ANAグループ安全推進活動計画

ANAグループ中期安全推進活動計画

2021年度は、新たに策定した「2021-2025 ANAグループ中期安全推進活動計画」に基づき、『世界一流の安全の仕組みと文化を持ったリーディングエアラインになり、お客様のあんしんを生み出す』というビジョンのもと、以下の安全施策に取り組みました。この安全推進活動計画の2年目となる2022年度は、足下の環境変化を把握し適切に対処しながら、着実に推進していきます。

1. 安全の堅持と変化・変革に強い組織づくり

環境の変化や事業変革に対して、適切なリスク・マネジメントや変更管理を行いながら安全管理システム(Safety Management System: SMS)を強化し、経営の基盤である安全を堅持します。(*補足参照)
また、安全管理システムにおいては、ハザード(不安全事象の原因または要因となる可能性のある状態もしくは事物)の特定による未然防止型・未来予測型リスク・マネジメントを追求します。

2. 世界標準による安全推進

IATA(国際航空運送協会)やSTAR ALLIANCE等を通じてグローバルな安全情報を共有するとともに、世界標準であるIOSA(IATA Operational Safety Audit)の要求事項に対して適合を図っていきます。
また、ANAグループや関係する航空会社と協働しながら、国内のリーディングエアラインとして安全推進活動に取り組んでいきます。

3. 安全行動の体現と安全文化の醸成

一人ひとりが安全行動を体現できるように、各種安全教育のオンラインやオンデマンド化を図りながら充実させるとともに、フォーラムやキャラバン等の啓発活動を通じて安全文化の醸成を図ります。
その他、安全行動を認める/褒める活動を推進し、ポータルサイト等を活用しながらグループ内における安全情報の共有化を推進していきます。

4. 安全を推進する人財の育成

安全管理システムの教育を充実させグループ内で展開するとともに、効果的な安全活動やノウハウに関して、部門間における水平展開を図っていきます。
また、職場内においてもマネジメント層と安全担当者が連携しながら、一人ひとりの安全行動を高め、安全性の向上に繋げていきます。

5. お客様・社会の安全に関わる「あんしん」

ESG経営の観点から、お客様や社会と共に安全に関する価値観を共有し、お客様が感じる「あんしん」を大切にすることにより、お客様との信頼関係を高め、ANAグループとしての企業価値を向上させていきます。
また、グループにおける安全の取り組みについて、ホームページ等での情報発信や安全施設の見学等により社会からの理解を深める活動も行っていきます。

安全を堅持する4つのリスク・マネジメント

運航
事故・重大インシデントの防止
お客様
出発から到着までのお客様の身体・生命への危険防止
社員(作業者)
ANAグループ社員への危険防止
保安
テロ・ハイジャックなど不法行為の事前リスク発見・予防対策

ANAグループでは、航空機の「運航」のみならず「お客様」の安全、「社員(作業者)」の安全、「保安」も加えた4つのリスク・マネジメントを実践しています。
この4つに関する不安全事象について数値目標を設け、安全推進体制や最高意思決定機関として毎月開催される「グループ総合安全推進会議」にて高リスクな事象や課題の報告とともに、対策やリスク低減について審議し、安全目標と達成度のレビューを行っています。

  • 補足

安全の堅持と環境変化・事業変革の両立

新型コロナウイルスの影響を受け、ANAグループでも事業計画の見直しを含めて取り巻く環境が大きく変化しています。2021年度以降も引き続き事業構造改革を推進しつつ、需要回復局面においては機動的に運航便の再開を図っていきます。
こうした環境下において、航空業界では事業面で大きな変革が求められていますが、従来と異なる仕組みや手順を導入するにあたり、安全を堅持し続けるための仕組みを構築しています。

  1. 組織としてエラーを未然に防止する安全管理手法である「変更管理」
    仕事の仕組みや流れに変更が生じる際、事前にその変更により生じる危険要因(ハザード)を抽出するとともに、そのハザードにより発生する可能性のあるリスクを検証し、必要に応じて適切な対策を図ることによりリスクを低減させた上でその変更を導入する安全手法です。
  2. 個人で安全を守り続ける「リスク予知(3H含む)」
    昨年度、業務環境の変化「3H(初めて、変更、久しぶり)」に対応してリスクを予測し、不安全事象を未然防止するため「3Hマネジメント」の強化に取り組みました。今年度は範囲を拡げ、一人ひとりの仕事に向き合った「リスク予知(3H含む)」の効果的な実践を推進します。
    1. 一人ひとりが仕事に対する想像力を働かせ、リスクを予想する
    2. ブリーフィングを十分に行い、気づきを共有し、リスクへの対応を考え実行する
    3. 業務開始後も、仲間同士でアサーション(*発展的・協調的に意見・指摘すること)を積極的に行う
    4. 異変に気づき、危ないと思ったら、ヒヤリハット等の自発報告を積極的に発信する

上記の組織的対応、個々人の行動により、「安全と変革の両立」に取り組んでいます。

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