食の安全・安心

機内やラウンジで提供する食事、飲料、茶菓などは、お客様がANAを体感し、ANAがお客様から評価される重要な要素の一つです。

機内食は、かつての空腹を満たすための食事から、確かなプロセスで調達・製造された食事を、寛ぎとホスピタリティに満たされた空間で提供し、お客様に歓びを届けられる商品の一つへと進化しています。

ケータリング業務

機内食の調達、製造(調理、加工)、機内で使用する食器や飲料などサービス物品の洗浄、保管、航空機への搭降載、これら一連の業務を総称して「ケータリング業務」といいます。空港において、日々さまざまな航空会社にケータリング業務を行う会社が、「ケータリング会社」です。

ANAの機内食は、ANAの就航する日本および世界各地で委託するケータリング会社などで製造され、航空機に搭載されます。

ANAの品質管理システム「ACQP」

ANAでは、お客様に「食の安全」、「お客様がご満足できる味品質」をお約束するため、提供する機内食は自社組織のもとで管理をする必要があると考えています。そのため機内食の統一衛生基準と自社独自の考え方・基準により、就航する日本および世界各地で委託するケータリング会社に専任の監査員やシェフが毎年定期的に訪問して指導を実施し、また現地のANA空港所でも「食の安全」確保のための担当スタッフを配置しています。また、ケータリング会社に対する評価をより客観化するために、外部専門機関による定期的な監査も実施しています。また自社ラウンジについても専任の監査員が定期的に監査を実施し指導を行っています。
さらに機内でお客様にご提供している水の品質についても専門検査機関と連携し定期的な水質検査を実施し安心してご利用頂けるよう管理体制を構築しています。

これらの結果は社内にフィードバックされ、機内食品質の維持向上のための具体的対策が立案、実施されています。「食の安全」については、その実績が定期的に役員会で報告されます。

ANAでは、

  • 「機内およびラウンジにおける食の安全」
  • 「おいしさを追求する味品質」
  • 「安全で迅速正確なサービス物品の航空機への搭降載および管理業務」

の3つの視点からPDCAサイクルによる品質管理システムである、ANAケータリング品質プログラム「ACQP(ANA CATERING QUALITY PROGRAM)」により管理を実施しています。

ANA CATERING QUALITY PROGRAM 安全と品質の方針が定められた規定・マニュアルがあり、それをもとに役員会がマネジメントレビューを行う。それを受けて業務委託会社がオペレーションを行う。それを受けて、品質管理会議がモニター・改善を行う。それを受けて、監査。実技指導を行う。モニター・改善、監査の結果によっては、再度マネジメントレビューが行われる。

食の安全・味品質へのこだわり

委託先ケータリング会社に対してANAが求める「食の安全」に関する基準は、ケータリング業界で求められている標準的基準より厳しく設定されています。

食品の衛生的な取り扱いや調理手順はもちろんのこと、いわゆる「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾け)を基盤とする、「食の安全」を求めるうえでの前提条件についても細かな基準をケータリング会社の協力のもとで運用しています。

また、機内食の味品質についても妥協することはありません。

ANAでは海外発機内食の味品質維持向上のための、和食・洋食専任シェフを配置し、すべての海外委託先ケータリング会社に直接指導をおこなっています。

機内における気圧や湿度などの環境下では、人間の感じる味や食感は地上と異なります。
また、機内では、ほとんど調理済みの機内食を客室乗務員が機内の限られた設備を使用して再加熱して提供する特殊な形態になりますので、冷蔵保管管理が衛生上で非常に重要となり、味品質を維持するためにはシェフに高い技量が求められます。

ANAの指導専任シェフは、これらの条件を考慮してメニューを作成し、「美味しさ」を数十項目に分けて可視化、委託するケータリング会社のシェフに対して調理方法を指導します。

また、ケータリング会社からの現地食材の持ち味を生かしたメニューの提案も採用して、お客様にバラエティに富む機内食をお楽しみいただいています。

特に、海外発の便でお客様に寛いでお召し上がりいただける和食を提供するために、ANAの指導専任シェフはケータリング会社のシェフと海外で調達できる限られた食材で試行錯誤を続けながら日本の味を再現できるよう研究を続けています。

今後もお客様への「食の安全・安心」の提供を基盤としたANAの機内食にご期待ください。

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