787型機が就航から10周年を迎えます 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

機体の改修

リブレット技術の実装機が初めて就航

ボーイング777型機の貨物機において、ルフトハンザテクニック社とBASF社が共同開発したAeroSHARKの改修機の就航を開始しました。2025年春からは、同技術を導入した2号機目として旅客機(JA796A)を国際線にて運航する予定であり、ANAは貨物・旅客機の両方への導入を決めた世界で初めての航空会社となります。一機当たり年間約250トンの燃料消費量と約800トンのCO2排出量が削減されます。(ANA年間平均飛行時間を基にルフトハンザ テクニック社が算出した最大予測効果)
リブレット技術の実装機の詳細はこちら新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

AeroSHARKとは?

ルフトハンザ テクニック社とBASF社が共同開発したリブレット加工フィルム。
サメ肌の摩擦抵抗を低減する構造に着想を得た機能性表面フィルムで50マイクロメートル程度の微細加工が施されています。

ウィングレットの装着

ウィングレットとは、主翼の端に取り付けられる小さな翼の一つです。装着により、飛行中に発生する空気抵抗を減らすことができます。長距離飛行の767-300ER型機では約5%の燃費向上効果があり、1機あたりのCO2排出量を年間2,100トン削減できます。ANAグループは、2010年に国内航空会社として初めてボーイングB767-300ER機にウィングレットを装着し、その後も順次装着を進めております。

次世代塗装システムの採用

従来のcoatingと比べ、耐候性に優れ、揮発性有機化合物の含有量が少なく、軽量化にもつながる次世代ペイントシステムを採用しています。

客室シートの軽量化

ANAグループは、トヨタ紡織と共同で国内普通座席のシートを開発しました。
ANAグループの航空会社としてのノウハウとニーズを、トヨタ紡織は長年に渡る自動車用シートの開発で培ってきたもの作り技術を生かして、「お客様の心に残るひとときを」をコンセプトに、どなたでもリラックスできるシートを開発しました。
今回のシート開発に当たっては、快適さを追求しながら客室重量の軽量化に対しても挑戦し、従来のシートと比較して、1機あたりの195kgの軽量化を図ることに成功しました。この軽量化により、1機あたり年間で約15KLの燃料削減となります。

ICAO離着陸サイクル

着陸時の高度3,000フィートから、離陸上昇時の高度3,000フィートまでを離着陸サイクルとして、エンジンをこの条件で運転し、各排出量を計測するものです。エンジンテスト条件は下表の出力状態および作動時間が条件となっています。

出力状態 定格出力(%) 作動時間(分)
離陸 100 0.7
上昇 85 2.2
下降 30 4.0
地上滑走 7 26.0

SAF活用(航空機燃料の低炭素化)

ANAグループの脱炭素社会の実現に向けた戦略の中核となるのはSAFの活用です。2030年度には消費燃料の10%以上をSAFへ置き換えることを環境目標とし、2050年度には消費燃料のほぼ全量を低炭素化していきます。現在、国産のSAFの安定供給に向けて、関連企業、関連省庁と連携して取り組んでいます。

2019年
  • SAFの製造を手掛ける米国 LanzaTech社と中長期的な供給に向け契約を締結。SAF使用による日本への新造機のデリバリーフライトを実施。
2020年
  • フィンランドのNESTE社と中長期的な供給に向け戦略的提携を開始。
    商業規模のSAFを調達し、羽田・成田空港を出発する定期便として初のフライトを実施。
2021年
  • NEDOプロジェクトにおいて、(株)IHIが製造した国産SAFを羽田空港発の定期便に使用
  • 東芝エネルギーシステムズ(株)、(株)東芝、東洋エンジニアリング(株)、出光興産(株)、日本CCS調査(株)との6社共同で立ち上げたカーボンリサイクルビジネスモデルが、環境省より「令和3年度二酸化炭素の資源化を通じた炭素循環社会モデル構築促進事業」に採択され、9月から実証事業を開始。
  • SAFを活用した新たな取り組みとして、「SAF Flight Initiative: For the Next Generation」を開始
2022年
  • 国産のSAFの商用化および普及・拡大にむけ、産業界を横断した有志団体 「ACT FOR SKY」を設立。
  • 国産SAFの開発・製造の推進、サプライチェーンの構築に向けて、「SAFの導入促進に向けた官民協議会」に参加
2023年
  • 海外交通・都市開発事業支援機構「JOIN」と海外におけるSAFの製造・調達等を目指す事業への取り組みに関し相互に協力するための覚書を締結
  • 米国のRaven社および伊藤忠商事㈱とSAF調達に関する覚書を締結
  • 東京都「バイオ燃料活用事業化促進支援事業」SAFの活用による羽田=八丈島路線運航開始

詳細はこちらをご覧ください。

LanzaTech社とバイオジェット燃料の購入について合意 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

排ガス原料のSAFでデリバリーフライトを実施しました 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

再生可能エネルギー大手NESTEと中長期的なSAFの調達に関する覚書を締結 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

カーボンリサイクルのビジネスモデル検討を開始 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

環境省「令和3年度二酸化炭素の資源化を通じた炭素循環社会モデル構築促進事業」に採択 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

「SAF Flight Initiative」コーポレート・プログラムの受け付けを開始 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

国産SAF(持続可能な航空燃料)の商用化および普及・拡大に取り組む有志団体「ACT FOR SKY」を設立 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

JOINと持続可能な航空燃料(SAF)に係る連携強化に向けた協力覚書を締結 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

ANAと伊藤忠が再生可能エネルギー企業RavenとSAFの調達に関する覚書を締結 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

「SAFの活用による羽田=八丈島路線のCO2排出量削減事業」が東京都バイオ燃料活用における事業化促進支援事業に採択されました 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

排出権取引制度の活用

排出権取引制度(カーボンクレジットの購入)は、地球環境全体でCO2排出量をオフセットできる制度として利用可能な手法の一つであり、前述の取組みを実施してもCO2を削減しきれない場合、短中期的な対応として活用していく方針です。長期的には、排出権取引制度に依存しないカーボンニュートラルの実現を目指します。

ネガティブエミッション技術(NETs)の活用

2030年には航空機の運航により排出するCO2の1%を、2050年には10%を大気中のCO2を回収・吸収し、貯留・固定化するCO2除去技術のネガティブエミッション技術(NETs)の活用により除去していく計画です。また、将来的に、大気中から回収したCO2を航空燃料の原料として活用することにも取り組みます。ANAは2022年3月に、DAC*1に取り組むスイスのスタートアップ企業であるクライムワークス社*2と基本合意書(MoU)を締結し、高品質かつ永久的なCO2除去技術の導入検討を開始しました。また、2023年8月に、米国の1PointFive社*3と航空会社として世界で初めて、調達契約を締結しました。現在1PointFive社は、2025年中に商業運転が開始される予定のDACプラントを米国のテキサス州に建設中であり、ANAは2025年から3年間で合計3万トン以上の炭素除去クレジット(Carbon Dioxide Removal: CDR)を調達する予定です。今後、SAFの活用等だけで削減しきれないCO2を、Direct Air Capture(DAC)等によって大気中から直接回収し、永久的に『除去』することで、2050年カーボンニュートラル(実質ゼロ)を実現します。

  1. *1.DAC (Direct Air Capture):大気からCO2を直接回収する技術
  2. *2.クライムワークス社
    大気中のCO2を永久に取り除く技術で、気候変動課題の解決に貢献しています。クライムワークスのDAC技術は、クリーンエネルギーのみを使い、CO2除去装置はモジュール化されており、ニーズに合わせた規模の設計が可能です。大気中から回収された二酸化炭素は、数百万年もの間地下深くかつ安全に閉じ込め、また、環境付加価値の高い燃料や材料などにリサイクルすることができます。
  3. *3.1PointFive社
    1PointFive社は、カーボン・エンジニアリング社のDAC技術やAIR TO FUELS™技術、地中貯留ハブを含む脱炭素ソリューションの展開を通じて2050年までに世界の気温上昇を1.5℃に抑えることを目指しています。「AIR TO FUELS™」はカーボン・エンジニアリング社の登録商標です。

社外での取り組み

環境に対する社外機関との取り組み

CARATS(Collaborative Actions for Renovation of Air Traffic Systems)

CARATSとは、増加する航空需要に応えるため、またICAOの国際方針にも合致させるために2010年より航空局主導により開始され、産学官が連携して今後の新たな運航方式を検討する会議体です。ANAは国土交通省のこの航空交通システムの革新に向けた活動に参画しております。
ICAOが2025年を目指した航空交通管理指針に基づき目標を策定し、安全性や運航の効率性を向上させるだけでなく、環境へ配慮したCO2排出量削減目標にも言及しております。
CARATSでは将来の効率的な航空管制システムについて議論され、ANAの意見を積極的にシステムに反映しています。
海外では米国のNextGen、欧州のSESARといったものがあり同じような取り組みがされており、CARATSの活動過程において、将来の効率的な運用を促進することを目的として、米国のNextGenやヨーロッパのSESARとも連携をとっています。
様々な運航関係がタイムリーに情報共有すれば、シームレスな航空管制ネットワークを効率的に構築できると考えています。

CARATS 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

ICAO(International Civil Aviation Organization)

ANAは、過去よりICAO日本政府代表部に在外公館専門調査員制度を通じ社員を派遣しており、2020年からも1名を派遣しています。また、各国政府、業界団体、学界も参加するICAOの航空環境保全委員会(CAEP:Committee on Aviation Environmental Protection)のメンバーである国土交通省のアドバイザーとして、CAEP下部組織のCORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)や持続可能な航空燃料SAF(Sustainable Aviation Fuel)のワーキンググループに参加し、業界として助言、提言を行っています。 ICAO CAEP HP 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。(English)
なお、現在ICAOが進めている国際航空の2035年までのCORSIAに加え、2022年ICAO総会では、 国際航空セクターの長期目標(LTAG: Long term global aspirational goal)として、2050年のネットゼロが合意されました。
LTAG 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。 (English)

IATA(International Air Transport Association)

現在、ANAからは社長がメンバーとなるBOG(Board of Governor)とその下部組織の諮問委員会のうち、環境、貨物にメンバーとして選出されています。
ANAは環境諮問委員会であるSEAC(Sustainability and Environment Advisory Council)のメンバーを5年間継続して選出され、年2回の定例会議や都度開催される電話会議で環境問題、課題を議論し、理事会、その他の機関への助言を行い、航空業界に起こりうる問題の解決に取り組んでいます。

ATAG(Air Transport Action Group)

ATAGは、航空輸送部門バリューチェーンに関わる関係者や専門家を結集する非営利団体で、2050 年までの航空輸送における炭素排出実質ゼロ(Waypoint 2050)に向けて業界を牽引しています。ANAは、ATAGメンバーであるIATAを通じ、ATAGの活動を支援しています。ANAが制作を協力した”Young aviation professionals on flying net zero”ビデオは、こちらをご参照ください 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。(英語)。

AAPA(Association of Asia Pacific Airlines)

ANAはアジアの航空会社16社で構成する業界団体であるAAPAのメンバーとして、下部組織の委員会となるEWG(Environment Working Group)のメンバーとし参加、年2回の定例会議や都度開催される電話会議で環境に影響を与えるさまざまな問題を議論し、課題解決のために取り組んでいます。

Star Alliance

Star Alliance のBoardメンバーであり、Star Alliance Sustainability VECのメンバーとして、環境に関する課題を取り上げ、議論し、アライアンスメンバー内で取り組むべき内容を協議しています。

代替航空燃料活用に向けた取り組み(SAFUG)

ANAは2008年9月に設立された持続可能な航空燃料のユーザーグループSAFUG "Sustainable Aviation Fuel Users Group"に当初からメンバーとして参画し、ボーイング社やエアバス社からの支援や天然資源防護協議会などのNGOの協力のもと、持続可能な航空燃料の開発と使用に取り組むため、年2回の定例会議で代替航空燃料に関する議論、情報交換をおこなっています。
また、SAFUGの活動を通じてNGOのRSB*の会員となっています。

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