働き方改革
基本的な考え方
真のダイバーシティ&インクルージョンの実現には、社員全員の意識や働き方の改革が不可欠です。多様な社員がいきいきと活躍できる環境を整えるために、ワークとライフの相乗効果を生み出せる「ワークライフバランス」を推進しています。特に「働き方改革」の実現に向け、ANAグループでは「働きやすさ向上」と「生産性向上」の両面から施策に取り組んでいます。労働時間や休日は各国法令で定められた基準を順守し、長時間労働・過重労働の防止に向けて総実労働時間の短縮に取り組むとともに、社員にとって働きやすい環境を整備することで業務効率を高め、そこから生み出された時間を有効活用しさらなるライフの充実や、新たな発想に基づいた業務変革につなげています。
推進体制
2016年10月に経営トップによる「働き方改革宣言」をおこない、企画および人事労務担当部署を中心とした事務局体制のもと、長時間労働の改善、労働時間管理の徹底から取り組みを展開しました。それ以降、多様で柔軟な働き方の実現、生産性向上によるアウトプットの最大化へと取り組みの幅を広げています。
主な取り組み
労働時間と時間外労働について
長時間労働を改善するため、年度ごとに労働時間に対する全社目標を定め、その目標達成に向けてKAIZEN活動を中心とした「業務の効率化」とマネジメントによる「労働時間管理の徹底」に取り組んでいます。
KAIZEN活動とは、業務や職場の中に潜むムリ・ムラ・ムダを取り除く取り組みであり、2018年度より全社にて展開をしております。労働時間管理に関しては、シフト勤務以外の従業員は上司による現認の徹底が困難であることから、勤怠打刻による労働時間の記録に加え、PC利用時間等の客観的記録を毎日抽出し、労働時間実績と差異があれば修正もしくは事由の確認を必要とする勤怠管理システムを導入しています。*1
加えて、個々の従業員の意識改革のため、オフィスの20時以降の自動消灯や優先有休取得日の設定など、メリハリのある働き方の実践に向けた啓発も実施しております。
月次で全社の労働時間実績を集計し、社内ポータルサイトにて開示をしていることと併せて、定期的に労働時間管理に対する社内調査を実施し、適切な労働時間管理の浸透を図っています。
- *1.ANAでは、労働組合との合意のもと、通常の労働時間を週40時間とするとともに、1日あたりの時間外労働時間を4時間(月で30時間)に制限することとしています。日本国外においても、国際労働機関(ILO)が定める週の労働時間48時間、ならびに時間外労働を含んだ場合の60時間の制限を超えるような労働はさせません。なお、時間外労働については、会社と従業員による合意のもとに実施し、割増賃金を支払うことを徹底させています。
- *2.2020年度及び2021年度は新型コロナウィルス感染拡大の影響による特殊環境での実績となります。
ワークライフバランスの充実
一人ひとりに合った多様で柔軟な働き方を実現できるよう、働く場所や時間を制約なく選択できる制度を志向し、その拡充に取り組んでいます。「働く場所」については、2020年度に「新たな働き方に関するANAグループ方針」を定め、『出社を原則とした働き方』から『お客様・現場に根ざした、場所に捉われない働き方』へ移行することとしました。それに伴い、これまでの在宅勤務を主としたテレワーク制度から、業務特性や効率性に応じて、従業員が働く場所を選択する「リモートワーク制度」へと改定を行っております。併せて、休暇滞在先でのリモートワークを可能とする「ワーケーション制度」も導入しております。「働く時間」については、2001年にフレックスタイム制度を導入し、2007年以降はコアタイム撤廃を可能としております。また、2021年度より、これまで育児・介護事由に限定していた短時間・短日数勤務制度を事由問わず適用できる新たに制度化しました。その他、事由を問わない休業・休職(サバティカル休暇制度)の導入や他社に雇用される形態も含めた兼業範囲の拡大も行っております。
両立支援制度
ANAグループは、個々の従業員の多様な事情に対応できるよう仕事と生活の両立支援制度を整備・拡充し、従業員への周知により利用促進を図っています。