重要課題の特定

ANAグループは、「ワクワクで満たされる世界を」を、経営ビジョンに掲げ、グローバルな課題をANAグループらしい方法で解決することで、社会と共に発展する企業でありたいと考えています。グループとして取り組むべき重要課題を特定し、事業戦略・計画に組み込むことで、その解決に取り組んでいます。

重要課題の特定プロセス

グループとして取り組むべき重要課題の特定にあたっては、国際社会が長期的に抱える課題を把握し、経営理念や戦略との一貫性・継続性があるかどうか、事業活動を通してその解決に貢献できるかを「経営理念・経営戦略」「ANAグループの強み」「社会動向」の3つの視点で抽出します。(図1)

図1 マテリアリティ特定の概念図

「経営理念・経営戦略」「ANAグループの強み」「社会動向」の3つの円が描かれており、3つの円が重なり合った部分を重要課題としている概念図

抽出した課題を自社の事業に与えるインパクト(経営軸)、社会や環境に与えるインパクトや関心の高さ(社会軸)の2軸で重要性を判断し、重要度が高いものを特定します。(図2)

図2 経営軸・社会軸のマトリックス

特定した重要課題が常に世界情勢・環境の変化やANAグループの経営戦略に合致しているかどうかを精査するため、毎年、社内外の関係者との議論や情報収集により妥当性を確認し、新たに特定するステップを繰り返しています。(図3)

図3 確認のステップ

STEP1 課題の把握と特定 国際社会の課題に対する動向の把握、STEP2 課題の優先順位付け 多様なステークホルダーとの対話、STEP3 妥当性確認 外部有識者との対話や経営層レベルでの議論。これらの3STEPを繰り返している図

ANAグループが本格的にESG経営を推進すること、経営戦略の遂行を通じた社会的・経済的価値の同時創造を目指すことを前提に重要課題を検討しました。具体的には、経営戦略を遂行する上での機会とリスクを把握し(図4)、重要課題の特定と確認のステップを経ることで、社会課題に対するグローバルな動向、自社を取り巻く経営環境、ステークホルダーからの期待を踏まえた重要課題を特定しました。特定した重要課題については、「グループ経営戦略会議」にて議論、審議し、「取締役会」に上程しています。

図4 経営戦略を遂行する上での機会とリスク

新たな経営ビジョンと、その実現に向けた「2023-25年度中期経営戦略」の検討に合わせ、2022年度に重要課題も改めて 確認しました。
当社グループは、2020年度から新型コロナウイルス感染症の影響や予測不能の環境変化が続く中、社員一人ひとりのモチベーションや自律性の高さにより工夫を凝らし、会社の危機をグループ一丸となり乗り越えてきました。この「人の力」と「組織の力」を生み出す源泉である人的資本への投資を強化することにより、多様な人財が個々の強みを発揮しながら変革 を推進することが中長期的に会社の持続的な成長を支えていくと捉え、従前からANAグループの価値創造の基盤であった 「人財」を追加し、「環境」「人(人財・DEI・人権)」「地域創生」を当社グループの重要課題として特定しました。(図5)

図5 重要課題のマトリックス

縦軸(上に行くほど非常に重要)としてステークホルダーの関心、社会・環境に対するインパクトから成る社会軸、横軸(右に行くほど非常に重要)としてANAグループの事業におけるインパクト(経営理念・ビジョン、経営戦略の方向性、事業機会とリスク)から成る経営軸があり、中央からやや下方、やや右寄りに地域創生(日本の地方の衰退、新興国の所得・教育格差)。そのやや右上に環境(気候変動・環境汚染)。その右に人(人財(人的資本への投資)とDEI(お客様と従業員のダイバーシティ)、人権(サプライチェーン上の人権侵害))

特定された重要課題とその具体的取り組み

重要課題について

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