ANA Professionals

  • ANA inspiration of JAPAN

情報とともに気持ちを届ける国際線予約コミュニケーター インタビュー現場すら一瞬で和ませる巧みなコミュニケーション! 「お電話ありがとうございます!ANAの○○でございます」電話で航空券の手続きをしたことがあるなら、耳にしたことがあるだろう。会話の中身はマニュアル…かと思いきや、その都度ニーズに合わせて対応するという。さらにはチームワークも必要だ。短い時間でも一期一会。そこに全てを費やすのだ。 文=吉州 正行  写真=小島 マサヒロ  #13 ANAテレマート 東京支店国際グループ 佐野 恵

目指したのは接客サービスの最前線 都心のターミナル駅に隣接するビジネスビルの1フロア。中に入ると、一般的なオフィスと見まちがう風景が広がるが、ほぼ全員が耳にインカムをつけている。ここはANA国際線の電話オペレーションを行うエリア。彼らは皆一様に高い専門知識を備えた、コミュニケーションのエキスパートなのだ。「7月上旬はまだ繁忙期ではありません。実はお盆やお正月が終わったあたりから翌年の予約が入り始めて、途端に忙しくなるんです。あとは天候の関係で便にキャンセルが入るような時期も忙しいですね」にこやかに話すのはこの道6年のスペシャリスト、佐野 恵だ。「航空業界に興味があったので、エアラインスクールに通っていたんです。それと人と話をすることが好きだったので、お客様と実際にふれあう仕事に就きたいなと思っていて」高校の修学旅行で初めて飛行機に乗ったという佐野。飛行機に魅せられたと同時に、もともと英語が好きだったらしい。そこから道が開けたようだが、確固たる意思でこの業務を選んだという。「サービスのフロントラインに立ちたいという気持ちがあって、そのなかでも予約センターにすごく魅力を感じたんです。お客様の出発前から到着後まで携わることができますから」
雰囲気を一変させる 会話のプロの真骨頂 よく通る声にあふれる笑顔。会話のプロであるとはいえ、インタビューの現場が終始和やかなのは、きっと佐野の人柄によるところが大きいだろう。「最初は電話の応対をするコミュニケーターという立場でした。次のステップとして、ラインアドバイザーというコミュニケーターからの相談を受ける業務があります」さらにアシスタントスーパーバイザー、そして拠点すべてのオペレーションを統括するスーパーバイザーへと、権限は広がっていく。佐野は契約社員のコミュニケーターから正社員のスーパーバイザーへ、6年かからずにステップアップした実力の持ち主。加えて入社2年目にして年に一度全国規模で行う「応対コンクール」で優勝したほど。場を“和やか”にできるのも、うなずける。「今でもまだまだ未熟だと思っています。ただ、ステップアップしてできることの幅が増えていくことは、うれしい実感が伴いますね」さらに、新人の教育担当にも選ばれたという。「なかでも私は、マイレージを使った特典航空券のお問い合わせに関する電話業務の指導をしています。基本的には楽しく教えていますが、ときには厳しくも」と言うが、きっとそこも和やかに違いない。なにせちょっと撮影の合間にオフィスを見回しても、実にアットホームな職場なのだ。
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情報は常に更新する。ときにお客様から学ぶことも 「勤務帯によって、いくつもの班に分かれていて、毎日メンバーの組み合わせが変わります。何かあれば相談してくれるし、私も相談しますから、和気あいあいとしていますよ」業務は4勤2休が基本で、土日祝日も業務がある。シフト次第でスーパーバイザーの日もあればコミュニケーターの日だってある。それゆえに、職場はフラットだ。初めてANAをご利用になるお客様のお問い合わせから、ダイヤモンド会員のお電話まで多岐にわたるという。「ANAのサービスの範囲内でお答えできないことがあってはならないので、その場で即答しかねるお問い合わせがあっても、必ずお調べして折り返しご連絡差し上げるんです」たとえば機内搭載品の紙おむつや粉ミルクの銘柄、ラウンジで提供しているサンドイッチのラインナップなど、一口に「サービスの範囲内」と言っても多岐にわたる。調べてアップデートした情報は社内で共有してナレッジとする。その積み重ねが信頼につながるのだ。「たとえば『ラウンジでこんなことがあって』など、よくご利用くださっているお客様が空港の状況に詳しいことも多いので、勉強をさせていただくこともありますね」
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経験、向上心、内面 すべて揃ってはじめて一流 「お客様の声に耳を傾けることが大事だと心がけています。『えー』とか『あー』といった言葉は禁句ですし、知らず知らずのうちに早口になってしまうことがあるので、そこは真っ先に直されました」手慣れた電話の対応も、この6年で培ったものだ。「シンガポールにご旅行で向かわれたお客様から、事情があってお帰りの便の変更を承ったんです。後日そのお客様からお礼のお手紙を頂戴したことがあって、それは忘れられない思い出です。普段、お礼をいただくことはあっても、なかなかお手紙までいただくことはありませんので」そんな手紙のみならず、社内での同僚からもらった感謝の手紙や、指導担当者として教え子からもらった感謝のメッセージカード、仲間たちからの寄せ書きなど、佐野に対するメッセージアイテムは数知れず。すなわち一流のオペレーターとは、技術のみならず取り繕えない内面の輝きがあってこそなのだと心底思わされる。加えて、向上心も必要であるようだ。「もともと自分の知識や経験の幅を広げたくて正社員になったんです。マイレージセンターや、それぞれの部署を統括している企画推進部などがあるんですが、いろんな部署を経験してみたいと思いますね」

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